日向倶楽部世界旅行編第68話「横須賀利根姉妹」

決勝トーナメント一回戦が終了、ベスト8が定まった。その第一試合に挑む野分と長門の前に、横須賀鎮守府親衛隊の利根姉妹が立ちはだかる。
0
三隈グループ @Mikuma_company

「相手は横須賀鎮守府の親衛隊…」 「こんなところで奴に会うとは」 「この様な場で再戦なるとは」 「一気に距離を詰めるぞッ!」 「晴嵐、波紋掌底ッ!」 「姉さん、また…!」 「安心せい、お主の姉さんは強い」 「姉さんは昔から…いつも…ずっとそう」 日向倶楽部、この後21:00! pic.twitter.com/kwCdf0fm0l

2018-11-15 20:48:33
拡大
三隈グループ @Mikuma_company

~おわび~ この度はスケジュール管理の不備などにより二週連続の休載となってしまい、誠に申し訳ありませんでした。以後はこのような事が無いよう善処いたしますが、やむを得ずお休みとさせていただく場合もございます、どうかご了承ください。

2018-11-15 20:50:39
三隈グループ @Mikuma_company

【前回の日向倶楽部】 扶桑です。 決勝トーナメント一回戦が終了しました。日向も最上さん、親衛隊の二人も勝ち進む事が出来ました。皆さん予選も決して楽なものではなかったでしょうに、全く疲れを見せずに戦っています、すごいですね。そして決勝トーナメントは二回戦に進むのですが、果たしてこ

2018-11-15 21:00:13
三隈グループ @Mikuma_company

【前回の日向倶楽部その2】 ピンクショッカーズのサザナミとシラヌイは、ボーダー博士という人物の密命を受け、「ゼロ」呼ばれる存在と、「ジョジョ」という人物を探していた。ゼロ、ジョジョ、謎に包まれた存在は何処にいるのか、何処にあるのか…

2018-11-15 21:01:20
三隈グループ @Mikuma_company

日向倶楽部 〜世界旅行編〜 第68話「横須賀利根姉妹」

2018-11-15 21:02:15
三隈グループ @Mikuma_company

〜〜 ブルネイ泊地のビーチ、一人の少年がスマートフォンを覗き込んでいた。 「僕は独り言の多い少年…決勝トーナメント一回戦が終了したから、スレッドをスマートフォンで見ている…」 独り言の多い少年は、スマートフォンを弄り、独り言を言い始めた。

2018-11-15 21:03:09
三隈グループ @Mikuma_company

「決勝トーナメント二回戦は、当然一回戦を勝ち抜いたチーム同士の対戦だ。二回戦第一試合の対戦カードは…」 二回戦第一試合 Eリーグ1位通過 利根&筑摩 横須賀利根姉妹 VS Hリーグ2位通過 長門&野分 正義旅団 「横須賀鎮守府親衛隊と、ワタリ艦娘ペアの対戦…気になるね」

2018-11-15 21:04:21
三隈グループ @Mikuma_company

少年は独り言を続ける。 「二回戦第二試合は…ここだ」 二回戦第二試合 Bリーグ1位通過 サザナミ&シラヌイ ピンクショッカーズ VS Cリーグ2位通過 日向&伊勢 なかよし伊勢型 「強豪チーム同士の対決だ、どちらが勝つか本格的に分からないね…」

2018-11-15 21:05:25
三隈グループ @Mikuma_company

次 「二回戦第三試合は…」 二回戦第三試合 Cリーグ1位通過 最上&足柄 Wヴィースト VS Fリーグ1位通過 リリィレオン&ローズハルト ナイツオブフラワー 「Wヴィーストは予想通りだが、ナイツオブフラワーは大穴だね…ダークホースの出現にスレ民もかなり興奮しているよ」

2018-11-15 21:06:30
三隈グループ @Mikuma_company

最後 「二回戦第四試合は…」 Dリーグ1位通過 バルバトス加賀&バンドマン吉田 デスメタルピース VS Hリーグ1位通過 飛鷹&村上 海上保安艦隊 「デスメタルピースには様々な方面から注目が集まっている…横須賀利根姉妹と並んで観客動員数の多いチームだ。」

2018-11-15 21:07:37
三隈グループ @Mikuma_company

少年はスマホを閉じる。 「要するにベスト8は以下のチームだ。」 ・横須賀利根姉妹 ・正義旅団 ・ピンクショッカーズ ・なかよし伊勢型 ・ナイツオブフラワー ・Wヴィースト ・海上保安艦隊 ・デスメタルピース 「趣の異なるチームたち…二回戦も楽しみだね。」 〜〜

2018-11-15 21:08:47
三隈グループ @Mikuma_company

〜〜 決勝トーナメント二回戦第一試合、長門と野分はカタパルトにて待機していた。 (相手は横須賀鎮守府の親衛隊…那珂さんはあの二人を圧倒していたけれど、私より実力は遥かに上…) 野分は以前行われた、那珂山城対利根筑摩の演習戦を思い出していた。

