エレン先生の授業（アナタワ英語ヲ話セマスカー？）

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「「あなたは英語を話せますか」をエレン先生ならどう教える？」をトゥギャりました。 togetter.com/li/1292820

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あさりよしとお先生の宇宙ロケットまんが。amazon.co.jp/dp/4199502092　『まんがサイエンス』シリーズには劣るけれど、それでも面白い。

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『まんがサイエンス』なら、ぶっとんだ怪人が毎回現れて思考実験の場を豪快に用意してくださるのですが、このまんがはそういう怪人が出てこないぶん、思考実験の場を物語に出すのにかなり無理なことをしている印象。 pic.twitter.com/ifwmoffbfp

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たとえば地球周回軌道上でのロケットの移動がどんなに地上の常識からかけ離れているのかを描くために、架空の独裁国家の独裁者が国家予算で宇宙ロケットを日本のロケットメーカーに発注して自ら飛び立つという、強引なおぜん立てをしています。

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ただ、軌道上での物体の移動の困難についての説明はやはり上手い。先行する別ロケットに接近するには噴射ではなく逆噴射せよ等。 地上で先行自転車に追いつくにはこちらの自転車ペダルをさらに高速回転させるわけだけど、宇宙では逆の発想をしないとランデブーできない。

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日本語の発想で英語を話しても相手に伝わらないのも、これと同じ。地上や大気圏内での物体移動の常識は、宇宙空間では通用しない。

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こういうのは地球の大気圏内での体感を、宇宙に拡大解釈したものです。実際には力学的に不可能。 pic.twitter.com/F2SSSqNho5

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先日店じまいした、九州の宇宙テーマパーク。あそこにはたしか、宇宙空間での移動を体で味わえるアトラクションがあったはずです。行ったことないけど。地上での感覚で無重力空間を移動しようとすると、どう頑張ってもアサッテな方向に飛ばされてしまう。

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あれなんですよね外国語学習の本質は。母語（私たちの場合は日本語）に慣れ親しんだ私たちが、何か外国語の世界に放り出されて、母語の感覚で遊泳を試みるんだけど、ロケットに近づくはずがどんどん遠ざかっていくわーどうしよーなパニックに陥る。

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地球周回軌道上での力学を、数式を駆使して教えこむのがむろん最善手なんですが、難しいよねそういうの。高校で物理を専攻したくらいの基礎知識はどうしても要るから。

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そこで、理屈は後回しにしてとにかく無重力シミュレーターに子どもらを放り込んで「ほれお前らここまでおいで」と煽るのがいいのではないかなーと夢想は広がる。

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「あなた英語は話せますか」を英語で言ってみーと煽り、「Can you speak English?」と必死に英文を組み立てて発声する生徒に「それだとエレン先生、怒っちゃうよ」と茶々をいれるの。

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「それだと『あなたに英語が話せるわけ？無理でしょー』と取られてしまうから」とツッコミを入れる。

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「ああそうそう『悪いけど英語で話してくれない？』と少し上から目線で言い放っているようにも取られちゃうんだな、それだと」

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「Do you speak English?」（英語話す？） 「Can I speak English?」（私、英語で話したいんだけど） 「Have you ever studied English?」（英語習ったことは？） 「Are you an English speaker?」（英語話者？） これらが正解です。

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いずれも中学英語で楽々理解できる英文ですが、ぱっといえるひとはニホンジンにはほとんどいないはずです。 TOEICで高得点を誇る方でも、難しいと思います。

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宇宙空間では宇宙空間用の操縦法があって、それを会得すれば、こんな風に地上（日本語）での運動を、うまく宇宙空間（英語）で再現できるわけです。

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この操縦法は、残念ながら習得はけっして楽ではありません。 生まれたときから宇宙ステーション育ちなんて方なら、体で楽々やってのけてしまうのだろうけれど。

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映画『２００１年宇宙の旅』から。制御不能に陥った飛行士の最期。 pic.twitter.com/IV7eFEXRUa

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「エレン先生の授業（アナタワ英語ヲ話セマスカー？）」をトゥギャりました。 togetter.com/li/1292825

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これ再読してみてふっと思った。オーラル・メソッドの基本はシンプルな質疑応答を延々とやらせる、つまり体に叩き込む（インプット）のを主眼に置いているわけだけど「英語話せますか？」を英語でいってみろ式の授業はアウトプット主義なのです。

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母語→外国語 これが日本の学校英語には欠けている。

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私の得意技はアインシュタインと同じ、思考実験。しかしこれを理解してくださらない方がいて、ひとが順に思考を語っていこうとすると「違う、ずれてるずれてる」とみんな遮ってしまうのです。離婚歴のあるジブリの監督さんとか。

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TOEICで仮に満点を取れるようになっても「あなた英語は話せる？」を「Can you speak English?」と訳してしまうニホンジンの思考回路の矯正にはならない。なぜならTOEICではこういうテーマはけっして取り上げられないから。

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ニホンジンの英語を矯正するための試験なんてのが全国規模で定期実施されて、TOEICや英検以上に社会的地位を得られるようになれば、日本の英語教育もずいぶん改善されるのだけど。