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「未来」800号記念特集号 未来歌集2018①より 好き短歌まとめ

「未来」は2018年9月号で800号となり、その記念として9月号・10月号にわたって自選10首の未来歌集が収録されました。 まずは9月号に掲載の1780首より、好きなお歌をまとめてみました。 未来短歌会 http://www.miraitankakai.com/
未来短歌会 未来 短歌 結社 書籍
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ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■この鍵はだれかの指の味がする。わたしいつでもひざまずけるよ(蒼井杏) ■おしごとがしねばいいのに玄関の吾子のまなこに潮の満ちくる(青沼蓉) ■千年のち雲のはたてに坐して待つさう言はれたか雲雀よ雲雀(多田草) かたい約束、やわらかい約束、
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■そのうちに動き始めるバスのなかひかりに変わるうすいてのひら /きつと光の裏側はもっとまばゆい或る夏の日にわたしは歌う(加藤治郎)  別れだろうか まぶしさであると同時に 掴めないものになっていく 光の裏、そのひとの 胸の内を想うこと
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■アマポーラ野を灼き尽くす罌粟の花 終わりの日など思わなかった /かたわらにうんとかああとか言いくるる丈でいいのだ 空っぽの椅子(亀岡奎子)  罌粟、炎ですよね 二首目、大貫妙子の同曲をおもう 終わったのだ
ゆきこ @atelier_yi
未来」2018.9 800号記念特集号①: ■すみません ぼくはこれから深海にタートルネックを着ていくところ /あみだなに寝そべりあみのすきまからとろりと落ちてしまう夕ぐれ /すこしだけあいた隙からさすひかり一輪挿しをたおそうとして(川村清之介)  そうだね、深海はさむいからね、
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■明日は他人に売らむといふに淡あはとわが胸に顔をよせてくる牛(川上重明) ■友とわれ あれあの赤いあれよあれチキンパスタがあれで出てくる(向後陽子) 食べるために育てるいのち 牛の鼻に押された胸の声が聞こえる 二首目、われあれあのあかあれあれ!
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■ラズベリージャムの濃度を体内のそれと気づいて今朝は目覚める /断面を何度もじっと見つめると不幸になりぬバームクーヘン(佐藤羽美) 夢の濃度、醒めながら、煮詰まりながら バームクーヘンの年輪に何を見ただろう 出口のなさだろうか 芳醇な行き止まり
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■ふところに月しのばせるひとのゐてすれちがふとき月の匂ひす /喉を切り裂いて翔びたつ鳥がゐるバケツの底にしづむ上履き /あおむけにまぶたとぢればそのうらにみづのながれるおと やはらかく(佐藤薫) 月の匂いを知るひとは 月を忍ばせたことのあるひと
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■瑠璃ちやんは五匹の金魚それぞれに名前をつけて帰りゆきたり(椎名晴子)  夏休みか お孫さんとして読んだ 帰っていった側として幼少、幾度も憶えがある 瑠璃ちゃんのことだけが文字になり 残された側がありありと浮かぶ ばあちゃん、と声にした
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■サンダルをぬげばまだらな日焼け跡 暴力として性別はある(詩穂)  日焼けのまだら まだうすい跡 日焼けのまだらのように、認められる属性ならばよいのに いのちに対して器が少なすぎるのだ
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■鍵をかけるように◯で囲みます問診票の〈いいえ〉ばかりを /前世を問われたならばわたしたち野薔薇の棘で刺し違えてる /ひかりよりあなたの声はすこしだけ遅れて届く鏡の向こう(鈴木美紀子) 設問は詰問に似て とじてゆく 三首目の速度の詠みかた、好き
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■お客様トリケラトプスの持込みはひとり三頭までとなります /この息と犬の息とが溶けてゆく午前零時の濡れた舗装路(田中翠香) 三頭まではいいんだ… 大型草食恐竜 殺生から遠い心情 寄る辺なく 一緒にもそもそ食みたいそんな気持ちだったのだ いとしい
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■朝まだき草の呼吸を嗅ぎながらさび色の猫止まらずにゆく /木は水を巡らせ水は木を巡る傘かたむけてそればかり思ふ /言葉より先にある声 一枚の夕を裂くやう鹿は啼きゐつ(谷とも子) 保護色の体、ずんずんと 二首目、許しかた/許されかた 憧憬か
