なぜ米軍基地や原発は問題になるのか - 環境社会学から考える

社会学って面白いですよ
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サンセット @Sunset_Yuhi

ふと思ったけど、環境社会学でいう受益圏受苦圏のずれの話は、単に環境問題の範疇を越えて、かなり色んな社会現象に適用できるな。ごみ処理場公害の問題だけでなく、飛行場原発米軍基地、さらには納税の話題も絡めていいかもしれない。

2018-12-13 12:37:30
サンセット @Sunset_Yuhi

ごみ処理場を建設する際には、かなりの反対者が出ることを覚悟しなければいけない。と言うのも、ごみ処理場を作ること自体は住民の多くが賛成しても、自分の土地に作るのはみんな嫌がるから。 この場合、受益圏は周辺地域全体に及ぶけど、受苦圏はごみ処理場周辺の住民に限られる

2018-12-13 12:43:51
サンセット @Sunset_Yuhi

水俣病のような公害の場合、受苦圏はもちろん公害の発生地域だが、問題を起こした企業は地域の雇用も生んでいたので、受益圏と受苦圏はかなりの重なりがある。それによって問題が複雑化する。 この辺は、空港や原発や米軍基地の反対運動でも似た構造がある。

2018-12-13 15:05:16
サンセット @Sunset_Yuhi

米軍基地の反対活動をする人々は、左翼活動の一環とか在日朝鮮人を雇ってるみたいな話も囁かれるが、沖縄県民がどう思っているかは知事選の結果に如実に現れていると思う。玉城知事の当選時には悪夢と言う人もいれば、中国や共産党の関係者と言う人もいたが、少し想像力が足りないんじゃないか。

2018-12-14 07:24:41
サンセット @Sunset_Yuhi

市民活動と言えば左翼のイメージもあるかもしれんけど、水俣病や四日市ぜんそくのような公害への抗議活動まで、左翼活動として説明するのは無理があるだろう。それを言ったら朝鮮人学校への抗議活動も、政治家ではない市井の人々が行う「市民活動」だろう。

2018-12-14 07:43:27
サンセット @Sunset_Yuhi

草の根の運動を政治の右派左派の問題で説明するのは限界がある。一方、環境社会学における「受益圏」と「受苦圏」の概念は、より広範な社会現象を、統一的に理解する方法を提供する

2018-12-14 07:57:59
サンセット @Sunset_Yuhi

福島の原発の場合、受益圏は東京電力管内の人々や原発産業が盛んな地域が含まれるけど、受苦圏の地域は限られている。 ここでも重要なのは、受益圏と受苦圏は完全に分かれている訳でなく、重なりがあるということ。原発への賛否を語る時、この事はよく無視されているように思う。

2018-12-14 08:01:56
サンセット @Sunset_Yuhi

聞いてる感じ、これは環境問題以外にも拡張できそうに思える。考察の対象を地域から人間に置き換えて、「受益者」と「受苦者」という言葉を考えてみる。 扱う問題としては、納税の話を考えてみよう。納税額は人によって異なるけど、基本的に全ての人が行うので、受苦者は日本国民全員になる。

2018-12-14 08:18:53
サンセット @Sunset_Yuhi

さて問題は、納税の恩恵をみんな得られているかということだ。例えば日本には社会保険があるが、別にみんなが平等に医者にかかる訳ではない。明らかに健康な人の方が損をするし、実際アメリカでは最近まで社会保険制度がなかった。なぜ、赤の他人の医療費まで負担する必要があるのだろうか。

2018-12-14 08:25:37
サンセット @Sunset_Yuhi

社会保険だけでなく生活保護でもいいけど、特定の制度について考えた時、しばしば得する人と損する人が出る。となれば当然、税金を払うのを嫌がったり、制度そのものに反対する人は出てくる。税金の払い方も人によって違うけど、所得に税が課されたりして喜ぶ人も少ないだろう。

2018-12-14 10:19:21
サンセット @Sunset_Yuhi

外国人労働者でもこうした問題が大きくなってくるだろう。会社経営などで特をする人もいれば、住人トラブルなどで損をする人もいるが、受益圏と受苦圏はしばしば重なりあう。 こうした問題に対して、利益に注目する賛成者、損失に注目する反対者が出てくると、問題が二項対立化してくる。

2018-12-14 12:22:34
サンセット @Sunset_Yuhi

巨大公共事業における受益・受苦図式の変容 : 八ッ場ダム建設問題を事例に ci.nii.ac.jp/naid/110007818… #CiNii > 「受益圏・受苦圏」理論は元来、舩橋晴俊氏らによる『新幹線公害』に関する研究から導出され、梶田孝道氏の『テクノクラシーと社会運動』において精緻化された 日本が発祥だったの!?

2018-12-14 18:51:35
サンセット @Sunset_Yuhi

> ある自治体でごみの処分場を建設する場合、受益圏の内部に受苦圏が存在することになる。 > このような場合、ごみ処理と周辺の環境保全という二つの機能要件の葛藤は、住民一人一人が考えなければならない問題として理解されやすく、合意形成も比較的容易であるとされる。

2018-12-14 18:55:11
サンセット @Sunset_Yuhi

> 一方、新幹線公害のように受益圏と受苦圏が空間的に分離している場合、受益圏は極めて希釈化された形で全国に広がり、受益者は新幹線の建設や利用が沿線住民に与える被害を想像しにくい。その結果、受苦圏を形成する一部沿線住民に被害は集中する。 米軍基地や原発の問題もまさに同じ話だよなあ。

2018-12-14 19:00:03
サンセット @Sunset_Yuhi

> 砂田氏は、原発用地周辺住民の中に原発建設を自己の生活上有益と判断して行動する人々に注目し、彼らを「受苦圏のなかの受益圏」即ち「疑似受益圏」と命名した。 > 狭小な地域社会であっても住民間の利害は決して一枚岩でないこと、開発に伴いそれまで潜在的であった対立が顕在化することは、→

2018-12-14 19:05:35
サンセット @Sunset_Yuhi

70年代までの開発研究、住民運動研究が指摘してきたことであり、むしろ常識に属する事柄といってよい。 > だが、受益と受苦の関係は近年ますます複雑になっている。帯谷博明氏は宮城県の新月ダム建設計画をめぐる紛争を分析し、受益と受苦が重層化し「圏域」をなさなくなる過程を明らかにした。

2018-12-14 19:08:31
サンセット @Sunset_Yuhi

> 八ッ場ダムでも、新月ダムと同様、住民間の利害分化と受益・受苦認識の重層化が顕著になり、「水没地域」=「受苦圏」という図式が単純には成立しなくなっている。 > 水没地での反対運動は、帯谷氏の類型でいうと「地域完結型」の典型をなすものだったといえよう。→

2018-12-14 19:14:42
サンセット @Sunset_Yuhi

運動は主として立地点の住民によって担われ、労組や革新政党の関わりは弱いものであった。 > 帯谷氏の著作を含むこれまでの多くの調査研究は、住民運動と市民運動(「よそ者」の運動)と連携しあうとき、初めて実質的な成果を獲得しうることを教えている。 勉強になります。

2018-12-14 19:20:20
サンセット @Sunset_Yuhi

平成29年末現在における在留外国人数について(確定値) moj.go.jp/nyuukokukanri/… > 平成29年末の在留外国人数は256万1848人で、前年末比で17万9026人(7.5%)増加となり過去最高 日本も実は約50人に1人が外国人という状況なんだけど、外国人労働者を巡る受益・受苦の関係も、これから顕在化しそうだなあ

2018-12-14 20:18:59