幻想再帰のアリュージョニスト二次創作「コルセスカさん変形する」のまとめ【少しずつ更新中】

幻想再帰のアリュージョニスト二次創作「コルセスカさん変形する」のまとめ(仮)です。 1/3 更新 今のペースだと、完結までにあと二年かかりそうですが、まあ気長にやっていきます。 今の章(幕)だけなら、春までには終わらせられそうですし。 続きを読む
ぼくのかんがえた冬の魔女アストラル合同 冬の魔女ア合同 ネタ
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白灰@出来ることを少しずつ @hakuhai
『幻想再帰のアリュージョニスト』二次創作SS [コルセスカさん変形する] このSSは『幻想再帰のアリュージョニスト』の作者である最近さんとは、無関係です また、実在の人物・団体・その他商業作品とも無関係であり、文責は全て白灰に帰属します なお四章後半のネタバレも含まれるので、ご注意下さい
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深い闇の中。 ただ一本のロウソクの火が、洞窟の岩壁を照らし出していた。 暗く、寒く、他に特筆すべきものも何もない。 そこは、まるで牢獄のようであった。
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だが、そこは決して牢獄などではなかったのだ。 そこはかつて、数多の闘士たちが栄光を求めてしのぎを削りあった闘技場であり、華やかな美姫たちが舞う舞台でもあった。
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そしてそこは、日の下に出ることが出来ない者たちが、共にローカルな階級社会(ヒエラルキー)の頂点を目指すことによって、互いに切磋琢磨し、絆を深め合う裏の共同体(コミュニティ)でもあったのだ。 そう、ここはアイドル迷宮。 陰謀渦巻く第五階層に出来た、新たなる観光名所である。
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「うう…うう…」 そんな迷宮の奥地で、うごめく影があった。 彼女の名は、ラリスキャニア。 色々と込み入った事情によって、アイドル迷宮から出られなくなった地下アイドルの一人である。
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「どうすれば…どうすれば良い…」 彼女は、追い詰められていた。 転生によって記憶を喪失したとは言え、彼女は立派な指名手配犯である。 現在のところ、追手はかかっていないが、その名前と姿は文字通り全世界に(地獄にまで!)放送されている。 実質的に彼女には、この迷宮以外に居場所は無かった。
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あるいは、異世界であれば”転生したことで犯罪歴がロンダリングされる”などという夢のような仕組みがあるのかもしれないが、ここは幻想の世界ゼオーティアである 転生者および自称転生者は溢れかえっており、それを利用して高い地位に就いたり、今の人生での人間関係や生き方を決めるものも少なくない
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そんな世界において”過去に重犯罪を犯した”というラリスキャニアの経歴は、ひたすらに不利であった。 人びとの記憶という”生き証人”に罪悪が保証されている以上、履歴書の空白よりタチが悪いと言える。
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しかも、彼女の"不運"はそれだけではなかったのだ。 転生したラリスキャニアは、地下アイドルとしてこの迷宮で活躍し、その勢力は上位に食い込むほどであった。
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その勢いは、あのアキラ姫こと【シナモリアキラ】に宿敵とみなされるほどであり、もう少しでアキラ姫を倒し、迷宮の頂点に君臨するのは間違いない…とラリスキャニア本人はそう思っていた。
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だが、それは今となっては”そんな時代もありました”で片付けられてしまうような、地底に消えた淡い夢でしかなかった。 地下アイドル迷宮は、唐突に巨大な変動に襲われたのだ。 逆襲に次ぐ逆襲、突如として現れた新星アイドルによる無双、姉妹の対立と団結するアイドルグループ、ついでに怪獣襲撃。
白灰@出来ることを少しずつ @hakuhai
圧倒的なまでに派手な急展開、豪華絢爛な役者たちが繰り広げた、めくるめく神話劇。 そうした派手な展開の中では、ラリスキャニアとアキラ姫との宿敵関係など、いつの間にか忘れ去られてしまって仕方ない些事に過ぎなかったのだ。
白灰@出来ることを少しずつ @hakuhai
栄光に手が届くかと思われた日々も、今は昔。 綺羅、星のごとく次々と現れた有力アイドルたちの人気に追いやられたラリスキャニアは、いまや、ランキング下位に甘んじていた。 上位との実力差は大きく、知名度と人気の差は更に大きい。
白灰@出来ることを少しずつ @hakuhai
歴史的な大活劇に加わったか否か。 そこには、ただ一つの事件を境として、歴然とした格差が存在していた。 こうなってしまっては、ラリスキャニアに逆襲の目はもはや存在しない。 アイドル迷宮に関わる多くの者がそう思っていたし、彼女のファンでさえそう思いかけていた。
白灰@出来ることを少しずつ @hakuhai
だが、そんな中、ただ一人逆襲を諦めない者が存在したのだ。 言うまでもなく、ラリスキャニア当人である。 激しい嫉妬と憤怒から、マイルームに敷き詰めた丸太の上をごろごろしていた彼女は、苦いレバーを舐めながら逆襲の手立てを考え出そうとしていた。
白灰@出来ることを少しずつ @hakuhai
「うー、うー…」 ただの唸り声に聞こえるこの叫びも、あえて己を苦境に追い込むことで逆境の活力を得ようという、特訓の一つのあらわれである。 だが、ここまで追い詰められたラリスキャニアに、一体どんな逆襲の余地が残されているというのだろうか?
