園児RPGテキスト外伝「宵の流星と暁の詩」幕間
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110年前のあの事件の後、円卓に帰って来たのは剣の鞘と言伝…クリナゴが『光』の座を退くというもの…だけだった。 #mmytxt
2018-11-23 21:13:12それから暫くの間、円卓は混迷を極めた。出奔や裏切りが相次ぎ、力の均衡が崩れ闇の勢力が台頭したのだ。元々十三席あった円卓は事件の後七席まで減ってしまった。 #mmytxt
2018-11-23 21:14:07「あれから110年の月日が経つのですね…」荘厳な水色のヴェールを纏い長杖を手にした女性…七本槍が一人『水』のミヤコは清浄な水を湛えた神殿の奥に座して独りごちる。神秘的な水鏡はこのミヤコガルドの全てを見通すと言われる。「クリナゴさん…今どこに…」 #mmytxt
2018-11-23 21:19:04あの時弟子の少女と共に姿を消したクリナゴ。彼女らしき人物を見たという者はいるが、未だ発見には至らない。ミヤコは神殿の奥で世界の均衡を見守らねばならず、頻繁に外出する訳にはいかない…翆玉じみた瞳には憂いが籠っていた。その時水鏡が光り輝き、ある立体映像を映す。 #mmytxt
2018-11-23 21:21:08東国の聖職者じみた装束を身に纏い、全身から光の粒を溢れさせる少年…『光』のマクズ…クリナゴが去った後の空白を埋め円卓の混乱を収束に向かわせたのも彼の功績が大きい。そして、彼が動いたという事は…「不穏な情勢は薄々察知していましたが…何が起こったのです?」 #mmytxt
2018-11-23 21:23:32ミヤコの問いにマクズの立体映像が答える。「…これはポポスノスクのみなと…」映ったのは夜闇を引き裂く魔力の爆発のビジョン…110年前の事件を容易に想起させる…であった。「…そこにくりなごさんがいた、あと…」マクズが答え終わる前に、ミヤコは決断を下した。 #mmytxt
2018-11-23 21:24:41円卓の七席に着くのは『水』のミヤコと『光』のマクズ及び『闇』のモヨに加え、紅蓮の炎の如き戦装束を纏った少女…『火』のリョウ。樹木そのものの右腕と獣じみた眼光を持つ少年…『木』のモズ。そして嘴めいたマスクと厚手のロングコートで全身を覆った男…『金』のジャス。 #mmytxt
2018-11-23 21:30:19「一人足りないんだけど!」問題を指摘したのは、ミヤコに付き従う白銀のワーキャットじみた少女…『氷』のネコムラだ。「あいつが遅れてくるのは何時もの事だ、そう騒ぎ立てるほどの問題でもない」とジャス。「今回は緊急だと伝えたはずですが…」ミヤコは苛立ちを隠せない。 #mmytxt
2018-11-23 21:33:19