財政政策関連のよくある「嘘」に答える

テンプレ問答はまとめておくに越したことはないかな、ということで。
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望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

確信犯で財政破綻論吹聴している経済学者はともかく、それ以外の一般市民は、そもそも「国の借金」を「返す」ということが一体どういうことなのかについて、ほとんど分かってないから、議論が全くおかしな方向に転がってしまう。 この点については財政出動派よりの人々やリフレ派系でもかなり怪しい。

2019-01-26 13:55:59
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

「国債」を「返済」するということなら、それは単に政府証券を中央銀行当座預金に変換するというだけのことで、統合政府(政府+中央銀行)が発行している統合政府負債が付与されているという状況に変化がない。 いつもの例えで行くと、ベースマネーは当座預金で、国債は定期預金というだけのこと。

2019-01-26 13:57:34
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

通貨、特にベースマネーというのは、基本的に財務省と中央銀行が共同で発行するもので(※中央銀行が見合い資産として保有するのは財務省が発行した国債であることに注意)、降って沸いたものでもないし、当然有限物でもない。それどころか、決済需要に応じて”随時”調節されているものである。

2019-01-26 13:59:50
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

中央銀行は、財政需要に応じて、”受動的に”通貨供給を調節しているのであって、ある量の通貨があって、それをやりくりしているわけでは全くない。 逆に考えてみた方が分かりやすいと思うが、金融安定を職務とする中央銀行が、わざわざ財政履行を「妨害」するなどと想定する方がおかしいわけだ。

2019-01-26 14:02:18
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

そもそも中央銀行が随意に発行する紙切れが民間から資産を購入可能なのは、その紙切れ(紙幣)が政府財務省側から「納税手段」として認められているからに過ぎない。 そうでなければ文字通りの紙屑でしかない。 この意味で、中央銀行と財務省を本質的な部分で分離することは原理的に不可能ですらある。

2019-01-26 14:04:37
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

「国債」の「返済」は、「国債」を「紙切れ(紙幣)と交換」することに他ならないと分かれば、それが特別に意義があり、必要なことだ本気では思うことは出来ないはず。 特に、金融資産の面で見れば、全くのプラスマイナスゼロなのだから。 このことが理解できないのは、単に通貨制度への無知のせい。

2019-01-26 14:07:14
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

もしさらに一歩踏み込んで、「政府負債」を「償還」すべきだ、と論じるならば、それは国債の最終返済結果である通貨を含めた、統合政府負債全体を償還すべきだ、ということになる。 その手続きは、ほかならぬ納税であり、要するに「政府負債」の「償還」は、『税による通貨回収』のこととなる。

2019-01-26 14:09:34
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

この場合の『税による通貨回収』は、統合政府にとっての当座預金=ベースマネーのみならず、統合政府にとっての定期預金=国債も含むことになる。 この意味であるならば、「国の借金」を「返済」しなければならないという言説は、「通貨」を「回収・破壊」しなければならないという主張と同値になる。

2019-01-26 14:11:11
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

多くの人々は、「国の借金」が「返済」されれば、国民の手元に資金が戻ってくると思っている。 でも実際は全く逆だ。「政府負債」を(完全に)「償却」するということは、発行通貨を回収・破壊するということを意味するのだから、国民の金融資産は単純に減少する。

2019-01-26 14:12:47
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

冒頭で挙げた「経済学者による確信犯的な財政破綻論」は実はまさにこのことを言っている。 要するに、経済学的財政破綻論は、「国民が保有している通貨・金融資産があまりにも過剰に大きすぎるので、財政黒字によって金融資産を剥奪・削減すべきだ」と論ずるものなのである。

2019-01-26 14:14:19
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

「「国の借金」が「返済」されることで、自由資金を『拡充』できる」という国民の素朴な誤解を、訂正するどころか逆に利用して、国民の金融資産の削減を目論むのが経済学者の「作法」なわけだ。 通貨・金融システムの理解が貧弱だと、この構造に気付けない。 経済学者の内部ですら怪しい人がちらほら。

2019-01-26 14:18:40
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

本当に議論すべき次元は、「現在、国民が保有する金融資産(裏を返せば政府等の金融負債)の水準が本当に過剰なのかどうか」なのであるが、そもそも金融システム理解の貧弱さゆえに、そのレベルに到達する見込みもないという。

2019-01-26 14:20:15
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@pochi1182 一連の話は、インフレ税以前の話なんですよね。 そもそも「現在の政府債務は過大であり、このままではハイパーインフレ不可避」という言説も、Eggertsonの長期停滞論文を鑑みると、おかしいのではないかと考えています。

2019-01-26 19:06:41
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@pochi1182 国債の償還については、まさにtwitter.com/motidukinoyoru…以下で論じた通りです。

2019-01-26 19:26:13
ハイパー岡田@反反緊縮(嫁公認アカウント) @pochi1182

@motidukinoyoru 国債の償還はしなくても良いという風に見えたので、、 償還が出来ないほど負債が多くなればインフレ税で返すだけ。内債ではとくに。 このシンプルな世の理に何か疑問でも?

2019-01-26 19:33:41
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@pochi1182 償還が出来ない、ということは有り得ないわけですよ。 国債の返済、というのは、単に国債(定期預金)をベースマネー(当座預金)に振り替えるだけの取引なのですから。 もし国民の金融資産である国債+ベースマネー(定期預金+当座預金)が多すぎるのであれば、『今この現時点で』インフレが起きる。

2019-01-26 20:11:01
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@pochi1182 もしこの時点でインフレ率が低い、それどころか、低インフレ型の不況(長期停滞)が持続しているとすれば、それはとりもなおさず、財政支出の"過小"を示すものなんです。

2019-01-26 20:12:18
ハイパー岡田@反反緊縮(嫁公認アカウント) @pochi1182

@motidukinoyoru 償還が出来ないから戦後の日本は紙幣増刷で返済し、債務不履行は避けたがハイパーインフレで実質財政破綻したのでは? その理論では無税国家が誕生すると思いますよ。 あと財政支出=増税なんですが。。

2019-01-26 20:15:19
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@pochi1182 無税国家は端的に有り得ないです。 というのは、通貨(政府貨幣)はそれが「納税手段」としてのみ流通するからです。 裏を返せば、通貨はまず財政支出によって供給され、納税によって回収される。

2019-01-26 20:24:51
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@pochi1182 ある時点での通貨"純"供給=累積財政赤字がインフレをもたらすかどうかは、あくまで生産力と貯蓄需要によってのみ決定するわけです。

2019-01-26 20:25:04
ハイパー岡田@反反緊縮(嫁公認アカウント) @pochi1182

@motidukinoyoru すいません。意味がわかりません。。 財政破綻など日本でも歴史的に起こっていますが、なぜ今回は起こらないと? 生産力と貯蓄が大きいから?

2019-01-26 20:33:04
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@pochi1182 そうですね...... あくまで問題なのは供給余力と総需要のバランスなので。 その点では、少なくとも現代日本は、どちらかというと総需要の不足、つまり、政府支出や民間投資or消費の不足に問題を抱えている国であると言えるでしょう。 戦争直後とはちょうど逆の状況にあると言えます。

2019-01-26 20:41:04
ハイパー岡田@反反緊縮(嫁公認アカウント) @pochi1182

@motidukinoyoru 日本は少子高齢化&人口減なので需要が不足ではなく、供給過多なのでは? デフレもそれが一因かと。 あと戦後の財政破綻は供給不足ではなく、債務の増加によるものですよ。今の日本と同じです。 あなたは現時点では起こらないけど、今後は起こり得ると言いたいのですか?

2019-01-26 20:45:18
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