『フリーランスが知らないと損する お金と法律のはなし』著者が解説『フリーランスの命に関わるけど絶対広まらない話』

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フリーランスの命に関わる話「契約書にサインする時に資本金をチェックすべき」

師走トオル @SiwasuToru

フリーランスの命にかかわるけど絶対広まらない話。 「契約書にサインするとき何をチェックすべきか」の話題はよく出ますが、契約書の文面をチェックするより簡単で効果も抜群なのに知られてないことがあります。 発注会社(クライアント)の資本金が1000万超か確認することです。

2018-11-17 16:27:10
師走トオル @SiwasuToru

物書き、ライター、漫画原作。 主な著作:『火の国、風の国物語』 『僕と彼女のゲーム戦争』 『無法の弁護人』『フリーランスが知らないと損する お金と法律のはなし』等(既刊52冊)。ゲームシナリオ10作。電ファミニコゲーマーに不定期企画記事を掲載中。 詳しい履歴・お仕事のご依頼窓口はこちら↓

december.sblo.jp/category/64589…

下請法の保護対象になる

師走トオル @SiwasuToru

ようは発注会社の資本金が1000万超で、かつ発注される業務の内容がシナリオとかプログラムとかイラストとかでしたら大体下請法の保護対象になるんです。(注:例外はあります)

2018-11-17 16:28:59
師走トオル @SiwasuToru

下請法の保護対象になれば、 ・発注者都合による発注内容の変更や取り消し ・一方的な作業量の増加、報酬の減額 ・納品後、60日以内に報酬を支払わないこと こういった事例が違法行為となります。動いてくれるのは公正取引委員会ですが。

2018-11-17 16:28:59

注意事項「保護対象だから安全と慢心しない」

師走トオル @SiwasuToru

注:下請法の保護対象になれば安全、という話ではありません。 特に、下請法でカバーできない部分(瑕疵部分のチェック期間とか!)については契約書の文言をチェックする必要があります。 でも下請法のカバー範囲は大変広いです。詳しくはこちら。禁止行為一覧。jftc.go.jp/shitauke/shita…

2018-11-17 16:28:59

小説や漫画の場合は話が変わることもある

師走トオル @SiwasuToru

注2: たとえば小説や漫画のような、A出版社でボツになってもB出版社で出せる可能性のあるような「汎用性のあるもの」は下請法の対象にならないとされています(ノベライズや「他社に持っていかない」といった独占的な契約をしてる場合はこの限りではないと言われています)。

2018-11-17 16:29:00

契約書よりも下請法が優先

師走トオル @SiwasuToru

そしてここが一番重要なんですが、たとえ契約書にサインした後であっても、下請法による発注企業の禁止行為は「強行法規」。ようは基本的に契約書の文面より下請法に書かれてることの方が優先されるんです。 ここがフリーランスの命にかかわるものすごい大事な部分なのですが絶対広まらない。

2018-11-17 16:29:46
師走トオル @SiwasuToru

「契約書にサインした後」であっても「下請法に違反することですからこの条項は無理です」って有利に交渉できるんですよ? でも絶対広まらない。多分「強行法規」なんて用語のせい。

2018-11-17 16:30:59

個人事例を使った解説

師走トオル @SiwasuToru

個人的事例:「100KBのシナリオを50万円で引き受けた。しかし発注者の注文をすべて満たした結果、成果物は150KBになった」 前述の下請法が適用されるとして、この後どんな交渉ができるでしょうか。

2018-11-17 19:52:58
師走トオル @SiwasuToru

作業量が当初見積もりより1.5倍も増加したわけです。10%程度ならともかく50%増となると、たとえ契約書に取り決めがなかったとしても下請法(第4条第2項)に基づいてギャランティ増額が要求できる可能性が高いです。(実際しました。もらえました)

2018-11-17 19:52:59
師走トオル @SiwasuToru

別に下請法で発注会社とケンカしてくれ、なんて言うつもりもありません。ただどちらが正しくてどちらが間違ってるかを明らかにできれば、よほど悪意のある会社でない限り交渉は非常に簡単になるんです。そこは自営業。

2018-11-17 19:52:59

最後の手段は「公正取引委員会への報告」

師走トオル @SiwasuToru

なおそれでも認められない場合、最後の手段として「ギャランティの増額が認められない場合は公取委に報告させて頂きます」と発注企業に伝えることもできます。

2018-11-17 20:54:50

下請法違反の場合は「守秘義務を破棄できる」

師走トオル @SiwasuToru

あとこれも超重要なんですが下請法違反が間違いない場合、違法行為の立証に必要な範囲で守秘義務契約の破棄も可能です(ここまでする場合は中小企業駆け込み寺などの専門機関に相談した方がいいですが)。

2018-11-17 20:54:50
師走トオル @SiwasuToru

繰り返しますが下請法の保護対象になれば安全、という話ではありません。ただ下請法の保護対象になれば最低限の保証は受けられます。その上で下請法で担保されていない部分を契約書でカバーできれば最善というお話。

2018-11-17 20:54:50

フリーランスの命に関わる話「納期遅れと報酬減少」

師走トオル @SiwasuToru

フリーランスの命にかかわるけど絶対広まらない話その2。 私も実際によく見ますし、ツイッターでも耳にしますが、「納期に遅れた場合、一日ごとに報酬を○%減らします」という契約書の文面について。

2018-11-19 20:33:20
師走トオル @SiwasuToru

(なお発注企業の資本金が1000万超で下請法が適用されるとしての話です。 そもそもフリーランスならスケジュールは守ってなんぼですが、自分や家族が病気になる可能性は常にありますし、慣れないうちは作業量の見積もりも難しいと思いますし)

2018-11-19 20:34:46