商店街活性化、目的無き目標の迷走から脱却しよう
- takeoquolaid
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#目標の逐次拡大 軍事方面では「戦力の逐次投入」という禁じ手があることはよく知られているところ。発生する原因と対策についてはまたの機会として、今日は商店街―中心市街地活性化の取組が陥っている「目標の逐次拡大」について解明しておきたい。
2019-01-14 10:45:27拡大の経緯は次の通り。 1.問題を解決するため、目標①を設定して取り組む 2.思ったようにはかどるどころか、状況は悪化する 3.対策として目標①を包摂した目標②を設定、取組を改編する 4.取組は成功せず、自供はさらに悪化する 5.新たな対策として目標③を設定する。③は②を包含している
2019-01-14 10:57:246.取組は成功せず、更に複雑拡大化する。 7.新たな対策として目標④が設定され・・・ というように拡大していいく問題解決のあり方を「目標の逐次拡大」と言います。当然、「戦力の逐次増大」が伴うことになります。 商店街―中心市街化活性化が陥っているところです。
2019-01-14 10:57:25なぜ陥るのか。どうすれば脱却出来るのか、考えてみたいと思います。 まず、商店街活性化における「目標の逐次拡大」の軌跡を確認します。
2019-01-14 10:57:25状況1.大型チェーン店の出店―業績の悪化 目標①:商店街の活性化:高度化事業、販促イベント 状況2.状況好転せず・業績低迷、空店舗増加 目標②:単位商店街から中心市街地活性化へ: 高度化事業、空店舗対策、販促イベント。 「通行量の増大」「空店舗活用」「賑わい創出」
2019-01-14 12:10:03状況3.状況好転せず、個別事業の「成功」が目標達成につながらない。 目標③:コンパクトシティ、歩いて暮らせるまちづくり。 状況4.中心市街地活性化基本計画、目標未達相次ぐも抜本的改善策無し。 取組の抜本的な転換(改善では無い)の必要は理解するが、方法が分からない←今ここ
2019-01-14 12:10:04この取組の特徴は、「状況1の問題を解決するための方法は間違っていない」ことが無条件に前提にされていること。 達成出来なかったのは、「目標―手段」が悪かったのでは無く、取組の範囲を狭く設定したために成果が発揮されなかった、ということで取り組みの対象範囲が拡大されます。
2019-01-14 14:14:25並行して当初の問題―目標は抽象化され、拡大された対象のone of them と見なされるようになります。目標も「通行量の増大」といった何を目的にしている目標なのか分からなくなりますが、それでも目標未達が続く以上、対象範囲と事業内容の拡大が続けられます。
2019-01-14 14:14:25取組の根本的な間違いは、「大型店の出店―業績悪化」という第一段階で発生しています。この問題に対する「目標設定」が間違っていたのです。 目標設定の論理: 状況=大型店の出店で来街客が減少し、減収減益が生じている 目標=来街者を増大せよ 施策=核店舗、駐車場、アーケード整備、販促事業
2019-01-14 14:23:22次の段階: 状況=来街者は増えず、業績低迷は続き、空店舗増大、空洞化 目標=事業対象範囲・内容を拡大せよ 施策=従来事業の対象範囲拡大、非商業的事業分野への注力 結果=引き続き目標未達 事業対象範囲・分野を拡大し莫大な資金を投入したが、成果は挙がらない。 当初取り組んだ商店街ごとの
2019-01-14 14:30:58取組の失敗挫折を拡大再現し続けているだけ。 その間も商店街群の商業集積としての機能は劣化・空洞化するばかり。 なぜこんなことになっているのか?
