映画や小説とは結構違う『ベーオウルフ叙事詩』(FGO者向け)

二次創作物である映画や小説と大元の叙事詩には差違があると周知したい&叙事詩の内容解説 ※現存する叙事詩には誤記と思しき箇所や消失部分もあって完全版が存在しません。現在に至っても研究され続けており、翻訳本でも訳者によって様々な解釈で描かれ、唯一と決まった正解はありません。 ※このまとめで言う叙事詩の内容はあくまでド素人のツイ主による俺解釈なのでご注意ください。 続きを読む
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【CG映画『ベオウルフ 呪われし勇者』】

@bgcaya

@1 現在国内で『ベーオウルフ叙事詩』に手軽に触れられる作品としては、CG映画『ベオウルフ 呪われし勇者』や、サトクリフ先生の小説『ベーオウルフ 妖怪と竜と英雄の物語』でしょうか。これらはどちらも叙事詩の二次創作物であり、内容には大きく改変が行われています。

2018-11-21 23:18:35
@bgcaya

@1 どちらもエンタメ作品として面白いのですが、FGOでベオウルフに興味を持たれた方が“ベーオウルフ叙事詩を知ろうとして”見た結果、大元の叙事詩の内容に誤解を生んでいる光景を何度か目にしているので、ちょっと訂正をしたい的なまとめ。二次創作から本家を知るのは困難なんだ……。

2018-11-21 23:18:45
@bgcaya

@1 私はごく個人的な趣味により、映画や小説といった叙事詩の二次創作物に対して“肉体的な強さのみならず無欲高潔謙虚冷静でとにかく私の基準で格好良いと認識出来るベオウルフ像”を過激に求めており、そこに反する要素を感じると点数が辛くなりがちなのでとてもすまない。と断っておきますね。

2018-11-21 23:18:55
@bgcaya

@1 まずCG映画の方で言いますと。 << 高潔な英雄譚として現代まで語り継がれる『ベーオウルフ叙事詩』。だが語り部たちによって美化された伝説だけが世に広まり、怪物退治の裏側に隠された真実は秘められたまま……。愚かさと弱さを持つ一人の勇者の真実とはいかに! >>

2018-11-21 23:19:07
@bgcaya

@1 ──みたいなコンセプトなのかな、が二回視聴しての感想。 一回目は「えっ、そこ改変しちゃうの!?」の連続と全裸とでぽかーんとしている内に終わって「私が見たかったベオウルフはコレジャナイ……でもアンジー美しい」しか出て来なかったし尻が綺麗な事しか頭に残らなかった。

2018-11-21 23:19:45
@bgcaya

@1 映画を見たFGOクラスタさんに「ベオウルフって原典でこうだったんだ」と言われると切ないので特に主張しますが、武勇伝の水増しをして全裸で戦い魔物と密約を交わす主人公像や女性とのロマンス要素は叙事詩内にはありません。BD特典で制作陣からも自分達のベオウルフと語られています。

2018-11-21 23:19:54
@bgcaya

@1 本来の叙事詩において、フロースガールは竜殺しでなくファヴニールの名も出ず、デネ訪問の道程は穏やかなたった一日の航海だったとか、ベオウルフの父の死に関しては諸事不明だとか、デネ王妃には娘も息子も居るだとか、ウィーイラーフの事とか、違いを挙げるときりが無いので割愛。

2018-11-21 23:20:15
@bgcaya

@1 脚本はグレンデルの父親をフロースガールとするところから色々発展したとの事です。本来は自国イェーアトに戻ったベオウルフが劇中でデネの王位を継いだのも、映画として纏める為だそう。叙事詩そのままの描写を試みた忠実な作品ではなく、創作色はかなり強い。

