井上、就活論と仕事論

個人的メモです。
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井之上達矢 @tatsuya0812

エントリーシートや履歴書の最初の質問には、「なぜあなたは弊社に入りたいと思ったのですか」的なものがあるかと思います。出版社でも同じです。ここで受ける側が、「御社は120年の歴史があり…」的な事を書くと、はじかれます。学歴よりも、むしろここではじかれる。 #shukatsu

2011-01-18 14:00:55
井之上達矢 @tatsuya0812

なぜかと言えば、履歴書を読む側からすると、「この学生は、採用側が何を知りたいのかが分かっていない」と思うからです。採用側は自社の歴史や事業ではなく、「この学生がどんな人間なのか?」と知りたいのですから、一文字もムダにせず、それをアピールしなくてはいけません。 #shukatsu

2011-01-18 14:03:35
井之上達矢 @tatsuya0812

とくに出版社(編集者)は、発信した物が「相手からどう読まれるか」を考え続ける職業ですから、それができていない人は「残念ですが…」となる。でもきっと他の職業でも同じです。「私はウィキペディアで調べる能力がある」というアピールでは、採用には届かないと思います。 #shukatsu

2011-01-18 14:06:45
井之上達矢 @tatsuya0812

つまり、(少なくとも出版社への)就職活動で大事なのは、自分は「相手の事情」で物を考えられるということをアピールすることです。それが分かると、出版社の履歴書につき物の「読書感想文」も書き方が変わってきます。 #shukatsu

2011-01-18 14:09:24
井之上達矢 @tatsuya0812

出版社の採用者は、 この学生がどういう本をどのように読んできて、どのくらいの量を読む読書体力があって(仕事では好きでは無い本も読むわけですから、こういう体力も必要です)、受信したものを新たな形にして発信に変えられるタイプなのか、を見ているわけです。#shukatsu

2011-01-18 14:11:51
井之上達矢 @tatsuya0812

ですから、「あなたはなぜ弊社を受けたのですか」という質問に対して、「昨日、アマゾンでこんな本を見つけた…」的な書き始めでも良いわけですし、読書感想文の中に複数冊の本を入れ込んで、「少なくとも私はこれくらいの本は読んでいます」とアピールしても良いわけです。 #shukatsu

2011-01-18 14:14:36
井之上達矢 @tatsuya0812

面接でも同じです。出版社の面接官は、学生に「立て板に水のしゃべりで、みんながびっくりするようなプレゼンができるキャラ」など求めていません。しっかりと自分の頭で物を考え、自分の言葉で語れる人を求めています。だから、面接中に言葉がつまっても、何も心配いりません。 #shukatsu

2011-01-18 14:18:01
井之上達矢 @tatsuya0812

出版社での面接で気をつけたいのは、「私は〇〇という雑誌が大好きで、ぜひその編集部に入りたいと思います」と言うのは得策ではないということです。こう言うと、「じゃあ、〇〇という部署に行くことになったらどうしますか?」と切り返されて、その後の展開が厳しくなります。 #shukatsu

2011-01-18 16:37:02
井之上達矢 @tatsuya0812

就職面接でウソをつく必要などないと思います。ウソをついているとどうしても不意打ちに弱くなります。そうではなくて自分の興味を相手に伝わる形で見せる工夫をする。そのためにたくさん失敗するのが必要だと思うのです。 #shukatsu

2011-02-16 22:55:37
井之上達矢 @tatsuya0812

僕は相手のギャンブルの力量を知る目安として「1日でどれだけ負けたことがある?」と訊くようにしてます。そしてすごい負け額をさらりと言う人を警戒します。それだけ高いレートで勝負をしたことがある証拠ですし、「負け額を隠さない」のはそれだけ自分の力量に自信があることを意味するからです。

2011-04-02 05:22:00
井之上達矢 @tatsuya0812

これはギャンブルに限らないと思う。自社・他社さんを見渡しても、編集者として「失敗した本」について、きっちり語れる人はほぼ確実にできる人。「成功した本」についてしか語らない(語れない)人は、ほぼ確実に、僕にとって参考になる話を聞けない人。

2011-04-02 05:30:06
井之上達矢 @tatsuya0812

世の中がどうなるかなんて、麻雀で次に何の牌をツモるか分からないのと同じように分からない。反対に言えば、その程度は分かる。

2011-04-09 02:10:00
井之上達矢 @tatsuya0812

編集者は著者に対して「先生」と呼んだりするけど、本当の関係は「子育て」に似ているように思う。編集者が「親」で、著者が「子ども」。上から目線で何かを叩きこむという意味ではもちろんない。子どもの可能性を見抜き、それを最大限伸ばして、よく分からない「世の中」へ送り出すところが似ている。

2011-04-09 02:22:46
井之上達矢 @tatsuya0812

時には、思うような動きができない子どもに「ゆっくりでいいんだよ」と言うように、原稿の進まない著者に「ゆっくりでいいんですよ」と言う。時には、甘えてグダグダになった子どもに「シャンとしなさい!」と言うように、自分の才能に自分でブレーキをかけている著者に「今が勝負時ですよ!」と言う。

2011-04-09 02:31:24
井之上達矢 @tatsuya0812

そうした言葉に、時と場合によって適切な「色合い」を持たせられるかどうかが、編集者としての力量だと思う。

2011-04-09 02:37:13