整備兵氏による「海岸防御の困難性」その2

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名無し整備兵 @seibihei

・・・(対着上陸作戦の)防者は、あらかじめ配備した海岸防御部隊をもって、あるいは増援部隊と相まって着上陸軍に対し海岸付近で打撃を与え、或いは漸減して海岸堡拡張のための内陸への侵攻を阻止又は拘束しつつ、

2011-04-29 23:43:06
名無し整備兵 @seibihei

自軍主力の集中を掩護させるとともに自軍主力はあらゆる障害を克服して着上陸点付近に戦力を集中し、攻勢(陸上決戦)によって、これを撃滅するに努めた

2011-04-29 23:45:28
名無し整備兵 @seibihei

すなわち増援のできない被制空海下の防勢又は専守防御は、結局消耗戦となり、その敗北は時間の問題であった事は、太平洋戦場の史実がこれを証明している。

2011-04-29 23:49:16
名無し整備兵 @seibihei

したがって広義の対着上陸作戦において、作戦基地、海上及び空中攻撃等を免れて侵攻する着上陸軍に対しては、同作戦の勝敗を決する陸上決戦という作戦段階が、どうしても必要且つ重要である事は明らかである。

2011-04-29 23:52:38
名無し整備兵 @seibihei

在来型の陸上決戦を成立させるためには、全般的又は局地的(一時的)空海優勢の獲得、迅速な戦場機動力(輸送、兵站等を含む。)、優勢な戦場機動打撃力(装甲自走火力、衝撃力)等が必要である。

2011-04-29 23:55:42
名無し整備兵 @seibihei

サレルノ、アンツィオ及びノルマンディー作戦における独軍の戦略的機動は、陸上輸送のみに依存し、決戦時における実戦力は、連合軍の制空、阻止作戦及びゲリラの妨害等のため、平均70~80%に減殺され、かつ予定戦力の集中行程が数日から数週間遅延したため、攻勢開始も遅れた。

2011-04-30 00:06:18
名無し整備兵 @seibihei

レイテ決戦では、全般的被制空海下で局地的航空、海上掩護力もあって、投入予定兵力5個師団5万6千名のうち、海上輸送護衛作戦により、辛うじて上陸兵力4万5千名の輸送に成功したが、主要装備、人員の海没及び未輸送兵力は約1万名もあり、かつ輸送行程も意外に遅延した。

2011-04-30 00:13:15
名無し整備兵 @seibihei

したがって戦力不十分な決戦兵力の逐次戦闘加入かつ不期遭遇戦となり敗北したのである。

2011-04-30 00:14:57
名無し整備兵 @seibihei

大戦を通じ、西欧、太平洋戦場を問わず、最高統帥の基盤として、その国軍の戦略戦術思想の大綱が陸海空を通じて統一確立されており、かつ統帥の本質の具現しうる中央機構と指揮系統が整備されている事が肝要である。

2011-04-30 00:18:37
名無し整備兵 @seibihei

またノルマンディー及びレイテ決戦等における日独最高統帥の失敗等にも見られる如く最高統帥の本旨は、情勢の推移を大局的に先見洞察して、早期に明確な作戦目的を確立し、現地司令官に対し、明確な任務を付与して一転の疑義なからしめるとともに、

2011-04-30 00:21:29
名無し整備兵 @seibihei

所要の戦力を充当し、現地司令官をして実行の任に当たらしめるにある。

2011-04-30 00:22:09
名無し整備兵 @seibihei

さらに統帥は、純一無雑、一貫した方針で臨むとともに、現地軍と意思疎通し脈絡一貫一体となって貫かなければならない。そしてその一貫性を期し得るか否かの大半は、作戦準備の周到特に事前における司令部内及び上下級司令部間の思想の一致如何によるものと考えられる。

2011-04-30 00:29:30
名無し整備兵 @seibihei

陸海空各軍は、活動の場がそれぞれ異なり、且つ各種の要素が累積されて独特の戦略・作戦思想を持つものであり、古い伝統を持つ軍隊ほどその傾向が強く、かつその変更が困難となる。

2011-04-30 00:32:01
名無し整備兵 @seibihei

これらの思想を無理に一定の枠に入れることは、時として弊害を伴うが、軍事施策或いは用兵上の基礎となる事項については統一される事が必要である。

2011-04-30 00:33:08
名無し整備兵 @seibihei

レイテ、沖縄作戦等特に陸上部隊の作戦は、通常、統合作戦の枠内で遂行されるべきであり、陸海空各部隊間の協調及び組織的総合戦力発揮の適否は、直ちに作戦全局の帰趨を左右するに至る。

2011-04-30 00:35:54
名無し整備兵 @seibihei

したがって最高統帥部は、それに適する機構を持つべきであり、また大部隊の指揮官は、関係空海部隊と緊密に調整して、相互の意思を疎通し、特に作戦の目的及び戦略思想の一致を図るとともに、相互の特性認識に努め、遺憾なくそれらの戦力を統合発揮する事が必要である。

2011-04-30 00:38:28
名無し整備兵 @seibihei

またマリアナ作戦における失敗等最高統帥部は、特に航空戦力の実態を正しく認識する事が作戦指導の根本である。同一部隊であっても、その航空戦力は、時期的・場所的その他あらゆる素因によって変化するものであり、冷静に観察してその部隊の実力を発揮させる事が肝要である。

2011-04-30 00:41:09
名無し整備兵 @seibihei

なお太平洋戦場に於いて、所在海空部隊が敵来攻(着上陸)時、先任指揮官の統一指揮下に入ることに協定実施されたが、準備段階から先任指揮官の作戦構想に合致する如く、陸戦隊・機雷・海軍砲台及び水上特攻等の諸作戦の防備及び訓練等を律する必要があった。

2011-04-30 00:45:52
名無し整備兵 @seibihei

・・・沖縄作戦に於いて同本島の北及び中飛行場を主陣地外にしたことを巡って大本営、第10方面軍及び関係陸海軍航空部隊間に意見の対立、議論の応酬が続いた等の如く、思想の統一ないし意思の疎通がいかに重要な事であり、また困難であるかを認識し、これが為の幕僚の責任の重さが再認識させられる。

2011-04-30 00:50:24
名無し整備兵 @seibihei

上級司令部の下級司令部に対する不信頼又は蔑視と下級司令部の上級司令部に対する不信の念は、しばしば起こりがちであり、特に状況困難となり重大な責任問題を生ずる場合に於いてそうである。

2011-04-30 00:53:49
名無し整備兵 @seibihei

この上下の思想のギャップは、ややもすれば状況の進展につれて拡大の一途をたどり、ついには激しい憎しみとさえなり易い。

2011-04-30 00:54:30
名無し整備兵 @seibihei

既述のように思想の統一と意志の疎通に関しては、しばしば根本的に食い違った思想を言葉上の妥協をもって終止符を打ち、包蔵する矛盾を糊塗しようとする事がある。これは極めて危険であり、根本的崩壊の素因をなすものである。

2011-04-30 00:56:45
名無し整備兵 @seibihei

大部隊の統帥・指揮の成否を左右するものは、先見洞察である。特に全般的防勢作戦上、弱者の戦略を採用せざるを得ない軍隊にとっては、先見洞察こそ戦勝要素の一つである。

2011-04-30 00:58:47
名無し整備兵 @seibihei

また統帥指揮の適時性特に先制は、敵に対し必要なだけでなく、部下に対してもまた必要である。沖縄における持久作戦方針の決定等上級司令部の意思決定に先立ち、下級部隊がその意思を決定し、この両者間に一致を欠いた場合は、

2011-04-30 01:01:20