【東方】『冴月麟についての一考察』

※小野不由美著の『十二国記』シリーズを読んで考えたことをまとめてみました。 win版三部作他、蓬莱少女繪幻想等にも触れています。
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逆村(サカムラ) @ArumakaS

『冴月麟についての一考察』 ※ 十二国記等を読んで考えたことをまとめてみました 【独自解釈が含まれています】 なお、この考察では必ずしもC62サークルカット子=冴月麟と捉えている訳ではありません。イコールでも良いし、全くの別人という前提で読んでいただいても問題は無いとか思います。

2018-12-09 12:55:58
逆村(サカムラ) @ArumakaS

【そもそも十二国記とは】 小野不由美著のファンタジー小説。現在も刊行中で、古代中国の神話や思想が取り入れられた壮大な世界観が魅力。旧サイトにて神主が好きな作家の一人に上げているように、東方projectとの関連性が指摘されています。

2018-12-09 12:56:46
逆村(サカムラ) @ArumakaS

また各巻の表紙イラスト・挿絵は「蓬莱人形ジャケットの少女」の元ネタや、「蓬莱少女繪幻想」のお掃除メイドの元ネタ背景としても有名な山田章博氏が担当しています。win版前後の東方projectとは切っても切れない関係性があることは間違いないでしょう。

2018-12-09 12:57:41
逆村(サカムラ) @ArumakaS

十二国記と東方の関係性について考察しているサイト、同人誌は少ないように思います。 一度読んで頂ければおわかり頂けるかと思いますが、東方や蓬莱人形そのものの世界観や空気と言った『雰囲気』がこの十二国記から来ていると確信することでしょう。

2018-12-09 12:58:43
逆村(サカムラ) @ArumakaS

人と異類が共存する世界、現実世界と隔離された舞台、幻想的な世界観、蓬莱と外の世界の距離の類似点など。あまりにも類似点が多過ぎるのです。 挙げればきりが無いのでこの辺りにしておきますが、気になった方は是非原作の方を読んでみてください。

2018-12-09 12:59:25
逆村(サカムラ) @ArumakaS

【冴月麟に隠された文字 今回は冴月麟という文字列について考えたいと思います。読みは各人それぞれでしょうがが、おおむね「さつきりん」「さえつきりん」の二つの読み方が多いかと思います。蛇足ですが私は後者です。

2018-12-09 13:05:25
逆村(サカムラ) @ArumakaS

このうち「冴月」という苗字には元ネタと思わしき書籍が存在します。今回ここでは触れませんが気になった方は是非調べてみてください。 さて、話を戻しますと『冴月麟』の読みを先ほどあげた二つだと仮定した時、苗字と名前にまたがって「きりん」という文字が存在していることがわかります。

2018-12-09 13:05:44
逆村(サカムラ) @ArumakaS

十二国記には「麒麟」という架空の神獣が登場します。動物園で首を長くしている方ではなく、ビール瓶に鎮座している方ですね。この麒麟は十二国記界における『王』に仕え政治を補佐するなど、いわゆる主従関係で結ばれており、十二国記内で最も重要な要素となっています。

2018-12-09 13:08:19
逆村(サカムラ) @ArumakaS

麒麟は十二国記世界で複数存在する『国』に必ず一頭ずつ君臨します。国は十二個存在しており、それぞれに麒麟が割り当てられるため、区別する意味で、麒麟には一人一人名前が付けられます。

2018-12-09 13:18:41
逆村(サカムラ) @ArumakaS

名付け方には決まった法則があります。国名の後ろに雄であれば『麒』を、雌であれば『麟』の字を付けて区別されます。 例えば泰国の雄麒麟であれば「泰麒」、塙国の雌麒麟であれば「塙麟」と呼ぶように麒麟には必ず「麒」「麟」のどちらかの文字が当てられています。

2018-12-09 13:20:55
逆村(サカムラ) @ArumakaS

このことから、冴月麟には雌麒麟の象徴である『』という文字を当てたのでは?と推測しました。 十二国記のストーリーはその大部分を王と麒麟の関係性を描く物が占めています。物語の軸と言っても過言では無いでしょう。

2018-12-09 13:30:13
逆村(サカムラ) @ArumakaS

ここで、十二国記における麒麟の定義を説明します。 性質は慈悲深く、争いや血、穢れを嫌う神獣であり、その髪は必ず金髪である(例外として黒麒麟など黒髪の麒麟が登場するが、物語に出て来たのは一頭のみ。記述のみだが赤麒麟なども存在する)と定義されています。

