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マリアさんがケーキを作った
S.O.N.G.会議室内にて 響「あれ? なんだろうこれ、ケーキが置いてあるよ?」 翼「ご丁寧にティーポットまで置いてあるじゃないか、しかもまだ温かい」 クリス「いや温かいっていうかこれ熱いっすよ淹れたてっすよ」 響「食べていいかな?」 クリス「絶対誰かが食べようとしてる最中だろやめろって」
2018-12-17 03:55:29翼「そうだぞ立花、拾い食いは良くない」 クリス「そうじゃない」 響「えーでも勿体無いよ…冷めちゃう…早く食べないとケーキの鮮度も落ちちゃう」 クリス「お前が食いたいだけだろやめろ」 マリア「あら、どうしたのあなた達、私のケーキを囲んで」
2018-12-17 03:58:11響「これマリアさんのだったんですか、そうかぁ」←目線はケーキ クリス「話すときは人の目を見て話そうな」 翼「随分可愛らしいケーキじゃないか。流石マリアはこういうものに目敏いな。どこで買ってきたんだ?」 マリア「え? これ私が作ったんだけど」 翼「な!? そそそんな見栄を張るなマリア」
2018-12-17 04:03:16マリア「見栄も何も淑女の嗜みよ? 何故かここは機材も揃ってるし、練習がてら作ってみたの。まあレシピをなぞっただけだから一人で試食しようかなと」 翼「」←言葉を失っている 響「はいはい! 私、私がいます! 私が判定員になります!!」←やっとマリアを見た クリス「おーよくできた偉いぞ」
2018-12-17 04:06:49響「もぐもぐ」 翼「マ、マリア…お前はいつの間に料理を覚えたんだ」 マリア「本屋さんでレシピ本とか立ち読みするくらいよ? 今回はたまさか時間があっただけで、普段はそんなにしないわ」 クリス「どれどれ…お、こりゃ美味い」 翼「なんだと! うう美味いと言ったか雪音」 クリス「顔が近い」
2018-12-17 04:11:31響「おいしーですね!!!!」 マリア「それは良かった。残りも食べちゃって良いわよ。全部食べるつもりじゃなかったし」 翼「そんな…マリアがそんな女子力の高い…そんな…雪音は私を置いていったりはしないよな!?」 クリス「あたしは片付けられる女だ」 翼「かわいくないぞ雪音!!!」
2018-12-17 04:17:05できる女の道
「戦いだけが全てじゃないわ」 「勿論私は、戦わなくてはならない側の人間だけど」 「責務から逃げずに、それでも日常も楽しみたいの」 「あなたと過ごす時間も、もっと鮮やかなものにしたいと思っているのよ?」 などと言いつつ防人に女の顔をさせて欲しい
2018-12-17 14:00:26「剣を使うなら包丁くらい使いこなして見せなさい」 と言われてぐうの音も出ない翼さん。 後日大根を空中に放り投げて一瞬でかつら剥きを完成させる技術を身に着け「そういうところよ」って言われて「なんでよ!」となる翼さん。
2018-12-17 14:04:12マリア「…ッ!…ッ!」←緒川さんとスパー マリア「セイッ!」←シミュレータでノイズを斬り刻んでいる マリア「はあああ!!」←なんかすごいビーム! マリア「ほんとあの剣かわいくないのよぉ!」←夜の公園で🍺 クリス「…早く帰ろう」←良くないものを見てしまった顔
2018-12-17 14:23:35クリス「なんであいつはこう、アレなんだろうな…」 調「マリアはいつもかっこいいよ」←カップ麺作ってる 切歌「デース!」←デース! クリス「アレか、世帯染みてんのかあいつは」
2018-12-17 14:27:58かつて全ては義務だった。誰よりも成果を上げねばならない。集められた孤児の中で最も優れた人間になる。それが母ーーマムのもとに生まれた私の義務であり、必要とされたことは全て覚えて完璧にこなすことが、私に求められること。フィーネの器に相応しいモノになることが全てだった。
2018-12-17 14:33:56響「おかわりお願いします!」 マリア「はいはい」 未来「ぐぬぬぬぬぬ」←響の胃袋争奪戦開幕を予感してる クリス「段々凝った物作るようになってきたな」 切歌「おいしいのデース!」←デース! 調「料理、好きになったの?」 マリア「どうせやるなら思い切りやった方が楽しいでしょう?」
2018-12-17 14:43:44たまにはへこむ日もある
クリスが家に帰る途中に公園がある。昼は子どもたちが多いが夜はあんまり人がいない。明かりはしっかりしてるからあんまり危ない場所ではなく、学生やらがベンチに座って飲んだりしている。不思議と馬鹿騒ぎに興じる連中はあんまり出なかった。
2018-12-19 02:13:53ブランコがある。たまにサラリーマンと思しき人が思い思いにぶらーんぶらーんとしている。極稀に大変な青い顔でぶらーんとしている人もいる。 色々あるなー、とクリスは思っていた。 しかしその中にこれまた極稀に、知り合いがいる。 マリアだった。 マリアが夜の公園のブランコで飲んだくれていた。
2018-12-19 02:17:16クリス「うわぁ…」 マリアも大変な顔をしている。真っ赤だし、焦点も合ってなさそうだ。手には🍺が握られ空き缶は丁寧にまとめられていた。 クリス「マメかよ」 しかし空き缶の量が凄い。いやいや、仮にも貴女アイドルでしょ? アイドル大統領でしょ? マリア「何よ…何よ…何よー!!」
2018-12-19 02:21:33マリアが一人で叫んでいる。 なんて姿だ。 こういう場面は想像に難くは無かったが実際に見るとひどい絵面だ。 こうなっては最早迂闊に声も掛けられまい。 しかしこのまま放っておいて何かあっても困る。目も当てられない。何より余りにも哀れだ。哀れすぎる。 クリス「取り敢えず、様子を見るか…」
2018-12-19 02:25:55クリス「…」←マリアの近くの草むらに隠れる マリア「何よ、皆して私の事バカにして。いーじゃない、私だってたまには間違うのよ、人間だものー!」 クリス「まあ…たまにこう、変に抜けてる所はあるよな…」 マリア「はぁ…もっとキリッとしたい…」 クリス「…」
2018-12-19 02:32:59マリア「お料理だって覚えたし…だって私達はレディだもの。ちょっとずつ…今までだってそう…積み上げているはずだもの…そうじゃなきゃ…」 マリアがぐいっと缶を煽る。 本当に何杯目だ? マリアの明日の予定はオフであることは聞いていたが、流石に物事には限度というものがある。
2018-12-19 02:38:18喋らせてやりたい気持ちはあった。切歌や調の世話がある。背負う罰と責任がある。だから今日くらいは? 「おい、何してんだこんな所で」 だがそれ以上に、立ち聞きはフェアではない。 「え…クリス…?」 「飲んだくれかよ、ったく、ちゃんと帰れんのかよ?」 「それはーそのー…うーん」
2018-12-19 02:48:25「ほら、家まで連れてくっから」 「えーちょっと待ちなさいよー」 マリアがおっとりとした仕草で空き缶をビニール袋の中に放り込んでいく。仕方なくクリスも付き合った。カラカラと空き缶同士がぶつかる音がする。 マリアの耳は、少しだけさっきよりも赤くなっていたような気がした。
2018-12-19 02:58:33