彼が不安にさせたこと≠彼女が不安に思うこと

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レン @rain560509

いつからだろう、この部屋にいるのが不安になってしまったのは… それなのに、他に帰るところのない私は毎日ここで過ごしている。 ねぇ、早く帰ってきてよ。 ねぇ、ずっとそばにいてよ。 《彼が不安にさせた事≠彼女が不安に思う事》 #エイトで妄想

2018-12-09 00:49:19
レン @rain560509

“ヤスと飲みに行ってくる” “ヤスん家で打ち合わせしてくる” “ヤスが相談ある言うねん” これが、ここ最近の彼からの連絡のループ。 仕事だとか付き合いだとか、仕方のないことってゆうのは分かってる。 これが全部、本当ならね。 あの時までは信じていた、全てを信じ切っていた。

2018-12-09 00:49:51
レン @rain560509

『ただいま。』 明け方、玄関の音と彼の声に目が覚めた。 「忠義おかえり。」 『〇〇、起きて待っててくれたん?』 「ううん、寝ちゃってた。」 『寝るんやったら、ベッド行かな。風邪ひいてまうで?』 「うん、ごめん。待ってるつもりでここに居たのに…」 『そっか、ごめん遅くなって。』

2018-12-09 01:49:33
レン @rain560509

「お仕事お疲れ様。ジャケット掛けとくね。」 その時だった。彼から知らない匂いが香ったのは。 『オレの仕事は不規則なんやし、収録が押す事もあるから、先に寝ててや。』 「……」 『〇〇?』 「え?あ、ごめん。」 『どうかしたん?』 「ううん、大丈夫。寝ぼけてんのかな」 笑って誤魔化した。

2018-12-09 01:50:11
レン @rain560509

その香りは、その時たった一度きりだった。 だから、たまたまかなって思ってた。 でも、何も香らなくなった。大好きな忠義の匂いさえも。 『〇〇ただいま。』 「んぅ〜忠義…?」 『ごめん、起こしてもうた?』 「平気」 『おやすみ〇〇』 「おやすみ忠義」 抱き合って眠ってた。この頃はまでは

2018-12-09 01:52:57
レン @rain560509

数日後、2人でコンビニに出掛けた時、久しぶりに乗った忠義の車には、何故か衣類用の消臭スプレーが置いてあった。 これって…。 「あれ、これこんな所に置いて何するの?」 『え?別に。匂い気になる時にすぐに使えるように置いてるだけやし。』 「そう?」 今思えば、これが不安の始まりだった。

2018-12-09 01:53:37
レン @rain560509

たとえ深い時間になっても一緒に寝ていたのに、朝起きたら忠義はベッドに居なかった。 心配になりながらもリビングに行くと、ソファーで丸まって寝ている忠義。 「忠義、起きて!こんな所で寝たら風邪ひいちゃうでしょ。」 『ん…〇〇…』 「何でベッド来なかったの?」 一緒に寝るのが嫌になったの?

2018-12-09 01:54:18
レン @rain560509

『いつの間にか寝てもうてたわ。』 「そう。」 『もう、仕事いくん?』 「え、うん。支度して出るよ。」 『そっか。』 「ベッド行って寝なよ?」 『ん。』 のそのそと寝室に向かう忠義を見送ってから支度をして仕事に出た。 今までは気にならなかったことが、こんなにも不安にさせるなんて。

2018-12-09 01:55:02
レン @rain560509

その日以降、忠義に抱きしめられながら眠ることがなくなった。たまに早く帰ってきても、疲れてると言って先にベッドに行ってしまうし、私に背を向ける格好で寝てる。 しょっちゅう求められていたあの行為もなくなってしまった。 あからさま過ぎるでしょ。 今は、誰と満たしてるの? #エイトで妄想

2018-12-09 01:55:49
レン @rain560509

きっと、忠義には私以外に満たしてくれる人がいる。 今も他の女の子といるのかな… これだけ行動で示されたら、嫌でも分かってしまう。 「それでも、好きなの。苦しいよ…」 1人呟いてみても、誰もいない。 一人ぼっちになっちゃった。 その日、忠義は帰ってこなかった。 #エイトで妄想

2018-12-09 12:53:58
レン @rain560509

忠義が帰ってこなくなって数週間が過ぎた。 いや、正確には帰ってきてはいる。 私が仕事でいない時間だけ、洗濯物と言う足跡だけを残して。 “ヤスと”ってゆう言い訳もなくなって、忠義は今何を考えているんだろう。 私がここから居なくなるのを待っているのかな。 それなのに、洗濯しながら待っている

2018-12-09 12:54:17
レン @rain560509

だけど、夜1人で居るのが寂しくて不安になるから、真っ直ぐ家に帰るのが辛くて、何をするでもなく街を歩くようになった。 [あれ、〇〇ちゃん?] 「あ、みわちゃん。久しぶり」 みわちゃんは丸ちゃんの彼女で、前に楽屋で会った時に仲良くなって、連絡を取るようなったお友達。 #エイトで妄想

2018-12-09 21:53:51
レン @rain560509

[どうしたの?こんな遅くに1人で。] 「みわちゃんこそ、大丈夫なの?丸ちゃんは?」 [私は、会社の飲み会の帰りなんだ。] 「あ。そーなんだ。」 [隆ちゃんが迎えに来るって言うんだけど、会社の人とかにバレたくないから断るの大変で。] 「丸ちゃんらしいね。」 何か、微笑ましい2人で幸せそう

