科学、大学の仕組みをどうすればよいのか、考えてみた

日本の科学や大学が、危機的状況にあると言われています。できるだけゼロベースで、科学とは何か、どうすればよいのか、つぶやきながら考えてみました。そのツイートの自己まとめです。
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Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

元日ですし自分なりに「科学」について少し整理してみたい。科学の活動のざっくりとしたイメージは、「データ取得-仮説考案-データ取得による仮説検証-新仮説考案-データ取得….」という活動のサイクルを通じて構築される知識の体系、というなところでしょうか(違っていたら教えてください)。

2019-01-01 10:42:59
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

この活動のサイクルの中で、どういうものの価値が高いか。価値の高い仮説というのは、再現性、予測可能性、普遍性・汎用性が高いものですかね。価値の高いデータというのは、価値の高い仮説を生みやすく仮説検証の上で有用性の高いデータ、ということになるでしょうか。

2019-01-01 10:50:20
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

では、価値の高い科学の活動とは何かを考えてみると、価値の高い仮説を新しく産んだりそれを証明したり反証したりすること、価値の高いデータを取得・提示すること、ということになるでしょうか。

2019-01-01 11:05:16
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

普遍性・汎用性が高い、ということに実用性も含めて考えられるのではと思いますが、「普遍性・汎用性・応用性が高い」という具合に言ってもよいかもしれないですね。 twitter.com/flowor_land/st…

2019-01-01 11:10:29
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

(実は言いたいのはこれですが😅 )有用なデータを基に、再現性、予測可能性、普遍性・汎用性・応用性が高い仮説を構築して知識の確実な体系をつくることが科学の目標であるとしますと、今現在の世界の科学の評価システムは過去の遺物といってよいダメダメな仕組みですよね!!!

2019-01-01 11:17:42
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

といいますのは、高IF誌を中心とした科学雑誌の査読では、「新奇性」、「概念的進歩」、「メカニスティックなインサイト」などが極端に重視されている一方、再現性については査読では「全く」評価しないし、その仮説を検証した研究などは極めて低い評価しかされず、高IF誌にはほぼ出ない。

2019-01-01 11:26:50
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

科学では、確実なデータが本質なはずですが、生データを公表することが義務づけられている雑誌って極めて少ないですよね(最近増えてきましたが)。生データが公表されないなどというのは、(紙媒体の時代は仕方がない側面もありましたが)ナンセンスとしかいいようがない。

2019-01-01 11:30:09
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

No Data, No Science. 生データの提示のない科学など、宗教と同じでしょう。データなど、いくらでもでっちあげることができてしまうわけで。発表済みの研究リソース(抗体とかマウスとか)を配布しない研究者もいるわけですが、とてもおかしいことですね。

2019-01-01 11:33:15
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

再現性や生データの著しい軽視がなされているのが、今の科学の仕組みといえるのではないかと。結果、何が起きているかというと、(少なくとも生命科学分野では)再現性の弱い仮説・データで世の中溢れかえってしまっている、と。

2019-01-01 12:29:03
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

自分の分野でも高IF誌の結果にもとづいてやっても全然再現性とれないことが多く、ものすごい労力・時間がムダに費やされてしまってるんですよ。もう、せやろがいおじさんのように、広い、海でさけびたい感じ😂

2019-01-01 12:31:18
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

で、これ、「科学雑誌の仕組みにすぎないのでは」とおっしゃる方もいるかもしれないのですが、それは違うんですよ。(少なくとも日本では)研究費審査も、何とか賞も、人事もすべて、一次評価としての(たいてい)科学雑誌掲載を基にした二次評価なんですね。だから科学の仕組み全体の話なんですね。

2019-01-01 12:56:16
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

「研究費審査も、何とか賞も、人事もすべて、一次評価としての(たいてい)科学雑誌掲載を基にした二次評価」というのもひどい話で、じゃあそれを使ってAIにでもやってもらったほうがベターということになってしまう。ただ例外もあってノーベル賞は本当の一次評価を目指してますね。なので価値が高い。

