管楽器演奏を念頭に置いた口を開ける筋肉のまとめ

サックスを演奏するときに初学者が陥りがちなマウスピース&リードの噛みすぎ。どういう筋肉が口の開閉に関与しているか知ることは、サックスのみならず管楽器奏者のアンブシュアの意識的な制御に役立つと思います。
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Jiro SATO @wnlnp

職業柄、口を開ける筋肉について時々聞かれるのだが、専門ではないのですぐ忘れる。備忘のため連ツイしておく。 下顎を動かす筋を調べると真っ先に出てくるのが咀嚼筋で、側頭筋、咬筋、内側翼突筋、外側翼突筋の4つ。でも外側翼突筋以外は口を閉じる筋肉。 #口を開ける筋肉  @BasilKritzer

2018-08-19 21:37:35
Jiro SATO @wnlnp

口を開ける筋肉は主に外側翼突筋(下頭)、顎二腹筋、オトガイ舌骨筋、顎舌骨筋。その他、茎突舌骨筋や舌骨下筋群。外側翼突筋以外はaccessory muscles of mastication(咀嚼補助筋)に分類される。開口する筋肉は閉口する筋肉より、かなり力が弱い。ま、モノを噛む必要を考えれば当然。(訂正済)

2018-08-19 22:34:20
Jiro SATO @wnlnp

顎関節(TMJ)の動きはslide & swing 。顎を開けるときにはまず下顎頭が関節円板上を前に滑る(slide)のだが、顎関節症ではこれがうまくいかない。ついで回転(swing)の動作が主にとなる。口を閉じるときにもまずslideしてswingするらしい(これには異論があるようです)

2018-08-19 21:37:36
Jiro SATO @wnlnp

開口において、slide(下顎前突)を担当するのは外側翼突筋。swingは顎二腹筋が主。閉口時に主要な作用をするのは側頭筋。

2018-08-19 21:37:36
Jiro SATO @wnlnp

Koolstraら(1997)の舌骨が頭蓋骨に対して動かないことを仮定したシミュレーションによると、開口筋をフルに使っても3.3cmしか口が開かない。開口筋の力と閉口筋のpassive force (引き延ばされた筋肉が元に戻る力)が拮抗するためであり、それ以上開口するには舌骨を下に下げる必要があるらしい。

2018-08-19 21:37:36
Jiro SATO @wnlnp

実際に口をあけるときに舌骨が頭蓋骨に固定されているのかどうかまでは知らないが、小さく口をあけるときはそんなに動かない気がする(単なる推測)

2018-08-19 21:37:36
Jiro SATO @wnlnp

豆知識補足。下顎の重さは下顎骨と付属する軟部組織を合わせて440g。重心は下顎第三大臼歯の1cm下(咬合面から?)。

2018-08-19 21:37:37
Jiro SATO @wnlnp

舌骨下筋は胸骨甲状筋、甲状舌骨筋、胸骨舌骨筋、肩甲舌骨筋4つ(らしい)。個人的には器楽演奏においてはこれらの筋肉を収縮させるのはあまり得策ではない気がしているが、どうなんだろう。。

2018-08-19 21:55:39
Jiro SATO @wnlnp

ホルン奏者の演奏中の口の中をMRIで撮影した画像を見たけど、舌が生き物のように動いていた。舌骨は舌の動きと密接に関係しているため、舌骨の動きの自由度は大事なのではなかろうか。

2018-08-19 21:55:39
Jiro SATO @wnlnp

口を開ける作用のある動作を一つ忘れてた。首の伸展(後屈)。海老反りになると口が開く。当たり前のようだけど以外に大事かも。

2018-08-19 22:27:36
Jiro SATO @wnlnp

も一つ、口を閉める作用のある筋。口輪筋。あまり文献などには書いてないようだけど口を閉じて(またはものをくわえて)口をすぼめると口を閉じる力が感じられると思う。木管楽器の奏法上おそらくとても大事。金管は知らない。

2018-08-19 22:27:37
Jiro SATO @wnlnp

サックスのアンブシュアにおいては下顎を前方に突き出す動きも大事であり外側翼突筋の働きも見逃せない。クラもそうでしょうか?

2018-08-19 22:27:37
Jiro SATO @wnlnp

只の仮説なんだけど、管楽器を吹くときには側頭筋とか咬筋とかの強力な咀嚼筋や舌骨下筋群が頑張りすぎるとよくなさそう twitter.com/wnlnp/status/1…

2019-01-05 12:30:37
Jiro SATO @wnlnp

「管楽器演奏を念頭に置いた口を開ける筋肉のまとめ」をトゥギャりました。 togetter.com/li/1305555

2019-01-05 09:54:36