アルター・オブ・マッポーカリプス ＃７

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【アルター・オブ・マッポーカリプス】#7

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ゴーン……ゴーン……ゴーン……。鐘の音は鳴り続け、巨大なハッポースリケンを中心とする神秘的なイクサの光景は激しく状況を変え続けていた。クローザーは給水塔の上に直立し、いまだ静観の構えであったが、既にその手には長く重いボーが携えられていた。ボーの表面には緋色の稲妻が絶えず伝う。　1

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ザイバツ・シャドーギルドの出現は実際いやはや……」その目に歪んだ笑いのニュアンスが浮かぶ。「妖刀ベッピン、確かにその手に取り戻すには今この時が最大の好機と言えような……クキキキキ……セトの奴、この事態は想定しておったや否や」彼は首を巡らせ、シトカ港湾取引管理ビルを見やった。　2

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

シトカ港湾取引管理ビルの壁面をよじ登る狂ったニンジャ達。ハデス・ニンジャ・クランの強大なジツの影響下にある。屋上にはオールドストーンやソウカイヤが集まってきている。「サツガイはこの地にケオスの種を撒き、それで忘れてしまうのだろうが、なかなかどうして、今の世の者どもは……クキキ」3

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

空からビルに近づく影があった。つい先頃まで、シンウインターのものであったヘリコプターだ。クローザーのニンジャ視力はヘリから半身を乗り出させ、白い光を放って、壁登りのニンジャ達を襲う者を見通している。「今の世の者どもは、可愛らしく、いじらしく、我が興味を強く喚起するものだ……」　4

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

＿＿＿＿＿＿　5

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ！」「グワーッ！」インシネレイトのカトンを浴び、影めいたニンジャは手足をばたつかせ、火だるまになって落ちていった。「クソ共が！」テントを睨み、「オニイサン！いい加減そのショーギ終わらねえんですか？話つけちまえばいいじゃねえですか！痛めつけたりブン殴ったりしてよォ！」　6

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ウルッセッゾコラー！」ホローポイントは駒を叩きつけた。「男と男の勝負！テメェは黙っとれや！」「アッ！」インシネレイトが息を呑んだ。……「そこまでだ！」「何がソコマデッコラー！」ホローポイントはオールドストーンを睨んだまま叫び返す。「俺がそこまでと言えばそこまでだ！」「ア？」　7

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ご苦労だったな」ホローポイントの肩に、手が置かれた。ニンジャの首筋に鳥肌がたった。「コイツと交代していいか、オールドストーン＝サン」その者は平然と問うた。オールドストーンは凝視した。その者は、平然。「……好きにしろ」オールドストーンは言った。　8

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ホローポイントが立ち上がり、身を引くと、ラオモト・チバはかわりにドッカとアグラした。「妙な盤面だな」「遊んでただけなんで」ホローポイントは答えた。「ハ、ハ、ハ！」オールドストーンが笑う。あらためてアイサツする。「ドーモ。オールドストーンです」「ドーモ。ラオモト・チバです」　9

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」テントの外では、彼と共に屋上にエントリーしてきたネヴァーモアが連続パンチで影のニンジャを殴り飛ばして倒し、インシネレイトを唖然とさせた。既にこの屋上には幾つもの爆発四散痕があった。「何用だ、小僧」老船長が問う。　10

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「オーテ」チバが盤面を睨み、ハンドからガーディアン・オブ・ザ・ゴッズを盤面に打ち込むと、魔術じみて、じわじわ展開していたオールドストーンの軍勢が凍りついた。「ハ！ハッハッハ！」オールドストーンが駒を叩き払った。チバが言った。「俺の母親に花でもたむけようと思ってな」　11

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「直々にお出ましか。度胸は認めてやる」「イヤーッ！」「アババババーッ！」ヘリのローター音とともに風が吹き抜け、カラテ・シャウトの後、誰かが降り立った。「おう。幸い、シトカの若い奴も戻ってきたようだ」オールドストーンはスーサイドを感じ取り、振り返らずに言った。　12