2018-12-09 13:33:32
逆村(サカムラ) @ArumakaS

「十二国記の麒麟は例外を除いて必ず金髪である」そして「冴月麟は『麒麟』をモチーフに創作された可能性がある」 この二つの事から導き出されるのは「『冴月麟』は金髪であり、種族:麒麟の自機候補だった」という仮説です。

2018-12-09 13:42:32
逆村(サカムラ) @ArumakaS

当時神主は新しいキャラクターを作ろうと考えていたこと蓬莱少女繪幻想には金髪の巫女の絵(神道国幻想)が存在することから冴月麟が金髪のキャラクターである可能性はかなり高いと推測します。

2018-12-09 13:43:12
逆村(サカムラ) @ArumakaS

また十二国記のシリーズ第1巻『月の影 影の海』は1992年刊行、東方紅魔郷初版頒布よりかなり前なことを考慮すると十二国記が神主に与えた影響はかなり大きいと考えられます。 『夢違科学世紀』のオリジナル曲『華胥の夢』と2001年刊行の『華胥の幽夢』の類似点も個人的には気になるところです。

2018-12-09 13:52:06
逆村(サカムラ) @ArumakaS

【その他・雑記】 ちなみに、十二国記には麒麟と並んで神獣とされる『玄武』に登場人物が乗って中に浮く描写があります。皆さんが玄武と聞いて思い浮かべるのは勿論玄爺かと思います。 こちらの描写は旧作頒布よりかなり後(〜年ほど)なので直接の関係は無いと思われます。

2018-12-09 13:56:27
逆村(サカムラ) @ArumakaS

また、十二国記には「華山」「霍山」という架空の地名が出てきます。現在の中国を意識したと思われる地名です。 先ほどの玄爺の例と同様に茨華扇と霍青蛾の直接の由来では無いだろうが、なかなか面白い偶然だと思う。

2018-12-09 13:57:10
逆村(サカムラ) @ArumakaS

これは東方全般に言えることですが、東方の元ネタにはピンポイントでこれと指し示されているものが少ないように感じます。いくつものネタを組み合わせて作られたからこそ出せる世界観は、win三部作独特のものですよね。

2018-12-09 14:00:22
逆村(サカムラ) @ArumakaS

特に紅魔郷や蓬莱人形は「元ネタをベースにして作品を作る」と言うよりは「神主の創作した世界観を元ネタで味付けする」面が強いと私は考えています。

2018-12-09 14:01:03
逆村(サカムラ) @ArumakaS

先日TLで「風神録以前と以降の原作には乖離が見られる」と言った旨のツイートを見かけました。元々神主はwin三部作で東方projectを一区切りする予定だったのだから、当たり前といえば当たり前なのですが……先ほど述べたような事も要因の一つなのではと思います。

2018-12-09 14:02:23
逆村(サカムラ) @ArumakaS

【まとめ】 十二国記世界には巫女や宗教信仰などの日本古来に宗教観の描写はあまり見られません。おそらくこれは設定の多くが古代中国の政治形態等から来ているからだと思われます。 どちらかというと仙人や獣、漢人といった重厚な雰囲気が漂います。

2018-12-09 14:05:45
逆村(サカムラ) @ArumakaS

それに比べて東方は随分とライトな雰囲気だと感じます。巫女は袴を履かないし、妖怪は人をむやみやたらに襲わないし…… まさに「東方」という名に当てはまる東洋ののんきな巫女さんの物語のように感じます。

2018-12-09 14:06:56
逆村(サカムラ) @ArumakaS

今回十二国記を主軸にして考察をしてみましたが、これが全て正しいとは思っていません。こんな解釈も面白いなという理想であり、妄想に過ぎません。けれど、こうして好き勝手にあれこれ考えるのはめちゃくちゃ楽しかったです。これで少しでも十二国記に触れるきっかけ作りになったらなと思います。 終

2018-12-09 14:09:43
逆村(サカムラ) @ArumakaS

【追記】 今思い出したのですが、冴月麟の名前とともに存在する「風・花」について少し書き留めておきます。 二つのスペカのうち「風符」はおそらく十二国記シリーズのうちの一つ『風の海 迷宮の岸』から付けられたと推測します。 こちらは麒麟の成長に焦点をあてた話で、関連が深いと考えられます。 pic.twitter.com/jjVdNTxogT

2018-12-09 15:33:14
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