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再す誕ふ者ん🍜 @hfsm_ABIDING
ギガベース鎮守府、会議室。 主力艦達は険しい表情を浮かべつつ、無機質なデザインのテーブルを囲む。 室内モニターにもっとも近い位置にある中央の席にはDfJが座り、その側には不知火が、少し離れた両側には明石と大淀が立つ。 #ギガベース日誌
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作戦内容を食堂もしくは大ホールで全艦娘に対し同時に伝えることが多いギガベースにおいて、主力艦のみを集めてこのような場を設けることは異例である。 この会議室も、一時間前までは利根が使用していた所を、DfJが利根を追い出し無理やり会議室らしくした多目的室に過ぎない。 #ギガベース日誌
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「……始める前にちょっといいか」 「天龍さん、どうしました?」 「そこの隅に転がってる赤いのと床一面にぶちまけられたこれはなんだ」 「あぁ……これは」 「提督が吾輩にくれた捕虜じゃ!確か……晴山とか言ったか?」 #ギガベース日誌
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利根の軽快な返答に最悪の仮定の証明を行われ、天龍は頭を掻いた。 「なんでちゃんと片付けねえんだよ。提督、やっぱ食堂でやらないか?」 「嫌だね。俺は嗅覚が死んでるから気にならないし、卯月とか暁みたいなアホに聞かせる話じゃないんだ。食堂だと邪魔が入るだろう?」 #ギガベース日誌
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「まぁ視界に入れて気分のいいものではないのはわかる。利根。親切な晴山少将を廊下までお連れしろ」 「しょうがないの~。ほれ!行くぞ晴山!」 こねた挽肉としか形容しようがない何かへと変貌した晴山を利根が引きずっていく。 #ギガベース日誌
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利根が部屋を出たタイミングで、DfJは会議室の出口を遠隔施錠した。 「さて、馬鹿が退出した所で本題に入ろうか。大淀、画面を」 ギガベースのエンブレムを煌々と写していたモニターが、海上に浮かぶ複数のメガフロートを撮影した写真に切り替わる。 #ギガベース日誌
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「人工島か?昨日の島に似ているな」 「その通りだ武蔵。昨日の……撤退中だったかな。あのメガフロートの中枢部から、この画像と共に大量のデータが送信されてきた」 「あそこから?誰が?」 「差出人は不明。多分、俺達が来るのを予測してた奴が襲撃に合わせて送ってきたんだろう」 #ギガベース日誌
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「データの中には、このメガフロートの詳細な構造と、開発元がオーメルである証拠、写真のメガフロート群が存在する海域の座標、その海域への侵入ルートが事細かに記されていた」 「道中に出現する深海棲艦の艦種もです。サインズ保有の分布マップと概ね一致します」 #ギガベース日誌
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「そして、先程の画像のこの部分……ちげえよ明石もうちょい右……ここだ。この巨大構造物。恐らく……」 拡大写真が切り替わり、アームズフォートの写真が表示される。 「アンサラーだ。間違いない。実物を見た事がある俺が言うんだ」 #ギガベース日誌
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「つまり、どういう事っぽい?」 「算数と推理ができない駆逐艦はこの部屋に入っちゃいけないんだぞ夕立。誰か答えてやれ」 「……恐らくこのメガフロート群は、クレイドル03の喪失以来その所在が不明とされてきたオーメルの本社施設なのです」 #ギガベース日誌
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「そして、その本社の位置情報と、フロートの構造的弱点や侵入経路を俺達に伝えてきた奴がいる」 「送る相手間違えた。なわけないよねー」 DfJは両手を広げ、目の前の艦娘達に問う。 「さて、どうする?美女が目の前で股をおっ広げてるわけだが」 #ギガベース日誌
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「どうするって……」 「全く都合が良い話だな」 「罠っぽい!」 「いや、どう考えても罠だろ」 「レの字の萎縮脳でもすぐ判断できるぐらいには、あからさますぎる罠なのです」 #ギガベース日誌
