【書き起こし】「恣意的だが意図的ではなかった・・・?」障害者雇用水増し問題の調査報告書から見えてきた課題と、新たな問題点は?▼荻上チキ▼2018年10月22日(月)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」)#ss954

障碍者雇用偽造・捏造問題は、障碍者差別に加えさらなる人権問題も含んでいることが分かる。日本は人権後進国。
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橋本 至 @kid75

【書き起こし】「恣意的だが意図的ではなかった・・・?」障害者雇用水増し問題の調査報告書から見えてきた課題と、新たな問題点は?▼荻上チキ▼2018年10月22日(月)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」)#ss954 tbsradio.jp/306001 ※ケバ取り・整文あり これより連投。

2018-11-30 22:22:53
橋本 至 @kid75

南部広美さん:「恣意的だが意図的ではなかった 省庁の障害者雇用水増し問題で、検証委員会が報告書を公表」。中央省庁が障害者の雇用を水増ししていた問題で、弁護士などでつくる検証委員会はきょう調査報告書を公表し、33の行政機関の内8割にあたる28の機関で、

2018-11-30 22:22:54
橋本 至 @kid75

3700人が不適切に計上されていたと認定しました。また障害者雇用の中には、すでに退職した障害者や死亡した職員なども計上されていたことを明らかにし、「恣意的に解釈して多数の不適切計上していたことは、決して弁明が許されるものではない」と指摘。

2018-11-30 22:22:54
橋本 至 @kid75

一方で検証委員会の松井厳委員長は会見で「いずれの機関でも法令やルールに違反していると認識しながら、不適切な計上をするという意図的なケースは認められなかった」と結論づけました。報告書を受け、政府は法律で定められた障害者の雇用率を下回った国の行政機関で、

2018-11-30 22:22:55
橋本 至 @kid75

来年度末までに合わせておよそ4千人を採用する計画を公表しています。

2018-11-30 22:22:55
橋本 至 @kid75

荻上チキさん:各省庁で見られた障害者雇用の水増し問題、元々は厚生労働省が省内でさまざまな水増し問題があるじゃないか、ということで調べたら、ほとんどの省庁でそうだった、それだけではなくて各行政機関や大学機関であるとか公共的な役割を担っているようなさまざまな施設で、

2018-11-30 22:22:55
橋本 至 @kid75

適切な障害者雇用の把握が行われていなかったよね、ということがまず出発点としてあったわけですね。 南:しかも長い期間。

2018-11-30 22:22:55
橋本 至 @kid75

荻:長い期間。では、なぜそのようなことが行われたのか。つまり適切な障害者雇用が行われていなかったのは、排除されていたのか、それとも別の理由なのか、いつから始まってどうなっていったのか、そうした疑問が頭に浮かぶわけで、それを検証しなくてはいけないのが、

2018-11-30 22:22:56
橋本 至 @kid75

今回の障害者雇用に関わる検証委員会ということになるのですね。この委員会は、調査方法から今回の結果まで長いリポートを出していまして……長いといっても70ページぐらいなので、非常に分厚いという類のものではないのですが、

2018-11-30 22:22:56
橋本 至 @kid75

冒頭の調査方法の部分では、今回調査するにあたって厚生労働大臣から「今回の調査に適切に対応しない場合は職務命令違反だ」と周知してもらった上で、ヒアリングやアンケートなどの調査を重ねていったということが記されています。対象となるものは各省庁にまたがっていると。

2018-11-30 22:22:56
橋本 至 @kid75

それは内閣官房・内閣法制局・人事局・宮内庁なども含めて、本当にさまざまな行政機関を調査の対象にしていますよ、ということになっています。今回水増しがかなり広範囲だったということは前提として認定された上で、なぜそのようになったのか、ということをいろいろと調査してまとめているのです。

2018-11-30 22:22:57
橋本 至 @kid75

今回の調査では、今言ったヒアリングと、出せる資料は全部出してくださいという仕方で、過去の資料も提出させたのです。ただし資料が存在しなかったり、資料の範囲が限定されているということもあるので、今回の調査に限界があるということは、もちろん調査報告の中でも前半部分で明らかにされている。

