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映画『ボヘミアン・ラプソディ』から振り返る、まじさん(@mazy_3)氏による当時のAIDSに対する風潮の記憶

まとめてみました。(※ネタバレを含むので未見の方は注意)
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映画『ボヘミアン・ラプソディ』とは英国のロックバンド『Queen』のボーカリスト、フレディ・マーキュリーの人生を描いた2018年公開の映画です。
 

映画『ボヘミアン・ラプソディ』公式 @BohemianMovieJp

🎬映画『#ボヘミアンラプソディ』 🔱 11月9日(金)公開決定❗ 🔱 🎥予告解禁後、 🌎全世界で1000万再生を突破💥 常識を打ち破る #フレディマーキュリー の生き様と⚜伝説のバンド<#クイーン>の32曲🎤で贈るミュージック・エンタテインメント❕✨ #映画 #Queen #BohemianRhapsodyMovie pic.twitter.com/rEZrHNNeIx

2018-07-12 17:01:06

 
 
 
 
 
 

まじさん @mazy_3

『ボヘミアン・ラプソディ』で大きく史実と違うのは、フレディがAIDSだと診断されたのは、85年のライブエイドの後の87年。メンバーに告白したのは、ブライアンの証言から、88年前後だったと思われる。映画で改変したのは絶頂期で終わらせたかったと思うが、差別を描きたくなかったからかも知れない。→

2018-11-20 14:17:50
まじさん @mazy_3

当時のAIDS差別は酷いものだった。 81年に米国で、後天性免疫不全症候群=AIDSの症例が初めて報告された。それからすぐに米国各地で同様の症例が報告された。原因不明の死に至る病の話は世界中を駆け抜けた。そして患者の共通点は、全員がゲイだった。→

2018-11-20 14:17:57
まじさん @mazy_3

AIDSはゲイの病気というイメージが先行した。キリスト教団体は、乱れた肉欲の神罰だと叫び、ゲイ差別が増大した。同性愛者を見れば、プールや風呂、くしゃみなどで感染すると嫌厭された。原因菌であるHIVが発見されたのは85年である。→

2018-11-20 14:17:58
まじさん @mazy_3

多くのアーティストやアスリートがAIDSで亡くなった。また、ゲイをカミングアウトした著名人がHIV感染を発表し、そして程なく亡くなった事が、更に同性愛嫌悪を加速させた。サルの病気だった事から「人類最初の感染者はサルとヤッたゲイの黒人」という酷い噂も広がっていた。→

2018-11-20 14:18:00
まじさん @mazy_3

そんな中でキース・ヘリングやロバート・メープルソープ、リベラーチェらが亡くなり、世界を震撼させた。90年前後、激ヤセしたフレディ・マーキュリーの写真が報道され、AIDSが噂された。マスコミが真相を知ろうと殺到し、フレディとQueenのメンバーを苦しめた。→

2018-11-20 14:18:01
まじさん @mazy_3

91年11月7日、マジック・ジョンソンがHIV感染を公表しNBAを引退した直後の23日、フレディがHIVで入院中だと新聞の小さな記事が出た。 その翌日、息を引き取ったと、NHKのBSのニュース速報が流れた。→

2018-11-20 14:18:02
まじさん @mazy_3

当時、フレディがゲイだったと知らなかった者も多くおり、二重に驚いた人もいたようだ。また、フレディがゲイだったという事で、ファンに対する風当たりも強くなった。Queenのファンは同性愛者だからAIDSで死ぬと罵られた。→

2018-11-20 14:18:04
まじさん @mazy_3

その後、アンソニー・パーキンス、ジョルジュ・ドン、アイザック・アシモフ、ルドルフ・ヌレエフらも立て続けにHIVで命を落とした。 そんな時代に映画『フィラデルフィア』が公開。日本でもミドリ十字社による薬害エイズの被害者が、偏見により解雇されたりと、差別被害に遭われた。→

2018-11-20 14:18:05
まじさん @mazy_3

薬害エイズが問題になる以前は、性交渉以外の感染は余り知られていなかった。その為、配偶者に感染した時に、浮気が疑い、寄り添うべきパートナーが離婚するなど、多くの悲劇を生んだ。その為、自殺した者や、無差別に感染させんと、出会い系などを荒らした者もいた。→

2018-11-20 14:18:07
まじさん @mazy_3

当時、フレディの死から、AIDSの報道を気にする人は増えたと思う。特にQueenのファンは、AIDSを理解しようとした。AIDSと聞けばフレディを思い出した。正しいAIDSに関する知識に少しずつ耳を傾けてる人が増えて、浸透し始めたように思う。

2018-11-20 14:18:09
まじさん @mazy_3

95年フレディが亡くなった4年目の11月。Queenが「メイド・イン・ヘブン」を発表。まるで天国のフレディが降臨して作ったような、透明感のあるアルバムに感動して涙した。 年が明けて96年、HIVにカクテル療法が有効だというニュースが流れ、マジック・ジョンソンがNBAに復帰し、世界を驚かせた。→

2018-11-20 14:18:11
まじさん @mazy_3

同年、ブロードウェイでミュージカル「レント」が公開され、好評を博した。フレディの死がAIDSの正しい知識を啓蒙するキッカケとなり、『フィラデルフィア』や「レント」が加速させたように思う。マジック・ジョンソンは、もうAIDSが死の病ではなくなったという象徴となった。→

2018-11-20 14:18:12
まじさん @mazy_3

AIDSは、現在も感染者が増えているが、新薬が開発され続けられており、適正な治療を受ければ、生涯発病を抑える事が可能となった。 オイラも後に、仕事でHIV関連のイベントに関わった事で、更に正しい知識を知る事が出来た。エンディングは勿論Queenの曲を選曲した。 →

2018-11-20 14:18:14
まじさん @mazy_3

AIDSの歴史はゲイ差別の歴史と密接に繋がっている。『ボヘミアン・ラプソディ』の監督ブライアン・シンガーは、ゲイを公言している監督だ。彼が、その辛い歴史を語りたくないのはよくわかる。改変はロックスター=フレディを描く上で、映画の中だけでも、最高の幕引きにして残したかったのだと思う。→

2018-11-20 14:18:15
まじさん @mazy_3

以上、当時の記憶と資料を見直して、フレディ・マーキュリーとAIDSについての個人的な見解。

2018-11-20 14:18:17

 

まじさん @mazy_3

コレはオイラの私見だが、Queenのメンバーはフレディの告白を受け止め、再結束した本当の仕事は、ライブではなく「イニュエンドゥ」の制作だったと思う。それほどまでに完成度が高い、久々のアルバムだったと思う。 そして「メイド・イン・ヘブン」は、フレディが残した断片をメンバーが繋いだ絆。

2018-11-20 15:05:33