いつでもステーキを食べられる歯でいたい

超高齢化社会の中入れ歯屋社長の徒然ツイート。 若い人は歯を失わないよう若いうちからちゃんとケアを。入れ歯が必要な人は保険対象と対象外の違いを。
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鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

入れ歯屋、株式会社バイテック・グローバル・ジャパン代表。 入れ歯ブランド「コンフォート」、入れ歯専門歯科「ハイライフグループ」、義歯補綴教育「デンチャーアカデミー」、入れ歯関連商品事業などなど、入れ歯に特化した事業をやっています。牡羊座のO型。

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鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

しかし、「保険」というものは、歯学部卒業1年目でも、技能を磨いたベテランでも、「処置したこと(やったこと)」に対して点数(報酬)が等しく決められているものであり、入れ歯の保険点数は極めて低い。そのため、歯科業界的には「保険の入れ歯は不採算部門」とはよく言われる話。

2019-01-13 23:05:19
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

先輩のご親族が入れ歯に困られていて、自費の入れ歯をお勧めしたら「保険だと6000円くらいだけれど、なにが違うの?」という質問をいただいた。確かになんで保険だと数千円なモノが自費だと数十万もするの?と思うのはアタリマエ。 ということで、保険と自費の入れ歯の違いを酔った勢いで書き連ねる。

2019-01-13 23:05:18
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

でも、目が悪くなった人が全員レーシックしないでしょ?レーシックするかメガネかけるかコンタクトレンズにするかはユーザーが価格、安全性、志向などから決めるのであって、ドクター側が苦手だからとかできないからとか儲かるからとかで決めるもんじゃないでしょうと思うのですよ。

2019-01-13 23:05:21
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

合わせて、現在大学教育では入れ歯を含む「補綴(ほてつ)」分野の教育量が減ってきている。これは歯学部が国家試験予備校化しているところにも原因はあり、また、「高齢者歯科」の教科書が厚くなり「補綴学」の教科書が薄くなってきていることもその一因がある。

2019-01-13 23:05:20
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

わかりやすい(?)たとえで言えば、仮に「保険のかつら」があったとして、「保険のかつら」とは、誰からみても頭に乗っかっているだけの髪の毛。でも安い。「自費のかつら」はちゃんと個々人の頭の形と残っている髪の毛に合わせてオーダーメイドで作られるから目立たないし自然。そのかわり高い。

2019-01-13 23:05:23
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

これは入れ歯に限らずだけれども、訪問歯科とかでもよく見られる光景だけれども、「やったことでいくら」が支払われる保険制度は、「患者がよくなるかどうか」ではなく「どれだけの量をこなすか」に傾倒しやすくなる。それが保険制度の大問題。だって新人とベテランが同じ価格っておかしいでしょ。

2019-01-13 23:05:20
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

入れ歯を勉強してきておらずよくわからない、咬合(かみ合わせ)や印象(型取り)ができない。一方、メーカーの講習を受けたら認定書をもらえるインプラントは医院的に儲かるし、ガイドに従って打てば(本当はそんな単純なものではないが)できるにインプラントに傾倒する気持ちもわからなくもない。

2019-01-13 23:05:21
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

歯科医師は型取りの手間を削減したくなる。歯科技工所は安い請負価格で採算を取ろうとするから分業などによる効率化を図ろうとする。そんな状況でちゃんと合う入れ歯ができるはずがない。

2019-01-13 23:05:20
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

一方、そこまで技能がなくても価格だけ高いところもありますからね、そこの見極めはなかなか難しいですが、もしお困りの方いらっしゃいましたら相談にのります。

2019-01-13 23:05:24
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

そして、ちゃんと顎の形に合わせた入れ歯を製作するにはかなりの手間がかかる。いわゆる「匠の技術」が必要な分野。(もちろん将来的にDeep Learningなどで代替される可能性はあるけれど)

2019-01-13 23:05:19
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

超高齢社会においてもちろん高齢者歯科という分野をつくることはとても大事だけれども、それを支える入れ歯を中心とした補綴(ほてつ)の教育機会が減ることは、それこそ入れ歯で噛めない高齢者を増やすことにつながっていると思うのですよ。

2019-01-13 23:05:21
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

まず第一に、入れ歯を作るには歯科医師と歯科技工士の「技能」によって、いい入れ歯、わるい入れ歯が変わる。つまり、高い技能をもつ歯科医師・歯科技工士が作る入れ歯は顎にちゃんとあったものができるけれど、技能がないと合わないものしかできない。

2019-01-13 23:05:18
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

でも、入れ歯屋としては入れ歯が上手な先生と歯科技工士がちゃんと手間をかけて入れ歯を作ると、歯が合った時と同じくらいになんでも噛める入れ歯ができることを知っているのです。でも、それは安すぎる保険の点数(価格)では到底できないくらい手間はかかるものなのです。

2019-01-13 23:05:22
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

しかし入れ歯が得意なドクターは国内10万人のうち3%くらい。残りの半分は得意とは言わないけれどなんとかやっている。残りは「できればやりたいくない」先生が多いように思う。

2019-01-13 23:05:22
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

どっちのかつらを選ぶかは価格と品質で選べばいい。そして入れ歯の場合、そうした「ちゃんと機能する」入れ歯を作れる歯科医師、歯科技工士はちゃんと選ばないと出会えない。

2019-01-13 23:05:23
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

というのが、6000円の保険の入れ歯と数十万の自費の入れ歯を選ぶ時の考え方として参考にしていただければと思います。

2019-01-13 23:05:24
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

一方今後数年もしたら、AIの進歩(3Dに対応できる)、機械学習、3Dプリンター、3Dスキャナーの精度向上によって、いい入れ歯が安く提供できる時代も来るでしょう。

2019-01-13 23:05:24
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

そうなると歯科医師はなるべく手間と時間を削減しようとするし(もちろん全員とは言わない)、歯科技工所側は安い保険点数(診療報酬)を受け取る歯科医院が仕事を出すために安い価格で受けざるを得なくなる。

2019-01-13 23:05:19
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

しかし今はまだ歯科医師と歯科技工士の「技能」に頼っている分、どうしても手間と時間を要する費用がかかることはご理解いただきたい。

2019-01-13 23:05:24
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

という、ひとりハイボール6杯程度の入れ歯屋のたわごとでした。

2019-01-13 23:05:26
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

だから入れ歯に関しては「いつも通っているから」だけではない、この先生は入れ歯が上手なのか否かを見極めていただきたいのです。盲目的に「歯科の先生だからなんでもできる」というのはあまりよろしくないと思うのです。

2019-01-13 23:05:23
鷲巣祐介/Yusuke Washizu @ywashizu

そんな環境だからこそ、入れ歯を得意とする歯科医師が少なくなっているのが今の日本だけでなく世界の状況なんですよね。そして、入れ歯=安いけれど、痛くて噛めない・・みたいなのが一般的になってしまっている。

2019-01-13 23:05:22