白灰@出来ることを少しずつ @hakuhai
それは技術か? ――――否。 ラリスキャニアは、確かにこの群雄割拠するアイドル迷宮でも、比較的芸達者な方である。 歌やダンスからトークやスタイリング、セルフプロデュース能力に至るまで、アイドル活動に関して彼女の苦手とするものは無い。
白灰@出来ることを少しずつ @hakuhai
総合的な能力の平均値で言えば、あるいは迷宮一位を狙えるかもしれない。 そして、その能力と技術は、常にあらゆる者、あらゆる芸を参照し、磨き上げ続けている。 けれど、それではダメだ。まだ足りないのだ。
白灰@出来ることを少しずつ @hakuhai
先日も、ラリスキャニアは、異世界である【猫の国】から”カブキスタイル”と”タカラヅカスタイル”という異性装文化を、自分のショウに取り入れて戦った。
白灰@出来ることを少しずつ @hakuhai
それは、異性装や異世界参照を得意とする上位アイドルたちの模倣でありながら、より深い参照と独自のアレンジにより、彼女たちを上回らんとする試みであった。 その試みは功を奏した…途中までは。
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ラリスキャニアは、得意の疑似餌化触手分身と二つのスタイルを併用。 さらに、多数の触手で分身たちをデコレーションすることによって、異性装の美男美女が触手と戯れる闇の森を作り出した。 そこは、鬱蒼と茂る北方の暗き森のようでありながら、同時に、南国の密林のごとき陰の生命力に溢れていた。
白灰@出来ることを少しずつ @hakuhai
男性分身たちは、女性のように細くしなやかな体つきで華麗なキモノドレスを着こなし、そのふるまいは、動揺し逃げ惑う姿さえ、女性以上に女性らしかった。 対して、女性分身たちは”男性”たちより明らかに小柄でありながら、その動作や軍服の着こなし方は、やはり、男性以上の男性性を感じさせた。
白灰@出来ることを少しずつ @hakuhai
さらに、彼ら彼女らに絡みつく触手の群れは、植物の静謐な存在感を持ちながらも、野獣のような活力と獰猛さに満ち溢れ、絡んだ男女の異なる魅力をより高め、より引き出していたのだ。 ふんだんに振りまかれた異界ミームと異性装の二段重ねが演出する、二種二重の”聖なる結婚”
白灰@出来ることを少しずつ @hakuhai
それは同時に森と男女、植物と人間のコラボレーションであり、異質な存在同士をその異質さを活かしながら調和させた”生きた彫像群”でもあった。 これこそ、あちらこちらから材料を拝借してきたラリスキャニアの技術(アート)の結晶であり、彼女が至った一つの頂であった。
白灰@出来ることを少しずつ @hakuhai
そしてその頂は、確かに一瞬だけでも、あの女装王子をひるませることが出来たのだ。 いかに多芸、いかに芸達者であろうとも、王子はしょせん一人のパフォーマーに過ぎない。
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コメント

白灰@省エネ稼働中 @hakuhai 2019年12月11日
少し筆が滑っていたので、自主修正しました 「言葉狩り」と呼ばれるような単語単位の規制には基本的に反対です しかし今回は、私が責任を負える範囲外まで被害が及びそうだったためこのような選択を採りました あと純粋に、修正前は先に続けづらいレベルで雑だったということもありますが。
白灰@省エネ稼働中 @hakuhai 2020年1月3日
1/3まとめを更新しました。 次回更新は、1/10(金)の予定です。
白灰@省エネ稼働中 @hakuhai 8日前
すみません、体調不良のため、更新を1/20(月)まで延期します。
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