城平京小説ガイド
まず最初はデビュー前の『せめて、本格らしく : 奇絶怪絶変化之機巧』です。著者名は「城平京太」ですが、国立国会図書館蔵書検索・申込システムでは城平京と同一人物の作とされています。 #shirodaira
2011-05-03 16:50:38『せめて、本格らしく』は1996年の作。今から15年前ですね。確か妖怪変化が出てくる連作短篇集だったと思いますが、詳しいことは忘れました。 #shirodaira
2011-05-03 16:51:55次は城平京のデビュー作。「飢えた天使」です。これは『せめて、本格らしく』の翌年1997年に『本格推理10』に掲載された作品です。 #shirodaira
2011-05-03 16:54:06密室の中での餓死、というシチュエーションだけでも辛気臭い話。同じ餓死でもノックスの「密室の行者」みたいに大トリックを使っていれば読後感は爽快なのですが……。 #shirodaira
2011-05-03 16:56:06『名探偵に薔薇を』の第二部は多重解決ものとなっていますが、際立った対照を成す解決とは言いがたいのがやや難点かと。あとは、「名探偵」を前面に押し出しているのがどうか、というところですが。 #shirodaira
2011-05-03 17:02:29「苦悩する名探偵」がどうとか、「名探偵の存在論」がこうとか、という話は私はあまり好きではありません。『二十世紀鉄仮面』くらいぶっとんだレベルなら評価しますが。その点で『名探偵に薔薇を』は私にとっては苦手な作品です。 #shirodaira
2011-05-03 17:04:37『名探偵に薔薇を』の次は「夕べにはパズルめいて」ですね。『創元推理18』掲載作です。電波人間が出てくるあたり城平京らしい作品ではありました。 #shirodaira
2011-05-03 17:07:08このあと、城平京はマンガ原作者に転身して、いわゆるミステリ文壇から姿を消します。その後は『スパイラル 〜推理の絆〜』関係の小説が4冊あるだけです。#shirodaira
2011-05-03 17:11:20で、これがまたすっかり記憶から抜け落ちていて、困ったものです。特に「名探偵 鳴海清隆〜小日向くるみの挑戦〜」が。仕方がないので、それは適当に飛ばすことにします。 #shirodaira
2011-05-03 17:13:02まず、小説版スパイラルの第1作『ソードマスターの犯罪』ですが、これはハッタリまじりのバトルもの。剣術の達人を相手に推理の力で戦うという設定は面白かったと記憶しています。 #shirodaira
2011-05-03 17:16:202作目『鋼鉄番長の密室』は、捩れた世界設定の中に放り込まれた主人公がツッコミを入れながら謎を解くいう話。これもあまり記憶は定かではないのですが、昔書いた感想文を発掘したので、転載します。 #shirodaira
2011-05-03 17:19:21(転載開始)本編はサブタイトルから明らかなように「密室」を扱っている。だが、作中でいちおう示される「密室トリック」は非常に投げやりなもので、不可能犯罪に興味のある読者を満足させるものではない。(つづく)
2011-05-03 17:20:14(承前)では、ホワイダニットとして優れているのかといえば、そういうわけでもなくて、「この動機はあり得ないだろう」と思ってしまう。(まだまだつづく)
2011-05-03 17:22:05(承前)犯行計画を立てた人物のある価値観が事件をややこしくしているというのがミソなのだが、その人物の価値観ではそもそもあのような計画を実行することはできなかったはずだ、と私は考える。ぼかした書き方で申し訳ないが、実際に読めば一目瞭然だと思う。(さらにつづく)
2011-05-03 17:23:07(承前)では、全然ダメな小説かといえばそういうわけでもなくて、第一章で「リジー・ボーデン」と名乗る少女が現れる場面から、怪著『番長の王国』の概略を説明するあたりまでは非常に面白く読めた。(もうちょっとつづく)
2011-05-03 17:24:06(承前)ところが第三章で事件の説明をはじめたあたりから、爽快感が徐々に失せて重苦しくなってくる。そしてどんどん湿っぽいエピソードが積み重ねられて、事件の絵解きの場面に至る。(あと一息)
2011-05-03 17:25:053作目の『エリアス・ザウエルの人喰いピアノ』ですが、これも記憶ははるか彼方です。当時の感想文から抜粋して転載(さっき全文転載したら意外と面倒だったので)します。 #shirodaira
2011-05-03 17:30:01(転載開始)ミステリとしてどうかというと、広げた風呂敷の大きさのわりに解決が地味なので驚天動地の大トリックを期待して読むと肩すかしを食らわされるかもしれない(転載おわり)
2011-05-03 17:31:06で、最後の『幸福の終わり、終わりの幸福』ですが、これは前3巻とは違って、1冊まるまる「名探偵 鳴海清隆〜小日向くるみの挑戦〜」となっています。 #shirodaira
2011-05-03 17:32:44これも例によって全然覚えていないのですが、表題作は山沢晴雄ばりの狂気のハードパズラーだったような……。うーん、あやふや。 #shirodaira
2011-05-03 17:34:49こうやってみると、昔読んだ小説はわりと覚えているのに最近のほうが駄目というのはとしをとった証拠ですね。ともあれ、城平京の小説作品には一通り言及したので、これでおしまいにします。 #shirodaira
2011-05-03 17:35:58