(※誤報の可能性あり)個人線量データ解析論文に対する,福島県伊達市側の対応に関する私見
1)以下は共同通信(this.kiji.is/45748071822359…)および日経 (nikkei.com/article/DGXMZO…)で報じられた内容(宮崎,早野論文についてのもの)に関する連ツイです. これは単なる論文の撤回に留まらない大きな問題.
2019-01-15 11:18:561/15日現在,上記2紙の記事に書かれた内容は誤報である可能性もでてきました.まとめの最後の方をご確認ください.
以下のツイートは,2紙での報道内容(いずれも共同通信社配信)が正しいとする前提で書いたものです.
@clear_wt が記事から読み取った内容,および判断をまとめると次のようになります.
・「住民の信頼を得られる見込みがないため、データを再提供する考えはない」という内容は伊達市の担当者が回答したものであり,一定の信ぴょう性があるものと判断
・早野氏の回答から,協議の上,両者合意のもとでの決定ではないと推測
これらの報道内容に間違いが含まれた場合,それに従って書いた以下の見解も無効となります.
2)まず,不同意データや,同意なしデータという,不適切なデータが用いられたことは問題で,この点で既掲載論文の取り下げ,あるいは一旦取り下げ後の修正が必要という点は間違いない. しかし,今回の最大の問題は,伊達市側の対応が研究者側に責任をなすりつける信義にもとるものであること.
2019-01-15 11:19:413)そもそも,データを取得したのは伊達市であり,その個人情報を適切に管理する責任も伊達市にある. 不同意データや同意なしデータを研究者らに最初から提供してはいけなかった.
2019-01-15 11:20:274)(伊達市からの依頼だからと信頼してしまった)宮崎,早野両氏の脇の甘さを後付けで言い募ることはできても,本来提供すべきでないデータを出した伊達市は一切免責されない. データは両氏が研究計画承認,研究開始後に自ら主導して取得したものではない.
2019-01-15 11:21:355)早野氏は「伊達市から受け取ったデータには同意の有無を判断できる項目はなく」と述べ(twitter.com/hayano/status/…),
2019-01-15 11:22:22本日1/8,文科省記者クラブに「伊達市⺠の外部被ばく線量に関する論⽂についての⾒解」を貼出いたしました.70年間の累積線量計算を1/3に評価していたという重大な誤りがあったことと,その原因,意図的ではなかったこと,今後の対応,伊達市の方々への陳謝などを記したものです→ pic.twitter.com/OuHJKXZmY2
2019-01-08 13:05:146)一方でAERAでは「伊達市が福島県立医大に提供したデータを情報開示請求で入手した伊達市民らは、『データには同意の有無を示す項目がある(以下略)』」(dot.asahi.com/dot/2018122100…)と食い違いがあるものの,そもそもの個人情報の適切な管理の責任は(ほぼ全面的に)伊達市側にある.
2019-01-15 11:23:017)論文の問題は (1)第1論文,第2論文の不同意および同意なしデータ使用問題 (2)第2論文の解析の誤り(計算間違い)の問題 の2つがある.
2019-01-15 11:23:548)このうち,(2)計算間違いは通常の科学的プロセス上の誤りなので倫理的に何ら問題とならない. 第1,第2の<両方の>論文の取り下げなければならない理由は(1)不同意データの使用で(これは重大な問題),その責任は先に書いた通りほぼ全面的に伊達市にある.
2019-01-15 11:24:339)この不同意データ使用の問題を理由に宮崎・早野両氏にデータの再提供をしないのだとしたら,一番の問題当事者である伊達市が,伊達市側から協力を依頼した研究者に全ての責任を押し付けたという,ありえないほど信義にもとる話. まともな研究者であれば金輪際伊達市に協力なんかできない.
2019-01-15 11:25:1310)この話がさらに酷いのは,責任を全て研究者になすりつけたにとどまらず,(本当は当人たちの責任でない部分の ― 但し計算間違いの部分は別)<誤りを正す道さえ絶った>というのが一番恐ろしい話.
2019-01-15 11:25:5011)「住民の信頼を得られる見込みがない」それは十分考えられること. しかし,それは伊達市が自らの責任を明確にした上で最大限住民に協力を求め,それでも住民側の意向で再提供不可の判断となれば,宮崎・早野両氏,及び世間に対しに<伊達市側の問題で>再提供できない,としなければ筋が通らない.
2019-01-15 11:27:0612)この話は伊達市に留まらない. 国や自治体等の不手際も起こり得る状況,かつ,信頼関係も状況によりあっさり裏切られるならまともな研究者なら自治体や国への協力など怖くてできなくなる.ほかの行政にも影響が出てしまい,結果として住民の不利益につながる.本当に大事なのことは何ですか?
2019-01-15 11:28:09私自身が,報道された内容が<単なる誤報>であることを一番願ってて,再解析用に同意データが提供されれば良いなと願っている.どのような方向であれ,最低限伊達市側からきちんと責任の所在と経緯が公表されることは必要.
2019-01-15 18:50:40桶田敦さん(@kuma0426)より,以下の情報をいただきましたので(※誤報の可能性あり)としました.
桶田さんからいただいた情報では「ミスリード」ですが,まとめ人(主なツイートを書いた当人)の判断で「誤報」という表現を用いています.
伊達市によると、共同通信はミスリード。「第三者検討委員会での議論がない中で、現時点では、出せるとも出せないとも言えない」 twitter.com/clear_wt/statu…
2019-01-15 20:27:07@clear_wt 共同通信、不同意についてのミスリード A先生への取材 データの取得時期は改正個人情報保護法施行前。同意取得はオプトアウト形式(データ提供不同意の場合は意思表明、しない場合は同意したとみなす)なので、不同意の79人?以外は問題ない。しかし、不同意のデータも含まれているのは伊達市のミス
2019-01-15 23:17:15共同通信社の誤報の可能性も出てきたので,第三者検討委員会の結論が出るまでこの件はひとまず静観することにします. 現段階で「現時点では、出せるとも出せないとも言えない」という状態であれば騒ぎ立てることはかえってマイナスになりかねず,慎重さが必要でした(反省)
2019-01-15 23:10:51・いただいた情報に基づいても伊達市の対応はまだ流動的であること
・「市の担当者は共同通信の取材に対し『住民の信頼を得られる見込みがないため、データを再提供する考えはない』と回答」という報道があったのは事実であること
という2点の理由からこのまとめはそのまま残します.
伊達市による適切な対応がなされることを願っています.