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ブックストア ウディ本舗 @woody_honpo
#来る』を観る。終映後、周りの高校生の「訳わかんないよ」「ホラーじゃなくね?」「長くね?」という囁きを聞きながら、私にとってのオールタイムベスト『エクソシスト2』を観た時と同じような興奮(と周りとのズレ)を感じていた。中島哲也監督と余り相性が良くない私には『下妻物語』以来の傑作。
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多くの人が指摘していると思うが『#来る』は役者陣が充実している。日常の中の壊れを演じる妻夫木聡と黒木華。非日常の清涼を見せる小松菜奈と柴田理恵。日常と非日常を結ぶ岡田准一。皆、素晴らしい。特に、松たか子が演じる霊媒師・琴子を造形しただけでも、この映画は日本のホラー史に残るだろう。 pic.twitter.com/x5rtOt4aru
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#来る』を観てすぐに原作『ぼぎわんが、来る』を読んだが、原作にあるブラック・ホームドラマの要素を中島哲也は大幅に増幅させ、悪意のスパイスを強く効かせていて、それがこの作品を傑作に押し上げている。黒木華が出ているからというだけではなく『リップヴァンウィンクルの花嫁』の影を感じた。
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中島哲也の演出はテンション、テンポ、映像効果の全てが過剰である。その緩急の緩がないスタイルは、一見ホラー映画と相性が悪そうなのだが、驚いたことに、むしろ『#来る』は、ホラー演出の新しい可能性を拓いたのではないかと感じた。ただ、それは直接的な意味での「怖さ」とは少し違うのだけれど。
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#来る』のクライマックスは原作から大幅に変更している。原作で対決する霊媒師は琴子だけで、もっと地味だ。しかし、これこそが「演出」ではないかと思う。文章でイメージさせる小説と違い、直接的に見せるしかない映画では、どうしてもバカバカしくなってしまう「除霊シーン」を見事に盛り上げた。
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私は今まで、ホラー映画でCGを使うことは怖さを減退させると考え、否定的だった。しかし『#来る』のクライマックスにおける霊能合戦描写の素晴らしさは、CG抜きではあり得ない。映画で初めて、視覚的に納得のできる、具体的な霊能描写を見たよ。いわゆる「怖さ」とは別の迫力だけれど。
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#来る』のクライマックスが原作に比べてケタ違いに大掛かりになっているのは、映画全体のバランスを考えれば、あれで良いと思う。中島哲也は前半の平和な日常の裏にある魔の描写を大幅に増幅させている。あれでクライマックスが原作通りだったら、重みを増した前半を受け止めカタルシスに導けない。
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原作「ぼぎわんが、来る」では、怪異のリアリティを高めるために日常の裏に潜む魔を描いているが、映画「来る」は日常の裏に潜む魔がメインで怪異はその象徴として現れる。アプローチが逆なのだ。だから中島哲也は怪異を間接描写に留めたのだろう。化け物を直接描くと、それが主役になってしまうから。
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ホラー映画にストレートな怖さのみを求める人は『#来る』を物足りなく(又は何か違うと)感じるのかもしれない。しかし私は、ホラーの歴史は、必ずしも直接的な恐怖の喚起を主目的としない方向に進化して来たのだと思っている。だからJホラーは先祖返り現象であり、そこにプラスもマイナスもあったと。
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映画におけるホラーの先祖返り現象がJホラー・ブームなら、小説におけるそれは怪談実話・ブームだろう。怪談実話って、最も原初的なホラー小説の形ではないか。
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考えて見れば、ストレートな悪魔憑き譚である『エクソシスト』もホラーの先祖返りだったのかもしれない。ホラーというジャンルは、時おり、シンプルな恐怖譚へと先祖返りし、それにより大衆的なブームが起こり、細分化と複雑化を経た後に再び先祖返りする、というサイクルを繰り返すのかも知れない。
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私は、『#来る』は、先祖返り的なJホラーから新たな一歩を踏み出した作品だと感じた。Jホラーの要素を咀嚼した上で、今までにないホラーの可能性を見せてくれたと思う。
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都筑道夫の『#来る』の感想を聞いてみたいと思う。いくつかの留保をつけながら(評価の厳しい人だったので)、高く評価したのではないかと思う。『エクソシスト2』を絶賛しながら、『エクソシスト』の1作目は「判りやすいだけが取り柄の、怪奇映画としては初歩の作品」と評価しなかった都筑道夫なら。
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都筑道夫はストレートな恐怖描写で見せる『エクソシスト』を好まず、ストーリーテイルを重視した『オーメン』を評価していた。(『サスペリア』も認めなかった) 『オーメン』では、教会に逃げ込もうとした神父(牧師だっけ?)が死ぬ、どちらかと言えば地味なシーンの、段取りの巧さを絶賛していた。
