- Sunset_Yuhi
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学者を批判する側の言い分としては、「学者が意図的に特定の主張を擁護してきたor批判してきた」というのがある。 大抵の場合、相対論が間違いだと言う人や、イオン水・電子水・水素水辺りの食品系、歴史に関しては複雑だけど一部の自虐史観批判など、何かしらの主張をする中で「学者批判」される。
2018-11-18 17:07:37相対論が間違いかどうかとかは置いといて、そもそも学者と一般人ってのはそんなに分かれてないと思う。一般人でも何か研究するのは不可能ではない(プロセスを重視する)ので、学問は学者「だけ」のものとは思わんけど、なぜか学者「ではなく」一般人が研究すべき、と踏み込んでしまう人がいる。
2018-11-18 17:18:53一方、学者・一般人・マスコミなどが絡んで研究が進んだ例はある。 「ナメクジの出現予測」academist-cf.com/journal/?p=7702 この例で大事なことは、学者・一般人・マスコミのどれかが欠けていたら、この研究は成立しなかったと思われることだ。
2018-11-18 17:21:50歴史研究する時には、地域の郷土史家と協力したり、一般家庭の資料調査とかもあるだろう。そうなるとやはり、学者と一般人ってのは、研究する上ではそんなに区別されないんでは、ということになる。
2018-11-18 17:24:25一方、最近だとSTAP細胞とかが有名だが、学者は常に正しい訳じゃない。ただ、あれがなぜ間違いだと分かったかと言うと、世界中の人が追試しても論文と同じ結果が出なかったからだ。アカデミックの世界は開かれていて、検証の環境も整っているから安心できる。
2018-11-18 17:25:32それは恐らく歴史学でも同様で、学者でなく一般人が歴史書を書いても別に問題ない。ただ、まともに研究をするならそれも査読を通すべきだろう。信憑性は「誰が書いたか」ではなく、多くの人が検証した後で分かる。
2018-11-18 17:27:32後で間違いが分かって訂正するのは普通にあって、定説が否定されることは珍しくない。生物学だとiPS細胞が出てから細胞初期化の定説が変わったし、地学だともっと変わってる。そして「検証をしても間違えることがある」のは承知で、有力な説が支持されていた。その態度は特に不自然でないだろう。
2018-11-18 17:33:40追試験とかしやすい仮説はともかく、歴史上一度だけ起きた事件の裏付けをどう取るのか、友人と議論したことがあった。最終的に、歴史学は犯罪捜査のようなもので、物的証拠や複数の記述を突き合わせるのが大事だろうと話した。今のところ、「歴史学は犯罪捜査」の例えは歴史学科の人とかにウケがいい。
2018-11-18 17:49:38あることが事実かどうかは、「誰が言ったか」ではなく「物的証拠や文献同士の突き合わせ」に依存するのは明らかと思うが、権威主義や政治に染まってしまうとその辺を理解できなくなるらしい。その点、学者批判の主張は「誰が言ったか」しか意識していないように見える。
2018-11-18 17:52:59生物・医学・歴史とかで学者批判される時、よく聞くと「倫理」の話が混ざっていることがある。人の心や精神の尊重、日本人の誇りなど、学者批判をする「動機」のようなものがある。一方の学者は、そうした精神的なものを全く尊重せず、学者の意見に反対する人を差別している云々。
2018-11-18 18:05:24歴史学科の友人曰く、歴史学者でも変な主張をする人はいるらしい(○○文明では西欧より早く近代が始まってたとか)。まあ自然科学系でも、間違ってそうな学会発表はたまにある(生物系の友人からよく聞いた)。でも、そうした間違いを指摘するには、一般人がどうとかでなく「開かれた環境」が重要。
2018-11-18 18:32:30それでも、自分が知らない学問領域を学ぶ時は、その分野の「学者」の話を信用して聞くことはある。その時に気を付けるのは、仮説が何かしらの経験的事実に基づいているか、参考文献の種類と数がいくつあるかなどを見ること。
2018-11-18 19:10:16科学も歴史も学者が創作する訳じゃないから、ある意味では主張の中身より参考文献の方が重要。書籍や論文を後ろから見ると、どのくらいの研究や資料を突き合わせてるかとかが分かる。 そうした引用が無ければ、既存のどんな仮説を支持しているか、あるいは批判してるかも明示的には分からない。
