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斎藤環 @pentaxxx
千葉雅也・二村ヒトシ・柴田恵理『欲望会議』(角川書店)すごく面白いし読みやすい。ポリコレ批判は痛快だし傷と交換の話とかもいい。なんとなく後半から読み出したのでこれから前半に戻ります。
斎藤環 @pentaxxx
最終章でオープンダイアローグについて触れてくれているのはありがたい。いままで批判がなさすぎたので、こうした機会は尊重したい。ただ残念ながらこの批判は実践家には届きにくいのではないか。それは何点か、ODについての誤解があるからのように思う。思考の整理を兼ねて、それについて記したい。
斎藤環 @pentaxxx
僕が誤解と思った部分を箇条書きにしてみる。 ・統合失調症は秘密が病理の中心にあり、秘密をなくせば寛解する。 ・オープンダイアローグのポイントは秘密を作らせないこと ・ODは無意識と向き合わない ・ODはなんでもシェアする ・ODはコミュニケーションから「深さ」を消滅させる
斎藤環 @pentaxxx
統合失調症と秘密について言えば、精神病理学的には「秘密が守れない病気」とされていた(土居健郎ら)。正門はがっちり守りを固めているのに、通用門から秘密がだだ漏れ、みたいな状況。秘密をなくせば寛解、というのはいくらなんでも。
斎藤環 @pentaxxx
ODでは「秘密をなくすこと」は目的ではない。言いたくなことを言わない権利は、まず最初に保証される。そもそも治療において秘密を暴く必要はない。ここで想定されている無意識はユング的な「心の深層」のイメージのように思う。確かにそういう無意識はODでは扱わない。
斎藤環 @pentaxxx
ODは、精神分析の主要なツールである「転移」「解釈」「徹底操作」を捨てた。いずれも患者の不安を喚起する恐れがあるからだ。精神分析家が「無意識の真理に近づくためなら少々の不安はしかたない」と考えるなら、ODは「安全と安心を確保しつつ、無意識の治療的作用を最大限に活用しよう」と考える。
斎藤環 @pentaxxx
ODではクライアントとセラピスト双方の主観世界の言語化を行う。この過程において、複数の無意識の協働、のような現象が起こってくる。無意識の作用は常に想定外の場所に生成するので、何が起こるかわからない。個人的にはODくらい無意識の潜在力をフル活用している治療も少ないと思う。
斎藤環 @pentaxxx
ODについて歓迎したくないイメージは、すべての主体を溶融させる「つながりによるケア」というもの。「生物都市」や「エヴァンゲリオン劇場版」的な。そういった多幸的な一体感をOD実践家は嫌悪する。エンカウンター・グループを悪用したカルトの手口だから。それはせいぜい「シンフォニー」止まり。
斎藤環 @pentaxxx
なぜODが繰り返し「ポリフォニー」を強調するのか。それは対話こそが主体化の契機にほかならないから。対話は調和のためではなく、差異の掘り下げをもたらす(“深い”コミュニケーション)。ODが交換不可能な「他者の他者性」を強調するのはそのため。
斎藤環 @pentaxxx
あるOD実践家の言葉で印象的だったのは「(対話の中で)あなたが主体的に振る舞える場所を創りなさい」というもの。國分功一郎さんの言う「欲望形成支援」はここに該当すると思う。
斎藤環 @pentaxxx
もし精神分析が「無意識に埋もれている真理を見出す技法」であるとすれば、いわばODは「無意識を援用して個の物語を生成する手法」。そして僕にとっては、真理よりも物語のほうに主体化の希望がある。真理は強者の占有物だが物語は万人が共有可能だから。

コメント

布施京介 @fusekei 1月19日
追加したまとめ。 オープンダイアローグについての誤解+ https://togetter.com/li/1310327
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