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都筑道夫が古典ホラー信奉者かというと、そんな事は全くなかった。例えば『遊星からの物体X』については、ハワード・ホークス制作のオリジナルよりもジョン・カーペンター版を評価していた。「見世物映画」は嫌いではなく、むしろ好きだったが、語り口の巧さや細部の工夫がない作品には厳しかった。
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当時は、石上三登志や森卓也などベテランの批評家は、ジョン・カーペンター版『遊星からの物体X』をハワード・ホークス版と比較して認めなかったんですよね。都筑道夫は作家なので、余り「批評の時流」とは関係なく、「怪奇小説作家・翻訳家」としての視点で、独自の評価をしていた。
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私がJホラー・ブームにどこか物足りなさを覚えていたのは「都筑道夫的なもの」が少し欠落していたと感じていたことですね。実際、都筑道夫再評価も起きなかったし。
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#来る』を褒める時に『シン・ゴジラ』を引き合いに出す人がいるらしいのは、良く分からない。何の関係もないと思うが。『シン・ゴジラ』は好きな映画ではないので、余り嬉しくはないな。ま、いいけど。
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#来る』に興奮したので、澤村伊智の原作『ぼぎわんが、来る』に続いて『ずうのめ人形』も読んでしまう。小説としては、こちらにより感心した。表面的な価値観の転倒が、このホラー作家の本質的なテーマであると分かる。と同時に、澤村伊智が優れた新本格ミステリの書き手であることも証明している。
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『ずうのめ人形』に某映画批評家(及びそれが象徴するムーブメント)を揶揄するような人物が登場するが、彼は単に“嫌いな奴を出してみた”程度のサブキャラではなく、この作品のメインテーマである「表層的な価値観の転倒」と深く結びついているのではないか?作者の呪怨なみの怨念を感じる。😅
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私が『ずうのめ人形』を読んで最初に連想したのは、その批評家が『ボヘミアン・ラプソディ』で適当な批評をして、昔からのクイーン・ファンに「昔は馬鹿にしていたくせに、急に“俺たちクイーン世代は”みたいな態度を取りやがって!」とブチ切れられていた光景だ。正に「ずうのめ人形は生きている!」😱
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クイーン・ファンも、怨念を抱えているからのぉ…😔

コメント

箱のなかの海 @kawa_machi 2018年12月23日
サムネイルが”米る”と読めて、農家ほのぼの困った(米った)話かと思ったら違った
カミ @kami2805 2018年12月23日
シンゴジラは怪獣映画の皮を被った政治映画で、来る!はホラーの皮を被ったサイコ映画という印象。
鹿 @a_hind 2018年12月23日
シンゴジラ引き合いに出す人はその原作と改変したラストの方の下りを指してると思われるが両作品上っ面でしか観てない人の意見なんだろうなと思料。 映画的には最後の方の演出はありなんだけど話の主題はそこじゃないもの。
ホワイトヘアーデビル @whdanzi 2018年12月23日
劇中の妻夫木くんの結婚式とかホームパーティとかのノリが一番ホラーやぞ。 あと岡田准一をワンパンKOする松たか子は必見。
ペッコ科 @QuruPecco 2018年12月23日
ここ最近のホラー映画で、最高なのは残穢だと思ってる私はレンタルまで待った方がよさそうな予感。
3HA @XxHhha 2018年12月23日
この映画、劇場での予告変わったよね?最初ビックリ系ホラーみたいな予告で、劇場で見ててめちゃくちゃビックリしたから、ビックリ系ホラー映画なのかと思ってた
ENDO Yasuyuki @eyasuyuki 2018年12月23日
#来る は前半の妖怪より怖い人間のおぞましさ、後半の除霊バトルも良かったのにラストが決定的にダメ。貞子vs伽椰子みたく子供だろうが容赦なく皆殺しにしないと。
フローライト@今日どこさん行くと? @FluoRiteTW 2018年12月30日
冒頭のタバコ吸ってるシーンで一瞬にして評価が一段下がるから、やっぱ女性のヤニカスは理屈度外視で悪印象強い。ましてあのキャラでだと、ねえ
フローライト@今日どこさん行くと? @FluoRiteTW 2018年12月30日
whdanzi 法事、結婚式、ホームパーティー、どれもリアルホラー。ウチはああじゃなくてよかった、と心の底から思ったシーン。
フローライト@今日どこさん行くと? @FluoRiteTW 2018年12月30日
俺たちの知ってるゴリラ岡田准一ならパルクールで脱出してのけるし、怪異だろうと物理で絞め落としてくれるはずなんだ
ティルティンティノントゥン @tiltintninontun 2019年1月2日
決戦シーンの盛り上がりに対して岡田准一が刺されるシーンに流血が少なすぎるのは拙いと思う。その前が、柴田理恵が妻夫木を刺して「血が出てないだろ?あんた死んだんだよ」だったから、刺されても岡田准一から血が流れないことが、松たか子がぼぎわんが化けていたのかと思ってしまった。さらにネットで感想見たら「結局トドメさせたの?松たか子どうなったの?」という声多数だが、岡田准一刺されたのに痛がらずコンビニで買い物してるのはおかしい。
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