手塚治虫風『とある飛空士への追憶』

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こんなのはどうかな。拳銃で殴られて倒されるシャルル。苦痛に歪む顔が翼の上に。そこに砂金の袋が二つ、順に置かれていく。丁寧な動作で。

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それをシャルルの目が追う。

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ああ、砂金を置く前にこんなアクションを挿むの。 twitter.com/KaoruKumi/stat…

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私の案では、殴り倒すのはOKで、その後にちゃんとフォローをいれる。機銃を食らった痕でいっぱいのサンタクルスの機体を、迎えの将校が見上げて、感心顔にさせるの。 「たいしたものだ…」　そして身をかがめて、砂金の袋をシャルルの目の前に（殴られて翼の上に横たわっている）ふたつ、順に置く。

2018-12-08 23:38:58

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そしてこう切り出す。「よくやってくれた。報告は、予定どおり基地で行ってくれ」 将校、ボートのほうを振り向く。姫様が絶叫している。「放して！シャルルもいっしょ！いっしょに乗せなさい！」 将校にカットが戻る。「このことは伏せておいてやる。感謝しろ。では」 敬礼してボートに向かう。

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無電で「ドシャブリ　カミナリ　センチョウフショウ」とあったことから、暗号がとうに解読されていたこと、暗号が解読されていることがレヴァーム軍に勘づかれてもいいという覚悟で全軍あげて姫様の機体に猛攻をかけてきた、つまり国家の意地をかけてきたこと等を、この将校はすべて理解している。

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再掲。 pic.twitter.com/p7zu1SXjdg

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そこを根性で乗り切ってきたパイロットへの敬意と口止め料として、当初の倍の報酬を出すべきだと上層部に具申。実際の機体を目にして、機銃痕から、どれだけ壮絶な旅だったのかを視認。 そして砂金の袋をふたつ、翼の上で痛みに横たわるシャルルの面前にすっと順に置いていく。「よくやってくれた」

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姫様の半狂乱ぶりとセリフから、ふたりが体を重ねた（らしい）ことを察する彼。しかし―― 「このことは伏せておいてやる。感謝しろ。では」（敬礼）

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こういう風にしますね私が監督か脚本なら。

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原作では作戦打合せのときに基地司令と「彼女のある部位を、作戦終了後に検査することになっている」「それは私の信仰への冒涜です」と会話していますが、私の案では司令に「は、冗談だ」と続けさせる。

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これが姫様と飛空士さんの別れの際の、将校（私のオリジナル）による「このことは伏せておいてやる。感謝しろ。では」に係ってくる。

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妊娠しちゃったら元の木阿弥ですけどね。もっとも、そうなっても彼にすれば「いずれにせよ私の関わることではない」「そうならないよう、あとは貴様の神に祈れ」なんでしょうけど。

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重ねたかどうかは劇中では描かない。一時間ほどの時間の経過をそれとなく前夜シーケンスに匂わせて終わる。『ローマの休日』方式。