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あからさますぎる誘導に対する評価は「罠」という形で纏まっていく。艦娘達の声量が増していく中、DfJが手のひらを叩いた。 「まぁ、そう言うと思った。気持ちはわかる。今まで何度騙されてきただろうな?解体戦争で、マザーウィルで、オリョールで、この間はバリーと雪風達が」 #ギガベース日誌
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「俺自身沢山騙された。データの回収という依頼内容で生物兵器の駆除をやらされたり、生還率が低い戦場でのきつい任務っつうから受けたらきつくなかったり、オーメルのコジマブレードがブレードじゃなくてパンチだったり、阿賀野型って言われ渡されたUNACが子日だったり」 #ギガベース日誌
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「だが、騙される度にお前達はどうしてきた?どうしたよ天龍」 「騙してきた奴等を返り討ちにした。例外無く」 「そうだ。いつだってそうしてきた!俺自身もだ!」 #ギガベース日誌
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「化け物蠢く研究所での残業代はきっちり請求し!クライアント舐め腐ってる企業にはクレームを入れ!詐欺紛いの商品送り付けてきたアイザックには自爆装置をつけた子日を送り返した!そして……」 見開かれていたDfJの両目が、何かを懐かしむように細くなる。 #ギガベース日誌
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「あの日、俺ともう二人のリンクスに対して発注されたあの依頼、今でも忘れていない。世界の安定と人々の安全、その要となるミッションだと説明を受けた先で待っていたのは、その時点で企業が用意できた最高の戦力だった」 #ギガベース日誌
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「子供でも罠だとわかるような杜撰なものだった。それでも奴等は俺達をミッション形式で誘いだし、俺達はそれを受注した。舐め腐っていたんじゃない。信用されていたんだろう。俺達なら、騙されていると理解した上で来るだろうと」 #ギガベース日誌
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輝ける日々を懐かしむような穏やかな表情。しかし、その眼光の奥にはただ世界の敵意を集める為だけに10億の命を消費した身勝手な狂気が渦巻いている。焦点はかつての戦いにしか合っていない。 「俺が今までの人生で得た歓びの中で、あのカーパルスでの戦いを超えるものは無かった」 #ギガベース日誌
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「他人の願いにかこつけて自分は手を汚さずに済ませようっていう連中の思惑ごと全てをぶっ壊すのは……本当に楽しい事だ。信用を超えて裏切ってやるのは胸がすくような快感だ。いつもなら即断即決即侵攻しているところだが、この件についてはかなり敵の規模が大きい」 #ギガベース日誌
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「恐らく、全ての条件が俺達にとって都合良く振れた所で、何隻か沈んでもおかしくない。だから、一応お前等の同意を取っておこうと思い、ひとまず精鋭艦だけ揃ってもらった次第だ。そして、さっきの話を踏まえてもらった上で、お前等に問おう」 #ギガベース日誌
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「お前等はどうする?いや……どうしたい?」 #ギガベース日誌
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1時間後。 全艦娘、全妖精、そして居候のバリーとナイチンゲールがギガベースの中央ホールに招集され、次のギガベースの攻撃目標が告知された。 攻撃目標はオーメルサイエンス本社。準備期間は2週間。 トーラスにはこの事を伝えず、ギガベースと財団の戦力のみで殴りこむと。 #ギガベース日誌
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トーラスへの連絡を行わなかった理由は、企業間の本格戦争に繋がる可能性を少しでも排そうというDfJなりの心遣いであり、攻撃中止を提言される事を見越しての対策でもあった。 財団への連絡は迅速に行われ、大量の特殊兵器とUNAC艦の搬入手続きが迅速に行われた。 #ギガベース日誌
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「毎度あり。それにしても、ついに企業本社への攻撃とはね。今回は僕からも協力を惜しまないよ。それより、位置情報の送信元は特定出来たのかい?」 「……最初はお前かと思ってた。ていうか、今も少し疑っている」 「僕が?まぁ、そう思われても仕方ないか」 #ギガベース日誌
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