エレン先生、引きこもりを語る

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uroak_miku @Uroak_Miku

コンビニでよく見かけていた『リライフ』、ようやく昨日から目を通している。comico.jp/articleList.nh… ああなるほどねー同じことを考えているんだなーとWikiの解説と出だしと最終話を読んでみて思った。巧い巧い。とりあえず感じたことを少し述べてみます。

2018-12-01 04:32:33
uroak_miku @Uroak_Miku

いわゆる「ひきこもり」について。同じ年齢の児童・若者をひとつの大部屋に集めて同じ方角に向かって座らせて同じことを学ばせるいわゆる同学年教室システムは19世紀半ばに英国で発明されたもので、鉄道の発達が関係している。鉄道?そうです旅行パックが大衆に広まった。それが教育に応用された。

2018-12-01 04:37:16
uroak_miku @Uroak_Miku

日本の就職システムは世界でも独自(日本オンリーではないけれどね)。 クラーク・ケントは大学を出ていきなりデイリー・プラネットに入ったのではなく、地方紙で数年働いて、その実績を売りにプラネットに自分を売り込んでロイスのいる部署に配属された…この設定ときどき変更される。

2018-12-01 04:40:08
uroak_miku @Uroak_Miku

日本はこういうキャリアアップの積み重ねでメジャー企業に入ることはまずなくて、大学入試の勝利者すなわち名門校への進学(そして卒業見込み)者がそのままメジャー企業への道を歩くことに「努力と要領」を心得た者はどんな部署や職務に回してもソツなく口答えもせず適応するだろうから人事が楽

2018-12-01 04:42:30
uroak_miku @Uroak_Miku

すると名門校にソツなく合格してみせて、その学校にモグリ学生をしてその実績を売りに4年後に企業売込みをすればいいのではないか…というのは✖。そんな自主性の強い若者は、入社させてもじきまた個性を発揮して去っていくか、個性が強すぎて回りに合わせられないだろうと判断されるから。

2018-12-01 04:46:51
uroak_miku @Uroak_Miku

まわりより抜きんでているけれどまわりに合わせる(既存のシステムにいちいち食ってかからない)人間像…ああなんだTOEICで高得点を取ってみせる類の大学生がこれなんですね。英語力=コミュニケーション能力と解釈されやすいから。

2018-12-01 04:49:16
uroak_miku @Uroak_Miku

英語力=コミュニケーション能力=まわりとソツなくコミュる能力…こんな風に日本国内では「英語力」が読み替えられているのです。 そ ん な わ け な い だ ろ!

2018-12-01 04:50:19
uroak_miku @Uroak_Miku

ここで「ひきこもり」に話を戻します。原因や始まりは個々いろいろなのですが、同年齢の者が同じ大部屋に毎日通って同じ向きに座って同じことを習ってやらされる工場というか監獄的なシステムなわけですよ「教室」とは。ゆえに、そこから訳あってあぶれてしまう者はどうしても生じてきます。

2018-12-01 04:52:56
uroak_miku @Uroak_Miku

学校システムと就職システムが連結しているのが日本ゆえに、この時点での脱落は後々まで響いてきます。 いわゆる「履歴の白紙」問題。なんとかひきこもりを脱して(脱しようとして)も、履歴書に数年分(場合によってはもっと長い)空白がありますよね。人事の人間にすれば「これは何だ?」と思う。

2018-12-01 04:55:10
uroak_miku @Uroak_Miku

ここをつつかれるともうおしまい。「うちはそういう脆いひといらない、またひきこもられてしまったらこっちが損をするじゃないか」 こうしてまたひきこもりに戻される。というかこういう展開になることが予想されるので本人が動き出そうとしない。

2018-12-01 04:56:51
uroak_miku @Uroak_Miku

『リライフ』の冒頭を読んでみて面白いと思ったのは、一年間高校三年生を過ごしきったら、社会復帰つまり就職先をちゃんとあてがってあげるよという報酬があることです。これつまり「履歴書の空白」をうちが埋めてあげるってことです。

2018-12-01 04:58:39
uroak_miku @Uroak_Miku

そしてこの後の人生で辛いことがあったとき、戻ることができる青春を一年分さしあげましょうってことです。 辛い時、青春時代の一コマが脳裏をよぎってそこに一時逃避することって誰もありますよね。それがないとどんなに辛いか、これは私自身が体が裂けるほどの痛みとともにわかっているから。

2018-12-01 05:00:59
uroak_miku @Uroak_Miku

映画『ブレードランナー』で、4年で寿命が切れるという人造人間たちが自我に目覚めて人間社会に紛れ込む。「処分」のために人間の刑事がこつこつ行方を追う。見知らぬ者たちの写真を連中が持ち歩いていることに気が付く。「家族写真のつもりだ…奴ら思い出がほしいのだ」

2018-12-01 05:03:18
uroak_miku @Uroak_Miku

帰る場所なのですよ。それが空想であり、欺瞞であることは百も承知でね。

2018-12-01 05:04:31
uroak_miku @Uroak_Miku

履歴書の空白を埋めてくれて、そして帰る場所を用意してくれる…そこがこの漫画が広く支持されコンビニの棚に並んでいた理由ではないかなーと、冒頭と最終話のみに目を通してWikiで中身をだいたい知った上での分析であります。

2018-12-01 05:06:10
uroak_miku @Uroak_Miku

「ひきこもり」は日本のみの現象ではなくイギリスやイタリアでもあるのだそうですが、それでも日本の場合は学校キャリアと就職システムの過度な連動が「ひきこもり」を増殖というか増幅させているような気がします。

2018-12-01 05:09:16
uroak_miku @Uroak_Miku

そして超長期化させている。

2018-12-01 05:19:27
uroak_miku @Uroak_Miku

ああそうそう、『リライフ』を読んでみてぱっと思い出したのが『スミカスミレ』。親の看護に半生を捧げてやっと死んでくれたとき60歳で、しかも親の都合で高校を中退させられたという青春の挫折を味わった女性が、青春の続きを若い姿で歩みだすのですが、これは「履歴書の空白」テーマはないですね。

2018-12-01 05:22:28
uroak_miku @Uroak_Miku

掲載誌のカラー(読者層)が違うからですけどね。 『椿町ロンリープラネット』も実は転生&再青春テーマが背後にあるように感じています。

2018-12-01 05:24:11
uroak_miku @Uroak_Miku

とにかく横一列で前進しないといけない、脱落したものは自己責任というシステムの軋みから、これらの物語が生まれているのだとしたら(そして大衆に支持されているのだとしたら)…あまり健全な構図ではなさそうです。

2018-12-01 05:26:00