茂木健一郎さん連続ツイート2011年5月

「笑い」「歩く」「ギャグ」「目的」「清(きよ)」「課題」「転ぶ」「感性」「夢」「田森」(佳秀さん)「ロック」「自由意思」「リヴァイアサン」「A´」「判断の保留」「成長」「転ぶ」「局所」「独(ドイツ)」「静寂」「佐渡裕」「この国は老いている」「無答」「トレード・オフ」「内外」「雑草」「太陽」「できないこと(でい)」「自疑(self doubt)」「人を動かすもの」「才能はニッチである」
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茂木健一郎 @kenichiromogi

笑い(1)笑いは、不安や恐怖を乗り越える上で大きな力を持つ。ついこわばりがちな心や身体をほぐし、前向きに生きるエネルギーをつくることができるのだ。笑いによって、人生のエネルギー問題は必ず解決できる。

2011-05-01 09:47:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

笑い(2)自分に不安や恐怖を与えているものの正体は、ついつい見たくないと思ってしまうものである。そのような時、状況を余裕を持ってメタ認知する笑いの作用が助けになる。自分自身の欠点も、笑いを通して的確に把握することができるのだ。

2011-05-01 09:48:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

笑い(3)自分の欠点を頑なに認めようとしない人は、まわりの空気を凍らせ、コミュニケーションを疎外する。頑固な人が、「オレは頑固じゃない」と言い張ると、もうそれでおしまい。「いやあ、どうしても頭が硬くて」と笑いながら頭をかく余裕があれば、周囲も発言がしやすくなる。

2011-05-01 09:49:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

笑い(4)事態が深刻であるほど、指導者はユーモアを持たなければ的確な判断ができない。レーガン大統領が狙撃された時、手術室で医者に「念のため聞いておくが、君は共和党員だろうね」と尋ねた。そのような精神が、危機の時の指導者に不可欠な資質である。

2011-05-01 09:51:12
茂木健一郎 @kenichiromogi

笑い(5)自分のことを笑える男性は魅力的である。人に笑われるくらいならば、一歩進んで自分から笑われてしまおう。欠点をメタ認知できる人は、危機に強い。また、他人に対する包容力がある。自分の欠点を隠す人は、他人に厳しい傾向がある。

2011-05-01 09:52:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

笑い(6)笑いは、意味に凝り固まった世界を、ほぐし、脱構築し、創造性のための空き地をつくる作用を持つ。道化が一人いることで、現場の人たちが必要以上に深刻になったり、一つの見方に縛られてしまうことを避けることができるのだ。

2011-05-01 09:54:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

笑い(7)笑いはまた、反骨精神の発露でもある。地位を笠に着て威張り散らす侍に対して、職人が抵抗する落語『たが屋』。社会秩序の息苦しさを、江戸の花火の開放感に托して解きほぐした、古典落語の名作である。

2011-05-01 09:56:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

笑い(8)バナナの皮で転ぶスケッチに見られるように、笑いは緊張や不安と表裏一体である。プロの表現者は、常に、笑いをとれるぎりぎりの線を探っているのだろう。『リトル・ブリテン』の二人に、ダイアナ妃の死後英国では王室に関わる笑いは難しくなったと聞いたことがある。

2011-05-01 09:58:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

笑い(9)笑いのプロは社会批評自体が目的ではない。メタ認知のラインを笑いがとれるぎりぎりに模索する。時には失敗するかもしれないが、タブーの領域に挑戦する笑いの表現がなければ、社会全体が硬直化する。実験的な笑いが、社会を若く保つのだ。

2011-05-01 10:00:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「笑い」についての連続ツイートでした。

2011-05-01 10:00:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

歩く(1)今年の一月に、突然思いついて2時間40分歩いてしまって以来、ずっと歩く生活が続いている。仕事から仕事への移動など、隙さえあれば歩く。アホみたいに歩き回っていたら、一ヶ月で体重が4キロ減ってびっくりした。

2011-05-02 06:14:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

歩く(2)私の歩き方には癖があるらしく、右の足の外側のカカトのゴムがすり減って、斜めになってしまった。カクンカクンとなったので、空港でスニーカーのような靴を買って、今はそれをはいて歩き続けている。