2018-11-15 21:09:58
三隈グループ @Mikuma_company

トラック泊地にて行われたその演習戦、ざっくばらんに言えば、那珂が一人で利根姉妹を圧倒したという内容だった。 (確かに実力は向こうが上…でも、私はあの人達の不思議な力を見ている…手の内をある程度知ってるなら、戦いようはあるはずよ…!) 野分は、自分を奮い立たせるように考えを巡らせる。

2018-11-15 21:11:11
三隈グループ @Mikuma_company

その隣で、長門は静かに待っていた。 (利根…よもや、こんなところで奴に会うとは思っていなかったな…) 現在はワタリ艦娘として各地を放浪する長門だが、彼女が訓練を積んだのは横須賀鎮守府である。故に、横須賀鎮守府の親衛隊である利根とは面識もあった。

2018-11-15 21:12:22
三隈グループ @Mikuma_company

(私の実力を試す相手としてはこれ以上ない程ベストな相手だ、存分にやらせてもらおう…) 長門は二丁の主砲をくるりと回すと、自信ありげな表情で頷いた。 彼女の艦=カタは、近接戦闘にて猛威を振るう、接近すれば利根姉妹が相手であろうと圧倒する事が出来るはずだ。

2018-11-15 21:13:53
三隈グループ @Mikuma_company

それを踏まえ、長門は野分の方に目を向ける。 「あまり出しゃばるなよ、お前では相手にならん可能性が高いからな。」 「なっ…ええ…?」 クギを刺す長門に対し、野分は眉間に皺を寄せる。実力は相手や長門の方が上なのは確かだ、しかしこれはあんまりな暴言である。

2018-11-15 21:15:19
三隈グループ @Mikuma_company

そんな彼女に、長門はもう一度言った。 「私は利根の相手をする。お前は倒されないよう、なるべく自衛に徹しておけ。」 一人でも十分とばかりな長門、しかし野分にしてみれば、その言葉は見積もりが甘いと思えた。 「ま、待ってください…あの二人は強いんです、そんな簡単な話では無理です」

2018-11-15 21:16:47
三隈グループ @Mikuma_company

だが野分がそう言っても、長門は不敵な態度を崩さず、前に目を向ける。野分は何か言おうとしたのだが、試合開始のアナウンスが鳴り、前を向かざるを得なかった。 「ただいまより、決勝トーナメント二回戦第一試合を執り行います!」 試合開始が迫る… 〜〜

2018-11-15 21:18:17
三隈グループ @Mikuma_company

〜〜 決勝トーナメント二回戦第一試合、正義旅団と横須賀利根姉妹の試合が始まった。 「相手は艦載機の運用に長けている、一気に距離を詰めるぞッ!」 長門は姿勢を低くし、最大スピードで直進する。艦載機を仕掛けられるより早く、砲撃戦に持ち込もうという構えだ。

2018-11-15 21:19:55
三隈グループ @Mikuma_company

予選における横須賀利根姉妹は、利根の艦載機を主体に攻め立てる事で他を寄せ付けない戦いを見せた。ならば艦載機を使わせない事が最も手っ取り早いし、確実なのだ。 「野分ッ、お前は相手の動向に気を配っておけ!」 彼女は野分を随伴させつつ、ひたすらに加速する。

2018-11-15 21:21:02
三隈グループ @Mikuma_company

対する野分は長門に随伴しつつも、彼女の姿勢に疑問を抱く。 (利根姉妹は晴嵐の波紋、そんな名前の力を使う。あれを崩さなきゃ勝てないけど、長門さんはどう考えてるのかな…) 利根姉妹の操る晴嵐の波紋、その力は野分も目の当たりにしていた。

2018-11-15 21:22:03
三隈グループ @Mikuma_company

那珂はそれすら圧倒していたが、なら野分が同じようにやれるかと言われれば、答えは十割ノーであった。 晴嵐の波紋は攻防両面で力を発揮する上、利根姉妹…特に姉の利根は、艦娘としての技量も抜群に高い。 彼等への攻略法、そんなもの野分には浮かんでいない。今は長門に頼るしかなかった。

2018-11-15 21:23:50
三隈グループ @Mikuma_company

二人は海を駆ける。スタジアムは歓声にこそ包まれていたが、それ以上の事は起きない、静かな状態が続いていた。 (艦載機を使用して来ない…?通用しないと踏んでいるのか?) 長門は訝しむ。遠距離から一方的な攻撃を行える艦載機というのは、非常に強力な攻撃方法である。

2018-11-15 21:24:58
三隈グループ @Mikuma_company

反面、対策を分かっている者に対しては効果が薄くなりやすい。熟練の艦娘になればなるほど艦載機は通用しなくなり、仕掛ける側はいたずらに消耗しないよう、何かしらの手を打つ必要がある。 ベスト8まで残った長門達に対し正面から艦載機をぶつけないというのは、決して不自然な行動ではなかった。

2018-11-15 21:25:58
三隈グループ @Mikuma_company

(何をする気かは分からんが、こちらとしては接近するのが第一だ…迷わず行くぞ…!) 長門は最大限の警戒をしつつ、二丁の主砲を構え、背負った艤装の砲口を周囲に向ける。艦載機さえなければ射程で優位が取れる、近接戦にも艦=カタがある、十分な勝算があった。

2018-11-15 21:27:00
1 ・・ 4 次へ