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ゲーッ！」上空を三本足のカラスが旋回する。カラスの目からは、屋上中央、接地したヘリコプターとショーギ帷幕を360度包囲するニンジャ達が見て取れる。海の男たち、クローンヤクザ達はじりじりと内側へ追い詰められる一方、ソウカイニンジャとスーサイドは鬼人めいて戦い始めた。　13

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

カラスは上空からの援護射撃を検討した。だが、「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「アババババーッ！」手練れのニンジャ達は屋上に上がってくるにわかニンジャ達を苦も無く打ち倒し、薙ぎ倒していった。スーサイドのカラテは敵を倒すほどに増していった。　14

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「適当やっとけ！」ニンジャウェーブの掃討を終えると、スーサイドはふてぶてしくホローポイントらに言い放ち、帷幕に入り込んだ。「おう待たせたな爺さん。それから……フン……ラオモト＝サンか。ご苦労なこった」「噂は聞いているぞ、お前」「ああそう。シンウインターは死んだ。過冬は終わりだ」15

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

スーサイドは身を屈めてオールドストーンの首に腕をまわし、チバを睨んだ。「わりィが、クロスカタナが横からかッさらえる物件、ひとつも無さそうなんだよ」「ふあ……」チバは顔をしかめ、欠伸をした。そして、やおらグンバイを掴んで、ビルの外、異形のモニュメントを指し示した。　16

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「お前達はおめでたくも大バカ者だな。こんなところでくだらん意地の張り合いを！」チバは白々しく言ってのけた。後から来た立場だからこそ切れるカードだ。「どう考えてもあれがこの天変地異の元凶のようだが？たった今この街の空気を吸ったこの俺にも明白にわかる。放置するつもりか？」　17

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

対峙者の視線がもはや火花を散らした。「俺らの為に働いて、忠誠心を見せたいッてんだな？ソウカイ・シンジケートよ。見返りに何のオナーが欲しいんだ？」スーサイドは言い換えた。チバはニヤリと笑った。「なかなか面白い。ま、行動の指針に違いはあるまい。手を貸してやるゆえ、結果を見て決めろ」18

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

＿＿＿＿＿＿＿　19

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ア！」「ウン！」ア・ニンジャとウン・ニンジャがカラテを見舞うと、ディミヌエンド達はかろうじて受け逸らし、大きなダメージを免れた。アガートラムの右腕は銀の炎の姿を解き放ち、盾めいて広がって、その致命的な拳とカラテミサイル余波を受け切った。そして、「ケケーン！」翼竜がアを襲う！　20

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ア！」ア・ニンジャは翼竜の首を掴み、抱え込んで、カラテパンチを見舞った。しかし執拗に殴る事はできない。スパルトイが一直線に飛び掛かり、蛇矛で攻撃したのだ。「イヤーッ！」「ウン！」ウン・ニンジャがインタラプト！クロス腕で守る。防ぎきれず、リアルニンジャの血が飛沫いた！　21

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ！」そこへ襲い掛かるのはディミヌエンド！首筋を狙う斬撃！「ウン！」ウン・ニンジャは首筋肉を隆起させて刃を止めた。「イヤーッ！」ファイアウィルムがクナイ・ダートを投げた！「ウン！？」ダートはウン・ニンジャの右目を貫き、さらに瞬間的なカラテ毒で傷を腐食させ始めた！　22

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「弟者！」ア・ニンジャは翼竜から手を離し、致命斬撃を狙うスパルトイを蹴ろうとした。そこに襲い掛かるのはアガートラム！再び腕の形に凝縮させた銀の炎が、ア・ニンジャの横面を殴りつけた！「イヤーッ！」「ア！？」衝突の瞬間、銀の小爆発が起こり、ア・ニンジャは浮石から足を滑らせた！　23