木曽崇@takashikiso氏による三店方式の解説

喜多院1967 @na1967

@japanisjapan @takashikiso ｢3店方式｣を止めれば、それだけでパチンコ産業は信頼感を増しませんか？ あれは脱税しやすくするためにやっていると思えて仕方ありませんよ

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

@na1967 三店方式を止めればってことだけど、景品買取は元々お店が始めたスキームではなくて店の外でタバコ等を買い上げる買取屋（ここに主に暴力団が関与していた）が始めたもの。今の組合管理の三店方式を止めたら、また昔のように暴力団が出張ってくるだけなんですよね。

レイダート @Radert

暴力団が出張ってくるから三店方式を続けるのがベターと言うのが専門家のお考えですか？ RT @takashikiso 今の組合管理の三店方式を止めたら、また昔のように暴力団が出張ってくるだけなんですよね。

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

どっちがベターかと問われれば、その方が良いんじゃない?地下カジノとカジノ合法化の関係も同じだけど、裏で変な経済を形成される位なら一定レベルの規制をかけながら表に引っ張り上げた方が健全 @Radert 暴力団が出張ってくるから三店方式を続けるのがベターと言うのが専門家のお考えですか

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

警察庁が率先して三店方式の整備に力を貸したのも、どっちがベターかという判断の元。単純に「癒着だ」なんて批判する人も多いけど、ここに至るまでにはもうちょっと複雑な経緯があるのですよ。@Radert

レイダート @Radert

@takashikiso ありがとうございます。大変参考になります。しかしながらパチンコ以外の三点方式で運用された娯楽事業が賭博罪で逮捕・起訴されている疑問に回帰してしまいます。三店方式が表で経済を形成し、暴力団の介入を許さないならパチンコ以外も皆不問なのが平等とは考えませんか？

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

パチンコの景品買取ってのは、元々は業界とは関係ない第三者が店から出てくる客からタバコやガムを買い取る商売として始めたもの。@jpsoffice2

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

その商売に目を付けたのが当時の暴力団｡顧客からタバコやガムを買い取り､それを高値でまたお店側に売り付ければ金を生み出す永久機関としてメチャ儲かるじゃん、という事で進出してきた。@jpsoffice2 @jpsoffice2

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

パチンコ業界だって正直、暴力団とお付き合いはしたくはないものの、景品の買戻しをしなければお店を占拠されたり、店前にゴミや糞尿を巻き散らかされたりと営業妨害を受ける。これは暴力団からお絞りや新聞を仕入れないと嫌がらせされていた昔の街の飲み屋さんと一緒の構図。@jpsoffice2

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

非常に残念なことだけど、この構図が戦後から結構長いこと続いていたわけよ。ところがね戦後の動乱期が終わり、我が国でも暴力団撲滅運動が徐々に大きくなってきた時にこの部分にメスが入ったわけ。@jpsoffice2

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

警察庁もそりゃ苦悩したと思うよ。パチンコ業界の監督官庁としてはパチンコの景品買取行為を積極的に進めることはしたくない。でも、一方で当時盛隆を極めていた暴力団は買取から莫大な資金を得ながら勢力を拡大する。@jpsoffice2

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

苦悩の末出した結論が、「どちらがベターか?」の判断に基づく現在の組合管理の元での三店方式システムなわけさ。@Radert

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

でね、この背景にはもうひとつ当時の司法による決裁もあった。一般的に三店方式は行政裁量で認められているなどと言われているけど、それは事実ではない。実は1963年に起こされた三店方式の違法性を巡る訴訟で適法判決がでており、逆にそれが違法になる要件も示された。@jpsoffice2

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

要は、多くの皆さんが誤解をしている「三店方式は行政裁量によるグレーゾーン」という理解は間違いで、本当は司法裁決によって明確に示された違法or適法の判断基準の中で運用がなされているってこと。@Radert

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

警察だって法の番人である裁判所の示した決裁には従わなければならないわけで、先ほど言った「どっちがベターか?」という判断の中で司法決裁に基づく形での景品流通システムの整備の支援をしたということなのです。@Radert

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

かくしてパチンコ業から暴力団の影は殆ど見えなくなったのだが、今度は警察が主導したシステムに対して「癒着だ」という批判が高まったわけさ。@Radert

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

最も批判の対象となっているのが、三店方式の管理を行っている組織だとか団体（これは都道府県毎に微妙に違う）に対しての天下り。天下っている側の主張としては「暴力団に対する抑止力として警察の関与は不可欠」ってものなんだが、客観的に見ればそりゃ完全に天下りだわな。@Radert

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

そういった目に見える部分だけを切り出し、さらに三店方式に対する司法判断があるという事実を知らずして展開されているのが、良く聞く「パチンコは警察の行政裁量によるグレーゾーン」という批判。@Radert

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

「パチンコが現在の形に至るまでには、複雑な経緯がある」といったのは、批判する人もそういった歴史的な全体の流れを把握した上でアンチパチンコ活動を展開して欲しいってことなのよ。@Radert

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

僕は反対派の方々と論議をするのは、この道の研究者としての宿命だと思っているから、頂いた意見にはなるべく丁寧にお答えはしたいと思ってる。ただ、その前提としてやっぱりある程度の前提情報はもって頂いた上でコメントは欲しいなぁと思うよ。 @Radert

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

少なくとも論戦で勝てないと見ると、罵詈雑言を投げ始めるような人は残念ながら丁寧にお答えする気はうせるよね。というのが、全体の説明だけど私の説明で過不足あればフォローをよろしく。>P業界人の皆さん@Radert

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

よくある「カジノなら違法なのに、パチンコでは認められる。これは癒着があるから」批判ね。カジノの場合は三店方式で景品買取をする事が違法なのではなくて「カジノが景品を出すことが」違法なんだよね。@Radert 同様の運用ならパチンコ以外でも逮捕される事はないのですから

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

これは風適法の中の業種分類によるものなんだけど、パチンコはゲーム結果に対して景品を出して良いとされる７号営業という業種区分なんだけど、実は我が国の法律ではカジノはゲームセンターと同じ景品を出してはいけない８号営業と呼ばれる別の業種として区分されている。@Radert

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

だから「三店方式がダメ」っていう以前に、日本でカジノを開業して景品自体を出した時点でoutになってしまうわけ。ちなみに「パチンコだけが」という批判もこれまた知識不足からくる間違ったもので、7号に区分される業種ならば理論上は三店方式での買取行為は合法的に成立しうる@Radert

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

7号には遊技業の他に、射的屋、輪投げ屋などが区分されていて、三店方式を利用した射的屋ってのは日本でも成立しうるわけさ。僕は見たこと無いけど。@Radert