2011-05-02 06:15:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

歩く(3)「歩行禅」という言葉があるように、歩くことは頭の中をからっぽにするにはとても良い。脳がアイドリングし、デフォルト・ネットワークが活性化する。さまざまなアイデアや思いが浮かんでくる。歩くことで、脳をメンテできる。

2011-05-02 06:16:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

歩く(4)東京の街を歩いているうちに、いろいろなことに気付き始めた。ボリショイサーカスの本部を見つけたり、おいしそうな肉そばの店を発見したり、「点」が「線」になり、さらに「面」になる。人々の生活が息づいている。

2011-05-02 06:17:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

歩く(5)Life in the fast laneという表現がある。急いで効率ばかり追っていると、気付かないことがたくさんある。交通機関を使わずにあえて歩くことで、時間はそれだけかかるが、気付きも多い。「歩く」時間がないと、人生を深く耕せない。

2011-05-02 06:19:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

歩く(6)めったやたらと歩いていると、それだけデスクワークの時間は減る。結果として、無駄なことをしなくなった。文章を書く密度が高まり、ネットで調べものをする時間が筋肉質になった。デスク・ウォーク・バランスがよくなったのである。

2011-05-02 06:20:52
茂木健一郎 @kenichiromogi

歩く(7)歩くことで、物事を考える時間も確保できる。心脳問題についての最も困難な点を、歩きながら考える。おかげでだいぶ物事が進んだ。ネットがないのも良い。純粋に考えるということについて言えば、ネット環境はノイズになるのだ。

2011-05-02 06:22:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

歩く(8)不思議なのは、正月に突然「歩こう」と思い立ったことで、あれは今思えば私の無意識がバランスをとろうとしていたのか。以来、ひたすら歩き続けている。東京から渋谷へのルートなど、いくつかお気に入りの道筋もできた。TBSのあたりをどう抜けるかが工夫のしどころ。

2011-05-02 06:24:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

歩く(9)歩くことをみなさんに強くお薦めする次第です。普段から歩いていると、走る体力も維持されるようで、突然走った佐賀マラソンもツイートしながら完走できた。何よりも、小さなことに対する喜びと感謝の気持ちが芽生えます。書く文章、つぶやく言葉も変化することでしょう。

2011-05-02 06:26:03
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「歩く」ことについての連続ツイートでした。

2011-05-02 06:26:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

ギャ(1)武居俊樹さんの『赤塚不二夫のことを書いたのだ!!」は、映画の原作になっているとは知らないで読んだ。敬愛する赤塚不二夫さんの「ギャグ魂」に触れて、なんというか、勇気をもらったように思う。

2011-05-03 08:04:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

ギャ(2)日本が元気だった頃の笑いの質は今とは異なっていて、「ナンセンス」が満載されて爆発していたと記憶する。赤塚不二夫さんの『天才バカボン』や『レッツラゴン』のような傑作ギャグ漫画には、文脈を壊して生命をふくらませる技法が満載されている。

2011-05-03 08:06:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

ギャ(3)武居俊樹さんの本には、赤塚不二夫さんと、長谷邦夫さんらブレーンが、いかに必死に、そして真剣に漫画の生命線である「ネーム」の元となる「アイデア」を練っていたかが描かれていて、感動的だ。ギャグには、それだけのエネルギーを込めなければならない。

2011-05-03 08:08:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

ギャ(4)『天才バカボン』には、政府転覆を画策する回があって、まずは机や自転車など、いろいろなものを逆さまにして転覆の準備をする。アジトの看板も逆に掲げて転覆。しかし、ダルマを転覆しようとして、何回やっても元に戻ってしまい、パパはあきれて辞めてしまう。

2011-05-03 08:10:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

ギャ(5)『天才バカボン』の、フェミニストの女性が登場する回。「ナンセンス!」と連発する彼女に、バカボンのパパは「草津オンセンス!」などと逆襲。彼女もばからしくなってゲラゲラ笑い出してしまうのだ。

2011-05-03 08:11:16
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