2018-11-30 22:22:57
橋本 至 @kid75

ただ、それでもいろいろ分かってきたのは、恣意的なのか意図的なのかというのはほぼ言葉遊びのレベルなので、それはさておき……ちなみにこの認識を示したのは省庁の側ですね。第三者委員会が「今回のは意図的かどうかは分からないけれど、恣意的だよね」と一方的に言っているというよりは、

2018-11-30 22:25:53
橋本 至 @kid75

どの省庁も「意図的だ」とは言っていない、と。ただ「恣意的にこうなった」ということは認めているということが書かれているのですね。そうした中で、どういう方法でこの数字が水増しされたのかというと、元々障害者雇用に関しては適切な法令での記述と、障害者というのは誰なのかという認定と、

2018-11-30 22:25:54
橋本 至 @kid75

認定方法のガイドラインがあるのです。ただ障害者の範囲については、以前厚労省から出されている通知で「原則として」というフレーズがついていたのですって。「原則としてこういう方を障害者雇用にします」と書かれていたところ……分かりますよね?嫌な予感がプンプンしますよね? 南:はい、もう。

2018-11-30 22:25:54
橋本 至 @kid75

荻:ところ、複数の機関がまず「例外にあたる事例というものが指摘されていなかったから、幅広くいずれの等級に該当するかは、自分たちで判断していいと思った」というところがたくさんあった、と。 南:独自解釈。

2018-11-30 22:25:54
橋本 至 @kid75

荻:独自解釈。あるいは、原則として身体障害者手帳の等級により判断する必要があるけれど、例外にあたる場合として「本人の自己申告によっていずれの等級に該当するかを判断してよい」つまり客観的な資料に基づく必要はない、ということも書かれていたのですね。

2018-11-30 22:32:54
橋本 至 @kid75

あとは、障害の把握の手続きの中で、「本人の同意を得ずに情報の取得が行われていた」ということが15の機関で、「本人のプライバシーに配慮された情報の取得がされていなかった」ということが14の機関で行われていたということなのですよ。

2018-11-30 22:32:55
橋本 至 @kid75

この具体的なことが書かれていないのが、僕はすごく気になっていて。後の部分でも書かれているのですが、今回障害者認定をするにあたって、例えばすでに省内で働いている人が障害者になった場合は、それを優先的に障害者としてカウントすることによって、

2018-11-30 22:32:55
橋本 至 @kid75

新たに障害者雇用をしなくても済むような運用をしていたということが指摘されているのです。僕はこれ意図的だと思うんですけど。こういう運用をしている段階で、障害者雇用にものすごく消極的だという意図的な思想が見えると思うのですが。

2018-11-30 22:32:55
橋本 至 @kid75

先ほどの原則という言葉の拡大解釈によって「でもそれはいいよね」という恣意的な運用がされていたということが一つの問題なのですよね。でも、すでに働いている人が「障害者」になって、その自己申告が障害者手帳などに基づかなかったとしても障害者として認定する。

2018-11-30 22:32:56
橋本 至 @kid75

その結果、数字上だけではなくて、省内での働き方の問題やさまざまなサポートの問題が改善されるのであれば、必ずしも手帳主義でなくてもいいですよということは、各障害者団体も注意としては言っているわけですよ。つまり手帳が発行されていなかったらケアしなくていいですよということではないから、

2018-11-30 22:32:56
橋本 至 @kid75

そもそもの障害者認定の数字の問題が現実にマッチしているのかどうかも含めて考えなくてはいけないですよ、ということが言われてもいるのですね。

2018-11-30 22:37:40
橋本 至 @kid75

でも一方で、今回障害の把握の過程で、本人の同意を得ずに行われていた機関が15あって、後のページの方にその手段として「身元調査が行われていた」と書かれているのです。 南:身元調査?

2018-11-30 22:37:41
橋本 至 @kid75

荻:身元調査。だから本人がどうかは分からないけれど、医療機関に問い合わせをしたのかなんなのかよく分からないけれど、本人の情報を本人の同意を得ずに取得して、その人を障害者認定して、それがいつされたのか分からないのです。

2018-11-30 22:37:41