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数学史研究者 @redqueenbee1
イギリスの東洋学者Arthur David Waleyの話など 独英が開戦した当時,毎日新聞ロンドン特派員工藤信一良の回想 「戦争開始とともに日本向けの電報の検閲が始まったのは当然である.但し,検閲を受けるためにはどうしても英語で打電せねばならない.私共はその時まで日本語でローマ字電報を打っていた
数学史研究者 @redqueenbee1
のだが,これを下手な英語に直すと,時間もかかるし,委曲も尽し難いので,私も含めて,当時の日本新聞の特派員六名はハタと困ってしまった.そこで一同打ち揃って,英国政府の情報省に,日本語で打電できるように陳情に及んだわけである.そこは融通の利く英国政府のこと,何とか考えてみようというこ
数学史研究者 @redqueenbee1
とで,数日後に日本語の読める検閲官を準備してくれ,我々はローマ字電報に日本語の原稿をつけて出せばよいということになった.その検閲官として現われたのがほかならぬ一代の碩学ウェーレーその人であったのだ.日漢の古典の世界的第一人者として既に学界,文学界に定評のある大学者が,卒然として,
数学史研究者 @redqueenbee1
情報省の一小役人となって日本向け新聞電報の検閲にあたるという事実は,その時の英国の非常事態を物語ることはもちろんだが,もっと深くは,英国人の現実に徹したものの考え方と,ウェーレーその人の,超俗的な非凡な人格を証するものではなかろうか.私共の電報は時差の関係で,主として深夜に発電す
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るのであるが,ウェーレーさんはいやな顔ひとつせずに,深夜の二時までも三時までも検閲にあたってくれた.日本記者団でウェーレーさんをよんで感謝の夕食会をやった時に,ウェーレーさんは「どうも皆様の日本語は余り上手ではありませんね.“……と見られている”とか“観測筋では”とかいう言葉はよい日
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本語ではありません」といって,我々の生硬な日本語電報のまずさを指摘した.続いて,「ミスター・クドー,あなたはもう少し字をきれいに書けませんかね」と言われたのには閉口頓首.生来の悪筆でこの大学者を悩ましたことを恥じ入ったのであった」
数学史研究者 @redqueenbee1
出典 工藤信一良:検閲官ウェーレー,国際文化.,147,(1966),p.13 Wikiには,こういう情報が抜け落ちているから,ウェーレーは現代日本語がアレみたいな記述が書かれていたりするんだね

コメント

九十九 @hakqq 2019年1月25日
愛国心と、美文と新聞記事は違うんだよ、という話
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