千葉ガールとシティボーイ

ずっと愛してた。どれだけ遠くても 私はあなたを好きだからそばに居たのに。 …アユ、忠義、裕ちゃん、わたし。 結局みんな、ないものねだり ね。
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はぐ🕊 @516hug

『うわっ!おったん…』「なによおったら悪いの?」なんの連絡もなく、家に行ったら悪いかなと思いつつも、来た…ら、この驚きよう。「(やっぱり浮気してる?)」『なにそんなにジーッと見て(笑)』笑いながら上着を脱ぐ彼の香りは、酷く甘ったるい様に思える。「忠義、何してたの?」#エイトで妄想

2018-11-12 19:58:51
はぐ🕊 @516hug

『別に何もしてないで?仕事。』「シゴト…」『あー強いてゆうなら、飲み会終わり』「ふうん」『なになにー?』「別に。」『けどほんまビックリした、居る時言うてな?』「うん、ごめん」…前はそんな事、気にしなかったのにな。「最近どう?仕事楽しい?」『うん、』って彼はスマホに視線を向け笑った

2018-11-12 20:09:41
はぐ🕊 @516hug

「ねえ、忠義…」『あっごめん、ちょっとマネージャーからや』「…」なんで?マネージャーさんからなら、この部屋でも話せるじゃない。「(私疑いすぎ?)」確かに疑いすぎなのかもしれないけど…と思いつつも、忠義が行った部屋の扉をそっ、と開けて耳を立ててみたら…『今日は無理やわ~ごめんな?』

2018-11-12 20:18:32
はぐ🕊 @516hug

『…おれの中ではもう決まってるから~』『また明日っ!な?…もう今日はごめんてほんまに~』なんの会話?どうゆうこと?本当にマネージャーなの?…その日、眠れなくて一日中目が閉じれなかった。次の日、私が起きた時には忠義はもう居なくなってて、LINEには『今日家おる?』というメッセージ

2018-11-12 21:22:29
はぐ🕊 @516hug

そんなに気になる?私が家にいるかどうかが。LINEには、いないよ、帰るからと送り、返ってくる返事次第で、忠義を騙すかどうかを決めると決心した。…これは私の賭け。「お願い…」彼はとても素直だから、わかりやすい。たった一言。『わかった』だけ。これだけで昔と今は違うってことを実感させてくる

2018-11-12 21:27:36
はぐ🕊 @516hug

こんなことしちゃってどうしよう?ほんとうに忠義が女の子連れて帰ってきたらどうする?「わたしが損するだけじゃない。」…私は千葉住みで、忠義とはちょっと遠距離。だから毎月一回は必ず会う約束をして、忠義は忠義で…前まで毎月1回はキツイって言って会いに来てくれてた。…最近はそれもないよね

2018-11-12 21:38:08
はぐ🕊 @516hug

今日も休みな私は、一日中時間がある。とりあえずこの無駄に広い部屋を掃除して、なんで帰るって言ったのに帰ってないのか、の言い訳を一生懸命考え、スーパーで買い物を終えた時だった。「…アユ…?」親友のアユと歩く…忠義。仕事じゃ…ないの?そしてその日、忠義が家に帰って来ることは無かった。

2018-11-12 21:45:54
はぐ🕊 @516hug

アユは…わたしの中学からの友達。ちょくちょく喧嘩もしてきたし、それなりに嫌いな所もある。だけどそれはお互い様で、大事で…。大事な友達で…。「嘘だよね、違うよね、ありえないもん」もちろんアユに忠義を紹介なんてしてないし、2人が出会って…付き合う確率は何億分とかではないのかもしれない

2018-11-13 17:44:24
はぐ🕊 @516hug

「アユ…」昨日彼女と忠義に他愛のないLINEを送ったけれど、アユからの返事が返ってきたのは朝の6時で、…そして…忠義もアユとほぼ同じタイミングで返してきた。「違う…絶対違うもん…っ」でもどこかで私は昔から、アユに嫉妬してた。…かわいい服も沢山持ってて、自分磨きにお金を厭わない彼女に。

2018-11-13 17:48:31
はぐ🕊 @516hug

私の小さい頃は、裕福とゆう程ではないけれど貧しくもなくて、親戚も沢山いて、その中で第1世として生まれたから、毎年プレゼントは山ほどもらったし、親戚中の王女だったし、ほんとうに愛されて育った。けれどアユは私と真逆の生活。3歳の頃に両親が離婚して母は一日中働くからアユはいつも1人だった

2018-11-13 17:53:17
はぐ🕊 @516hug

そんな私たち2人の人生が逆転したのは、ちょうど私たちが出会った中学生の頃。アユのお母さんはお金持ちの人と再婚し、裕福な生活を手にした。一方私の父の経営する会社は倒産し、両親共に共働きの生活になって、1ヶ月インスタントラーメンの生活も珍しいことでは無かった。

2018-11-13 17:57:20
はぐ🕊 @516hug

だけどそんなんでも私は両親から愛情をちゃんと感じてた。でもアユは"裕福でも親から愛情を受けてる実感は無い。だから私はひねくれてるの"これが彼女の口癖で、アユより素敵なものを持っていると、彼女は同じのを買うか、私に文句を言うかのどちらかだった。「だめ…これ以上考えないようにしなきゃ」