2019-01-01 12:59:52
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

まあ、ともかく、ひどいダメダメなシステムだと思います。 アカデミアで「実績(高IF誌への論文をたくさん出す)」を残せず、「負け組み」になった方々が、怨念のようなものをお持ちになって、ネットで批判をされるじゃないですか。

2019-01-01 13:06:19
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

これ、その方々が「フェアな勝負で負けたから」ではないんですよ。であれば、もっと爽やかですよ、たぶん。真摯・実直・堅実な科学をしている彼らが負ける一方で、フェアでないダメダメなシステムにうまく取り入り再現性も大してない怪しい仮説・データで勝つ人がいたりするからではないんですかね。

2019-01-01 13:11:33
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

では、どうすれば良いか、というと、なかなか難しいですが、基本は、科学の原点に帰ってゼロベースで仕組みを考え直してみることではないですかね。 価値の高い仮説、価値の高いデータが、生まれやすく、かつきちんと評価される仕組みを、現代のIT環境の下で考える、ということですね。

2019-01-01 13:19:22
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

当然、既に世界ではこの流れで提案がなされていて、オープンサイエンス、オープンデータ流れとか、DORA sfdora.org とかが、それに相当してまね。日本では、この流れに取り残されていて、なかなか広まらないですね。

2019-01-01 13:23:26
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

流行に乗れてなくて恥ずかしい、流行に追いつけ、などと、つまらないことを申しているんではありません。まともに研究をやっている人が、ゼロベースで普通にちょっと考えてみたら、普通、同じコンセプトにたどり着くでしょう、ということが日本ではあまりできてないんですね。

2019-01-01 13:26:52
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

本来、日本は、この科学の「レガシー」システムの中でおそろしく不利な状況に立たされてきたと思われます。仕組み自体が不平等条約のようなもので、多くの日本人にとってとても効率がわるい。

2019-01-01 13:33:49
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

高IF誌の採否は、多分に小さな村(例えばボストン界隈とか)の社会的関係に依存してますし、日本の研究者の持ち味(堅実で確実なデータを出す;普通のエディターとかには理解しがたいほど独創的だったりする等)が評価されにくい仕組みになっているので。

2019-01-01 13:35:19
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

なので、本来は日本は、他の国々にさきがけて、新しくまともな仕組みを提案・取り入れていくくらいで良いわけなんですね。しかし、そのレガシーシステムで勝ち組になったシニアな人々が仕組みを決めるということや、官僚の方々が科学に詳しくないことなどがあり、後手後手。

2019-01-01 13:40:09
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

どうすればよいか、の続きですが、オープンサイエンス・オープンデータを進めることと、雑誌IFで評価をすることをストップすること、をやめることを目標にするのがよろしいかと。シンプルなこととしては、EUのように、まずはオープンアクセスを完全義務化することが非常に高い効果を持つと思います。

2019-01-01 13:48:48
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

論文やデータは、手法や解釈の健全性のみ査読できちんとチェックしたら、可及的速やかに、オープンアクセスで世に出すべきでしょう。完全な論文など大抵ないし、不完全な部分が言及されていればよいわけで。

2019-01-01 14:51:41
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

これも足せ、あれも足せで、有用な仮説、データを1年も2年も世に出さない、などという活動は、科学の敵といってもよいでしょう。

2019-01-01 14:56:58
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

仮説や再現性を否定するデータを同じジャーナルが出版しないという文化も科学の敵といっていいですよね?違いますかね?

2019-01-01 15:02:32
Tsuyoshi Miyakawa @tsuyomiyakawa

「論文がたくさんありすぎて、その方式だと何を読んでいいかわからない」 という意見が必ず出るんですが、それは出版後にプロの科学記者のような人が発掘して紹介してくれればいいですよね。今でも存在するそういうものが拡大すればよいでしょう。

2019-01-01 15:14:00
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