2019-01-14 14:30:59「失敗の本質」は、 1.状況を見誤り、目標設定を誤ったこと 2.さらにその背後に「目的」が確立されていなかったこと なにやら『失敗の本質』のような。 注:別掲書籍を推奨しているわけでは無い。 日本軍の研究は組織論的研究では無く問題解決論的研究。 pic.twitter.com/XUvS8C8Nlb
2019-01-14 14:42:59失敗の原因は、スタート時点で 1.状況を見誤り、目標設定を誤ったこと 2.さらにその背後に「目的」が確立されていなかったこと 以下説明。 大型店出店で減収減益に陥ったのは、 相当数のお客が買い物行き先として商店街vs大型店を比較した結果大型店に軍配を揚げた結果、お客の個店・商店街離れが
2019-01-14 15:21:31生じ、拡大していったことが原因。 その結果として通行量の減少が目視できる課題として浮上したが、これは買い物目的の来街客の減少と買い回りする店舗の減少による。 通行量の減少が問題では無く、個店群の来街目的性の劣化、買い回り誘発機能の劣化が問題。 目標は「顧客の維持、再創出」、
2019-01-14 15:21:31施策は当然、個店売場群の業容改革、商店街全体のショッピング行き先・章牛集積としての機能の拡充とすべきところ、実際に取り組まれたのは先述の通り、集客核となる大型施設の設置、駐車場、アーケード、カラー舗装等の整備、空店舗対策、集客イベント等々。販売促進施策に終始した。
2019-01-14 15:21:32スタート時点の「状況問題・目標(問題)設定・目標に対応する施策展開」というセットの内容は、批判されること無く現在まで続いている。 変わったのは、対象街区の拡大と、それと並行した周辺分野(居住・コミュニティ)への施策の拡張。しかし、根幹となる「商店街活性化―大型店対策」については、
2019-01-14 15:32:24大店法当時から今日までまったく改善されていない。むしろ中活基基本計画以降は「中心市街地」に幻惑されて「賑わいのある中心市街地」的な文言が繰り出されるに至っており、商店街活性化、中心市街地・商業街区の商業集積としての維持・再生という目標はフェイドアウト寸前という都市も少なくない。
2019-01-14 15:32:24大型店の出店による消費購買行動の個店離れ・商店街離れの結果としての商店街の商業集積の空洞化、その眼に見える結果としての来街―買い回り客の減少=通行量の減少、廃業閉店する店舗の固定化=増加への対症療法として各種事業が展開され今なお改善せれる兆しが見えないのはなぜか?
2019-01-14 15:37:35あらためtれ検証すると、 目標=商店街の活性化 1.対象商店街ごとに施策展開→失敗 2.範囲拡大→失敗 整備改善活性化法当時 3.範囲と対象拡大→失敗 改正中心市街地活性化法 という流れ。いずれも所期の目標を達成出来ず挫折している。 この間、一度も見なおされていない
2019-01-14 16:49:57商店街活性化の目標と施策。 あらためて確認すると: 目的:商店街活性化 目標:通行量の増大 施策:核施設の設置、高度化事業、空店舗活用、集客イベントなど というスキームは一貫しており、後になるにつれて、 1.対象範囲の拡大 2.対象事業の拡大 が行われたが、目標現在まで不変のまま。
2019-01-14 16:49:57見直しは目的と目標のあり方。 1.目的:商店街の活性化とは商店街がどうなることか? 2.目標:1の目的を確認したとき、目標:「通行量の増大」は適切な目標だろうか? ということで、ここからが本番の作業ですね。
2019-01-14 16:52:18目的について。 商店街活性化の目的は何か。商店街活性化とは商店街の何をどう変化させることか?ネットで「商店が活性化」「商店街活性化とは」「商店街活性化の目的」を検索すると、goo.gl/HZQDji など我々の作業を除くと一個もヒットしません。 商店街活性化は定義されていないのです。
2019-01-14 17:00:50商店街活性化とは商店街がどうなることか? 定義されていないということは、活性化には目的が決められていないということを意味します。商店街活性化はなぜ定義無しで始まったのか? 当時の関係者はなぜ、何を目的に定義されていない商店街活性化のための事業に取り組んだのか?
2019-01-14 18:29:59幕間:『商店街活性化の七不思議』 quolaid.com/city/city123.h… 活性化事業のメニューを決定しているのは商店街に対するアンケートの結果。結局決めているのは商店街。業績不振の商店街がなぜ活性化策を決定するのか? 学識経験者、専門家はなぜ参画しないのか? この後その理由が分かります。
2019-01-14 18:44:11定義無き商店街活性化はなぜ始まったか? 通常、事業のスタートは、 1.解決すべき問題がある 2.問題及び周辺を調査して問題を定義する・・名前を付ける 3.解決に取り組む ということになりますが、商店街活性化の場合定義抜きで活性化事業が始まっています。その理由は:
2019-01-14 20:59:24