2018-11-13 18:30:30
はぐ🕊 @516hug

でも1度気になり始めたらもう止められなくて、わたしは忠義の部屋に入ってしまった。そこで見つけた…「これ…アユに昔あげたシュシュだ…なんで?」だいぶ前に誕生日プレゼントであげたシュシュ。たまたま同じものなの?…というか、男の部屋にシュシュあること自体、変だよね。「忠義いつ帰るの…」

2018-11-13 21:23:53
はぐ🕊 @516hug

結局、私も私で仕事の時間が来てしまい、忠義の家を後にした。でも気になりすぎて仕事なんか捗らなくて。忠義と同じ街、東京に住むアユのことが気になって、仕事終わり東京に逆戻り。「家いるかな…」忠義に、会いたいと連絡したら、電話がかかってきて『どうしたん?いま千葉?』「東京。」『うーん』

2018-11-13 21:38:14
はぐ🕊 @516hug

え、うーんって何…「無理、なら」『いやええねんけど~…ちょっと…すぐには無理ってゆうか』「そだよね、いきなりだし」外の音が聞こえる。ねえ、隣は誰?仕事の人?それともアユ?『待っといてくれるなら。…家で』「え」忠義のその言葉が嬉しくて顔を上げる自分。わかりやすい。「待ってるからっ」

2018-11-13 21:49:00
はぐ🕊 @516hug

『じゃあ、後で。』って切られた後、私は、きっと忠義はいつもの様に、帰ってきた後お酒を飲むんだろうなと思い、彼のお気に入りだと言っていたツマミを作って待っていた。…待っていたけど…「忠義まだかな」なかなか帰って来なくて、「料理冷めちゃうなぁ」…ずっと帰って来なくて、「…」朝を迎えた

2018-11-13 21:57:33
はぐ🕊 @516hug

ガチャ、という音が聞こえた。だけど…泣き腫らした目が重くて顔を上げられないし、忠義とアユの色んなことを考え、疲れ果てた頭だから、今は何も、考えたくなくて。そんな頭の上から降ってくる、『…帰られへんくてごめん』忠義の声。…私が見てるのは、忠義の足元だけ。『〇〇?』

2018-11-14 19:04:42
はぐ🕊 @516hug

やめてよ、見ないで。覗き込んできた忠義から逸らす。…1度疑い始めたらキリがない。アユお気に入りの香水の匂いが、忠義から…ねえ、これってただの偶然?シュシュも香水も、LINEも、二人で歩いてたとこも。『…あ。…これ…作ってくれてたん?』彼が言ってるのはツマミのことだろう。「捨てて」

2018-11-14 19:11:10
はぐ🕊 @516hug

「捨てて」『や…食べるよ』「捨ててよお願い」『ちょっ』忠義の持ってる、私が昨日作ったツマミが入ったお皿を無理矢理奪い取ろうとしたら、『やめろって』って渡してくれなくて、奪い合い。「捨てるの!離して!」『なぁっ!危ないから!』彼から奪い取った反動で床にお皿が落ち、パリン!と割れた

2018-11-14 19:19:06
はぐ🕊 @516hug

その時の破片が「った…」『〇〇っ』「平気。」…切りどころが悪かったのか、結構な血が、腕に伝っていって。『見せて、手首ちゃうん』急に真剣な声出す忠義に、まだドキッとしてしまう。「全然大丈夫だから。」…ヤバいって分かってる。自分の体内から、ドクドク脈打ちながら血が外に出てるんだから。

2018-11-14 19:26:19
はぐ🕊 @516hug

『んなこと言うてる場合とちゃうやろ…!?』って怒られ、止血用にタオルを巻かれた。『行くぞ』男の力で引っ張られて全く振り解けない中、病院に連れてかれて、案の定手首を深めに切ってたから、3針縫うハメに。『だから…危ないってゆうたやん』「…そうだね。ごめんなさい。治療費返すから」

2018-11-14 19:32:04
はぐ🕊 @516hug

そう言うと、忠義はポカンとした表情を浮かべて、すぐに『え…いらんよ…そんなん』と少し悲しいような、怒ったような、そのどちらでもないような表情を浮かべて私を見た。『昨日…ごめん』「私帰る」『えっ、まだあかん点滴終わってないって』「こんなの大袈裟だし、忠義他に行きたいとこあるでしょ」

2018-11-14 19:38:35
はぐ🕊 @516hug

『行きたいとこ、って』「谷川アユ」彼女の名を伝えると、ピクっと身体を跳ねさせた忠義。…その反応が、何よりもの証拠なんでしょ?『なんで、アユの事…』…そう…忠義もアユって呼んでるんだね。「…なんでだと思う?…私の、中学からの友達だからだよ」忠義の顔見てらんない。…もう、無理っ…

2018-11-14 20:43:45
はぐ🕊 @516hug

『〇〇!』気がつけば私は走ってて、「はぁ…っはぁ…」忠義の声もかき消してしまいたいから、がむしゃらに走ってた。忠義がアユと本当に付き合ってたら、私はアユに勝ち目なんてない。「(だって、アユは忠義のタイプど真ん中。)」服装も、趣味も、スタイルも、性格も…っ「(アユにかなうわけない)」

2018-11-14 20:51:10
はぐ🕊 @516hug

アユがいつか言ってた。…関ジャニ∞を見て、"一番タイプは大倉かな""大倉って、こんな服絶対好きなんだと思うんだよね~私だったらオとせる" …あまりにも自信満々なアユの言ってることが本当なのか調べてみたくて聞いたら、「忠義、こんな服どう思う?」『うーわめっちゃ好き~』『むっちゃタイプ』

2018-11-14 20:57:52
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