2018-11-21 23:20:30
原典でベオウルフは全裸ファイト野郎だった、なんて無辜の怪物だけはやめたげて……的に他の映画の紹介など
@bgcaya

『ベオウルフ 呪われし勇者』が今夜放映されるので、ベオウルフものの映画をそれぞれ紹介しますね!! ベオウルフの人柄込みで叙事詩に忠実なのは『ブレイブ・レジェンド』、映画的なおすすめは2005年の『ベオウルフ&グレンデル』(邦題『ベオウルフ』) #FGO pic.twitter.com/DPLix3wckA

2018-08-14 01:19:25
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@bgcaya

映画自体の解釈は別に良いんだけど、映画を叙事詩に忠実な内容であると思われて、 「ベオウルフって全裸で戦ったのか」 「魔物と取引しちゃったの?」 「浮気はあかんです」 な感想をFGO界隈で見掛けると「ああ……ちがう……ちがう……」って頽れるからわりかし必死だよ私は。

2018-08-14 01:26:22

【小説『ベーオウルフ 妖怪と竜と英雄の物語』】

@bgcaya

@1 次はサトクリフ先生の小説。 叙事詩の翻訳本を読んでも一読では把握し難い部分である各国家事情や戦争の類をごっそり省き、グレンデル母子および竜討伐に関してはかなり忠実になぞって、英雄物語として分かり易く描かれています。キリスト教方面の描写を消しているのも特徴。

2018-11-21 23:20:42
@bgcaya

@1 デネを訪れたベオウルフ一行がヘオロットに向かう際の「鎖帷子の輪が高くなる」だとか、叙事詩の描写をほぼそのまま持って来ている箇所がしばしば。かと思えば説明がややこしくなる導入(一章の『海を往くもの』)は丸ごと創作で書き換えてあり。

2018-11-21 23:20:50
@bgcaya

@1 「高く鳴る」です。

2018-11-21 23:46:37
@bgcaya

@1 戦士としてのグレンデル母子討伐、王としての竜討伐。この二点に絞って英雄像をピックアップし、極力忠実でいながらにして創作を混在させての現代小説仕立てとして見た時、このバランスがめっっっちゃ上手いんです。サトクリフ印への揺るぎない安心安全信頼感。

2018-11-21 23:21:05
@bgcaya

@1 ぶっちゃけ怪物戦とベオウルフ像だけをイメージしたいならこの一冊で事足りるのでは?と思います。ただし、ドラマ性重視で再構成された感の二次創作小説であるので、叙事詩から削ったものがあり、もちろん改変や追加も伴います。

2018-11-21 23:21:18
@bgcaya

@1 ベオウルフが人より頭半分程度の高身長で金髪で曇天の海のような目の色をしていたり(叙事詩内に具体的な容姿設定はない)、竜戦でウィーイラーフが一度は逃げたのがなかったことにされたり、オリキャラが出たり、ウンフェルスがフルンティングを貸す場面の追加などなど。

2018-11-21 23:21:31

【型月設定と叙事詩の違い】

@bgcaya

@1 ちなみに型月と叙事詩ですが。マテリアルⅢを参照すると、型月上での設定もちょこちょこオリジナル色です。 【マテⅢ】十五人の部下を従えて 【叙事詩】ベオウルフ込みで十五人

2018-11-21 23:22:15
@bgcaya

@1 【マテⅢ】グレンデル討伐の褒賞を叔父に献上したら嘲りを受けた 【叙事詩】柔弱と思われていたベオウルフがこの一件で見直され、讃えられた(“冴えないと思われていた男がある日一気に名を上げる”は当時の物語でお約束展開だった様子。)

2018-11-21 23:22:24
@bgcaya

@1 後は赤原猟犬の追尾機能とか。叙事詩のフルンティングにその機能はないけどめっちゃかっこいいですよね。FGOベオウルフが手にしている二振りの剣についてはこの辺りにも書いたのでよろしければ。 privatter.net/p/3913704

2018-11-21 23:22:33

【叙事詩の内容解説①】

物語背景の解説動画(3本)