食事療法について、「日本人の食事摂取基準量その1」

特殊な食事療法についてと、厚労省策定の「日本人の食事摂取基準量」についての解説その1
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くぼのりこ @nori_kubo

長い間栄養士という仕事をしていると、いろんな食事療法が出ては消え、出ては消えしていくのを見ることになる。古いものだと紅茶茸?爆発的にヒットしても消えていくものが多いのはなぜか?保健所勤務時代、同僚の栄養士達で意見交換したことがある。

2011-04-27 10:28:00
くぼのりこ @nori_kubo

色々な食事療法の本を集めて読んでみたけど、共通しているのは効果を伝える方法。体験談は必須。必ず体験談が書かれている。そして、何らかの検証がされる。場合によっては実験結果など。学会報告などが載っている場合もある。これが体験談の裏づけとなる。

2011-04-27 10:33:13
くぼのりこ @nori_kubo

この報告で問題になるのは1方向からの見解であること。それに対しての反証が出ている場合でも無視される。要するに定説となる前の情報だったり、健康を偏った見解から見ているんだけど、体験談から入っていくからそれに気づかれない。繰り返し体験談を挿入することによって方向性を確定する。

2011-04-27 10:37:48
くぼのりこ @nori_kubo

食事というものを化学物質の集合体として考えてしまう点についても共通している。そして、その特定の食事療法が注目する栄養素について語られる。だけど、食事ってそういうものじゃないよねぇ。生体の反応って、栄養素だけで起こっているわけじゃない。人間って、そんなに単純な生き物じゃない。

2011-04-27 10:42:31
くぼのりこ @nori_kubo

食事療法の信頼性の見極め方について、栄養士仲間で一致した見解の1つ。実際にやってみるかどうかを見極めるポイント。最終的にその療法を薦めている人が、「物を売ろうとするかどうか?」。どんなにそれらしいことを言っていても、特殊な物を販売する行為がある場合は、単なる情報だと考える方がいい

2011-04-27 10:50:31
くぼのりこ @nori_kubo

単なる情報だと考えるかどうか、これは重要。一歩離れて考えてみる。それでもやってみる場合があってもいい。プラセボ効果ってあるから、ホントに。要するにその高いお買い物は「護符」だし「お守り」なんだよね。でも特殊だからリスクもあるし、飽きる人が続出して登場人物が交代する。必然。

2011-04-27 10:58:15
くぼのりこ @nori_kubo

日本には「日本人の食事摂取基準」ってものがある。タイにだって食生活基準はあるけど、日本みたいにしっかりしたものじゃない。しっかりした食生活基準があることは悪いことではない。むしろいいことだと思う。でも非常にやっかいな側面もあり、特に集団給食に運用する際に問題がある、と私は思う。

2011-04-28 13:55:12
くぼのりこ @nori_kubo

この前たんぱく質摂取の問題についてツイートしたのでその続きをやるつもりだったけど、それにはどうしてもこの「日本人の食事摂取基準」がかかわってくる。だからこれをツイートしてみたいなと。病院で出てくる食事、学校で出てくる給食。全部この食事基準がかかわっている。

2011-04-28 14:00:09
くぼのりこ @nori_kubo

「日本人の食事摂取基準」は厚労省が決めている。常に見直しが行われ、5年に1度改定。今使用しているのは昨年発表されたもので、平成26年度まで使われる。それぞれの項目について委員に任命された研究者がグループになって検証し、数値を決定している。http://bit.ly/jyLT9l

2011-04-28 14:09:32
くぼのりこ @nori_kubo

続)「日本人の食事摂取基準」は概要を読んでも、非常にわかりづらい。正確に書こうとするとこうなるんだなとは理解できるけど、栄養の学生さんが読んでもすんなりわからない人もいるんじゃないだろうか?でも栄養が大事という人にとっては基本となる考え方だから理解しておく必要があると私は思う。

2011-04-28 16:36:16
くぼのりこ @nori_kubo

続)まず、基準が作られるときには前回までのベースに加えて、それ以降5年間で発表になった新しい国内外の学術論文や学術資料が検討される。その数は年々増えて、今回は新たに1244本の論文が検討され前回の基準に修正が加えられた。

2011-04-28 16:37:04
くぼのりこ @nori_kubo

続)そこまでしても個体差の大きさを考えると、絶対的なものになり得ない。でも少なくとも科学的な根拠を基にして標準値として使えるようにというのが策定の姿勢となっている。

2011-04-28 16:39:00
くぼのりこ @nori_kubo

続)科学的な根拠を元に研究者が割り出した数字はこれだということは知っておいた方がいいし、そこから大きく外れるときには個体差があるとしてもリスクも伴うという事実はわかっておく必要がある。基本の栄養量ということでは意義のある数字なのだ。

2011-04-28 16:40:18
くぼのりこ @nori_kubo

続)この「食事基準」の適用範囲は健康な個人、「軽度にリスクは有していても自由な日常生活を営み・・」と規定されている。特有の疾患のための食事療法を行う場合には病状に応じた食事するということになる。

2011-04-28 16:41:39
くぼのりこ @nori_kubo

特殊な食事療法を行う場合は「あなたは健康でない」とされるのだろうから、適用範囲でないとも言える。しかしその場合は、自分がどれ位適用範囲から出ているのかを知っていなくてはリスクの回避は難しい。いったい健康な人とどれくらい違う量になのか?どのくらい過剰な栄養素を摂ることになるのか?

2011-04-28 16:43:34
くぼのりこ @nori_kubo

続)概要の中ほどにグラフが2つ出てくる。上のグラフはどうすればリスクを避けられるかというグラフで、摂取量が少なすぎれば欠乏症、多すぎれば過剰症、たぶん真ん中あたりになれば困ることはないんじゃないの?ということが書いてある。http://bit.ly/jyLT9l

2011-04-28 16:44:54
くぼのりこ @nori_kubo

続)同じく推奨量も誤解を生みやすい表現。厚労省がこの値が丁度いいと推奨しているわけじゃなくて、これ以上食べましょうねというポイントになる量。これだけ食べていれば欠乏症には罹らない可能性が高いよという意味。http://bit.ly/jyLT9l

2011-04-28 17:27:59
くぼのりこ @nori_kubo

「目安量」というのは、もうそのままで、普通に生活するにはこれくらいだったら大丈夫でしょう?という量。グラフでも相当量まで許容範囲があることがわかる。人間の体は多少のことでは危機的状況にはならないので、かなりの余裕をもって考えられている。http://bit.ly/jyLT9l

2011-04-28 17:30:47
くぼのりこ @nori_kubo

そして許容限度量というのは、過剰症を起こす可能性がある量。過剰症は避ける必要性が高いので、限度をこえたとたんに赤信号が出る。排泄量も考慮して計算される。足りなければ足せるけど、多すぎるものをマイナスする方が難しいのが人間の体。http://bit.ly/jyLT9l

2011-04-28 17:34:28