2018-12-09 21:54:24
レン @rain560509

[〇〇ちゃんこそ、大丈夫なの?早く帰らないと、大倉くんが心配するでしょ。] 『ううん、大丈夫なの。』 自分で言ったのに悲しくて泣いてしまった。 こんなの、みわちゃんを困らせるだけなのに、ずっと我慢してたものがとうとう溢れ出して、泣き止まなきゃって思えば思うほど止めることが出来ない。

2018-12-09 21:54:46
レン @rain560509

[〇〇ちゃん、どうしたの?大丈夫?] 慌てて背中をさすってくれる 「みわちゃ、ごめ、っ…」 [大丈夫だよ、落ち着いて。すぐに大倉くん呼んでもらうからね。] 「ダメっ」 思わず叫んでしまった。 [どういうこと?] 「えっと、忠義、家に、いない、から…」 [わかった、ウチに行こう?]

2018-12-09 21:55:09
レン @rain560509

みわちゃんに連れられて、2人が住んでいるマンションに来た。 ⦅みわちゃんおかえり〜って、あれ〇〇ちゃん。⦆ [隆ちゃんごめん、偶然〇〇ちゃんと出会ってね、お話したくて連れてきたの。] ⦅そーやったんや。〇〇ちゃんいらっしゃい⦆ 「お邪魔します。突然すみません。」 [さ、上がって〜]

2018-12-09 21:55:32
レン @rain560509

みわちゃんに連れられてリビングに入る。 [さ、隆ちゃん、これから私達は女子トークするんだから、隆ちゃんは先に寝ててよね!] ⦅え〜僕だけ仲間はずれ?⦆ [じゃあ、隆ちゃんも女の子になる?私、女の子とは付き合わないけど。] ⦅そんなん嫌や。じゃあ、寝る。⦆ 丸ちゃんは寝室に入っていった

2018-12-09 21:57:59
レン @rain560509

[さぁ、邪魔者も居なくなったし、何があったのか聞かせて?] 「えっと…」 [言いにくいこと?] 「いや、あの……何も。何もないんだ。」 [でも、大倉くんには連絡出来ないんでしょ?] 「出来ない…わけではないんだけど…。」 [けど?私達の姿見てまた泣きそうになってるの理由あるんでしょ?]

2018-12-09 21:58:19
レン @rain560509

みわちゃんになら、話してもいいのかな… 「何かあったわけじゃないの。忠義が帰ってきてないだけでね。」 [大倉くん帰ってこないの?] 「あ、いや正確には帰ってきてはいるんだけど、私が仕事でいないから。」 [え、それってわざと?] 「あー、分からないけど。」 [連絡ないの?] 「最近は…」

2018-12-09 21:58:35
レン @rain560509

[大倉くん浮気してるの?] 「…最初は、ヤスくんとって言ってたし、ヤスくんちで打ち合わせとかお仕事してるんだよ、きっと。」 [ねぇ、ほんとにそうだと思ってる?] 「私には、それを信じるしか出来ないから…」 [いつ頃から、なの?] 「会ってないのは、ここ何週間か。」 [それまでは?]

2018-12-09 21:58:53
レン @rain560509

「3ヶ月くらい前かな?最初は夜中に帰ったりだったけど、だんだん朝帰りになっちゃって。」 [そんな前から…] 「忠義がね、いつ帰ってくるか分からないから家で待ってなきゃって思うのに、家で1人で居たくなくて、それで…」 [そうだったの。] 「忠義、きっとヤスくんちに居るんだよね?」

2018-12-09 21:59:08
レン @rain560509

すると、みわちゃんが電話をかけだした。 [あ、もしもし?遅くにごめんね。……良かった。今、章大くんは?……そっか。……うん、あのね聞きたいんだけど、最近、大倉くん来てる?] 胸がドキリとした。 きっと、電話の相手はヤスくんの彼女さんだ。知り合いだったんだ。 #エイトで妄想

2018-12-10 12:17:40
レン @rain560509

[…そう。え?あ、今度ちゃんと話す。相談に乗ってもらうかもしれないし。今はまだ言えないんだ。……うん、ありがとうね、じゃ。] 電話が切れて、みわちゃんからの言葉を待つけど、聞くのが怖いよ。 [今の電話、章大くんの彼女の海唯ちゃん。海唯ちゃんも楽屋で知り合ったの。今度紹介するね。]

2018-12-10 12:18:00
レン @rain560509

[海唯ちゃんにも、相談しよう?] 「え?」 [大倉くん、来てないって。] 聞きたくなかった言葉。 でも、ちゃんと教えてくれたのは、みわちゃんの優しさなのかな… [〇〇ちゃん、泣かないで] そう言って抱きしめてくれた。私、また泣いちゃったんだ。 「ごめっ、」 [大丈夫、大丈夫だからね]

2018-12-10 12:18:36
レン @rain560509

しばらく泣いて、落ち着いてきた。 「みわちゃん、ごめんね。もう大丈夫だから。そろそろ、帰るね。」 [えっ?もう、遅いから泊まっていきなよ] 「そんなの悪いよ。それに、忠義が帰ってくるかもしれないから…」 [〇〇ちゃん…それは…] 「私、帰って待ってなきゃ」 [それは…] 「帰りたいの」

2018-12-10 12:19:05
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