2018-11-18 19:12:28ちなみに、生物系の友人から聞いたトンデモ発表は、「ある物質に触れたのが原因で、細胞の遺伝形質が変化した」という旨の発表だった。 何かに触れただけで遺伝子が組み変わったら、おちおち物も触れないだろとキレていた。
2018-11-18 19:58:29そんな訳で、「学者の言うことは正しい」みたいな主張は批判されるべきだろう。 しかし一方、原発事故や教科書問題で「学者批判」される時、事実や文献に基づかず、「放射能で鼻血が出た」とか「歴史はストーリーだ」とか言う人がいる。それはダメだろう。
2018-11-18 19:58:48検証や引用を軽視して「学者批判」することの問題は、本質的には「保守vsリベラル」の対立とは関係ないはずだが、なぜか「政治」の話も混ざっていることがある。 科学と比べて歴史で「学者から一般へ」が受け入れられるのは、日本人の誇りとか精神性が絡んでくるからだろう。
2018-11-18 20:22:37学者を過度に信用するのは確かに権威主義的。しかし、「学者批判」してる人の話を聞くと、「ある人が言ったから信じる(間違える訳ない)」みたいなことも平気で言う。それは権威主義じゃないのか? 何かに救いを求める宗教性を感じる。大事なのは検証のプロセス。
2018-11-18 20:27:23具体例は放射能関連を探しても良かったけど、タイムリーなので百田さんのTwitterから。 megalodon.jp/2018-1116-1847… まず百田さんは、「自説を書いたので検証してください」と言うべきと思うが、対するリプライも「信じてる」「熱い魂を感じた」「正論」と言う人はいても、検証しようと言う人はいない。 pic.twitter.com/Qo4eFqRqaX
2018-11-18 20:51:55これを権威主義と呼ばずして何と呼ぶんだろうか。学者を批判するなら根拠を明示すべき。そして歴史学なら、その根拠も複数のものを突き合わせるべきだろう。先にも書いたけど、犯罪捜査のように。 物事を右か左かの極論で考えてると、DD論になってしまうのだな。政治は深入りするもんじゃない。
2018-11-18 20:57:15物理や生物に対する主張も同じだと思うけど、「何に賛成するか」ではなく「どういう理由で賛成するか」が大事だと思う今日この頃。例えば太陽光発電についてはこんな風に思う。 「太陽光は発電量が安定しないから普及が難しい。ベース電源として原発の運用は重要」→これは個人的には納得できる。
2018-11-18 21:20:27「太陽光パネルは風で飛ばされるから日本には不向き。原発を稼働すべき」→パネルを固定する構造物の設計運用より、冷却設備も含めた原発建屋の設計運用の方が簡単だと言いたいのか? 太陽光の問題が単に強度だけの問題なら、建築基準か何か作って頑丈に作れば済むと思う。
2018-11-18 21:21:22国民的歴史学運動とか放射能デマの話と、文献のない歴史書の話は、検証行為を軽視(あるいは無視)して学者批判をする人がいることの好例で、もっと言えば問題の本質は「保守vsリベラル」でないことを示している。 あることを「事実」と言うには何が必要かを考える、いい題材になるだろう。
2018-11-18 23:21:42共産主義とかの話と歴史書の話を同列に扱ったのは当然比喩で、共産系の人らと全く同じことを保守の人らも言った訳ではない。違う所は探せばいくらでもある。 問題は、状況によって主張を修正することを容認するか否か。これは保守を名乗る人の間でも割れているように見える。
2018-11-19 01:05:52共産主義国でも激しい政治闘争が起きたりしたけど、保守の人達も別に一枚岩ではない。これは政治に関係なく、ある程度人数の多い社会では必ず起きてしまう。 学術研究も、その延長で何度も煽りを食らってきた。戦時中にしかり、学生運動の時にしかり。今なら、官僚主導の大学改革も含むか。
2018-11-19 01:11:49歴史書を書く難しさを知ってる人は保守の中にもいるようで、『日本国史』を激しく批判する保守もよく見る。結局の所、百田さんが戦うのは左翼の人ではなく、同じ保守を名乗る人達だろうことは請け合っていい。
2018-11-19 01:21:17