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①:■終バスは夕陽のむこうの客を乗せ西日のぬくもり運んできたり /境界をひとりで渡るわがままな独りぼっちのこどものように /雪解けがすべてを告げる逆光の急こう配の舗道を下る(玉川裕子) 立方体で少し早くやってくる夕刻 夕刻で終バスなのだ 風景が広がる
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■お雑煮に牡蠣のお出汁の香りして心がやっとただいまと言う /さようなら祖母からもらった和ダンスの跡だけ残る五年目の部屋(知己凛) 一首目の「やっと」がじんわりくる 故郷とは人であると 連れていけるもの/いけないもの 故郷の息吹と暮らすということ
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■紙という紙を騒がせ扇風機貴人 (あてびと) のごと仕事場に立つ(中川佐和子) そうだ、そのひとは他より一段高いところに立ち 方々を混乱させるだけさせていくのだ 好き 好きすぎる一首 声に出すとなおよい よいーーーー
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■CANCANと惑星の鳴る朝音楽は横に流れる横に流れる(中山裕子) CANCAN、犬の鳴き声か、可能の意味からのポジティブな心情か 缶が蹴られて鳴っている光景ととるのが自然か 確かに音楽は横だ 縦に流れる感覚は味わったことがない 楽譜の仕様か、耳の配置か
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■春夜どこへ行ってもどこへ行っても崖、うつくしいメキシコの友だち(西巻真) 春とは崖に近づくことでそこは例外なく孤独であって どこへ行ってもどこへ行っても、のリフレインに酔いを覚えそれが宵、夜、と幾重にも波紋が広がっていく 春酔い よいなあ
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①:■「ショパン忌に誰が死んだの?」「ショパンでしょ」「ショパン以外は?」「誰も死なない」 /五七五二〇七七 未来には未来の歌が詠まれんことを(西村曜) ショパン忌に死ぬ者が抹殺される世界線の恐さ 五七五二〇七七凄い 五句の〇に未来がある そうだね、
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■彼岸への船上で飲む水筒にこの世で溜めたあらゆるなみだ /海鳴りに産まれなかった子どもらの声変わりしたこと知る卯月(藤木麗子) 水筒が凄い 感覚は珍しくないと思うがアイテムが凄い 二首目くるおしいほど好き 気づくのは 夢枕でも理屈でもないのだ
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■角やさし水やうかんを食む夕べそこで死にたき家も持たずに /冷蔵庫の扉を開けて見渡して手に取る時のわれはとうめい /こんにやくに指差し入れて千切るとき大きな怒りのよみがへり来る(藤原かよ) 食欲という欲の透明度、澄んだみずうみの 三首目も好き
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■くもりぞら仔牛のステーキ噛むうちに胸の奥から草生えて来る /どこまでも大丈夫だよさう言ひて草原の果てに的を立てやる(藤原かよ) もうひとつ藤原さん 仔牛の記憶ごと噛むような そのようにつながっていく 二首目、孤独に つよいつよい意思で
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■買っとけばよかった赤いベネチアングラスの恐竜もう砕けたか /ゆっくりと位置決めて刺す心臓のすこうし上に銀のブローチ(フナコシリエ) もう売れたか、でも まだ鎮座するか、でもなく もう砕けたか、なのだ 嗚呼好き。。 二首目、ぎゃーー好きーーー
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①:■旧姓の終はりのやうに海へゆくわたしとわたしがすれ違ふゆめ /星を吐くやうにかなしいわたしから産まれてもいいあなたであつた(真篠未成) 手放したものがあるのだろう 内側の何ひとつ失わないままに こころに肉体があったならわたしとあなたは血筋であった
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■今生のさくらはなびら甲羅干ししてゐる亀の背中にもふる(松原未知子) したい。。したい甲羅干し。。したい。。甲羅干ししたい。。(以下無限ループ) 点と線の出逢う場所 さくら、さくら、
ゆきこ @atelier_yi
「未来」2018.9 800号記念特集号①: ■鶏肉とネギを一口大に切り塩で炒めて校庭に撒く /「あひるの、あ」「いぬの、い」かなの練習をする子は告げる白熊の死を /憧れと諦めで韻を踏んでいるヒップホップのうるせえよばか(御糸さち) 撒くんだ! うるせえよな! とかなった 最高ですね
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