- naobotaka_magi
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1990年代に入り、日本では「サブカル戦国時代」とか呼ばれる世の中になっている。サブカルという文化ジャンルを占める娯楽の割合がやたら増えた。テレビ・ネットを見ればサブカル番組が無数にあるし、街に行けばコアなサブカルタウンがある。
2019-01-28 21:59:072005年のドラマの「電車男」もサブカルをテーマにしてヒットした。サブカル以外の若者の文化がまるで売れていないのが原因でもあるが。
2019-01-28 21:59:08この1990年代以降を象徴する文化が、アニメやゲームなどであり、漫画や鉄道かもしれない。いずれもブームは今よりも前だが、日本や世界で取り上げられるようになったのは2005年以降のことだ。そのうち鉄道がいまや勢いのない趣味となっている。
2019-01-28 21:59:08鉄道にもアニメと同じ「左翼界隈」とのつながりがあった。 鉄道は環境運動文化のシンボルであり、環境運動は左翼のシンボルというものだった。
2019-01-28 21:59:08アメリカが右だった時代の話だったので欧州シチュエーションだったようだが、文化に政治思想はけしからんという声が本来支持者であるはずのファンたちから寄せられたのだ。
2019-01-28 21:59:09この頃から再ブレイクし、そして国民的サブカルの地位にのし上がったということは間違いないと思うが、その支持者たちには、「文化に政治はありえない」という日本的感覚が顕著にあらわれていたのが私には不思議であったが、
2019-01-28 21:59:09SNSではその後もユーザーによる鉄道趣味イジリが何かと続き、2019年現在も彼らの過去の「悪行」をほじくり返すようなネタ消費が時々つぶやかれている。
2019-01-28 21:59:09鉄道趣味はもともと冷戦時の左派文化だった。なのでメンバーたちは冷戦が終われば終焉するものだと思っていたらしい。そのためインテリをのぞく大方の国民のその趣味への関心はデビュー時の新奇性が薄れるとともに徐々に下がり、後輩文化も次々出てくる中、過去のものになりつつあった。
2019-01-28 21:59:09しかし、バブル時代のころから、突然メディアで、鉄道が席巻するようになっていった。じわじわと往年の盛り上がりに匹敵するようになり、やがてそれ以上の存在となり、国民的サブカルの地位を勝ち取っていった。
2019-01-28 21:59:10どんな人気文化でも、無名文化でも、一般的に流行りが終わったとされるグループでも、サブカルには必ず固定ファンがいるものだ。鉄道だって不調期はそうしたファンの熱烈な支えによって命をつないでいたはずであるが、
2019-01-28 22:20:03ファンからすればきっと「流行感覚で離れたはずの大衆がある日突然戻ってきて、往年よりも盛り上がりだしたこと」が異様に思えたはずである。
2019-01-28 22:20:031990年代といえば昭和の流れが止まった時期でもあるし、平成の低迷が始まった時代でもある。日本の成熟、無成長化が明らかに可視化された。そうした時代にさしかかり、大衆心理の中に一定数、ある種の焼き直し的ニーズが起こったのではないか。
2019-01-28 22:20:04過去の文化になりつつあった鉄道趣味や1989年以来ずっと黒歴史コンテンツにすぎなかったアニメゲーム文化が突然国民的サブカルになってしまったのは、既存のオタクではない大衆層がそれをよりどころにするようになったからだとも私は考える。
2019-01-28 22:20:04鉄道は車バイクとは違い「日本的なる感覚」にフィットする文化である。スポーツカー趣味のような日本人離れしたスカしたものはいない。健気で努力家で、悪く言えば地味だ。ゆえにクールジャパンなどのアイコンになりやすく、国の大衆文化として宣伝されることもしばしばある。
2019-01-28 22:20:04アニメゲームもかつてドラマ文化のアイコンであった1990年代フジテレビ文化とは違い、初期のころは少数精鋭の信仰文化のような風貌だった。それは同じゲームでもスクエニに対するS賀と喩えられるほどで、極めつけがガンダム研究である。
2019-01-28 22:20:04太古の時代を彷彿とさせるような現代性に欠ける保守的文化像が、集団消費だけでなく、古典主義化した大衆心理にフィットしてしまったのだというのが私の見立てだ。
2019-01-28 22:20:05だが、いまは2019年。ここにきて、平成型のサブカルチャーも終わりを迎えている気がしてならない。日本人の公共交通不信にはじまる鉄道の趣味消費への批判、ポリコレ騒動にはじまる日本型オタク文化の問題点への関心の高まりがそうだ。
2019-01-28 22:20:05文化ひとつひとつの文化的成長を、商売の道具にもする側が果たしてちゃんと支え、サポートしているかという話だ。現実には、むしろそれを妨害し、しばりつける側にいるんじゃないか。
2019-01-28 22:20:05鉄道やアニメやゲームを「負け組のシノギ」呼ばわりするような書き込みが、鉄道オタクやアニメゲームオタクの人からもたびたびなされるようになっている。
2019-01-28 22:20:06平成型のサブカル文化はもう限界なんじゃないか。 不調時代や無名時代から一貫して支え続けるような固定ファンの莫大な投資が経済的な支えとなり、大衆の保守層の数の多さがメディアや世間での人気度を醸成することで、鉄道や秋葉系のような回顧文化ビジネスはここまでどうにかやってこれたが、
2019-01-28 22:20:06それらももう終焉に向かっているように私には感じるのである。ファンほど現状を憂いている。特定の文化やそのモノを愛しているはずのファンに否定されるようになったら、その文化興行は成り立たなくなるんじゃないか。
2019-01-28 22:20:06何より大衆の全てが懐古趣味の保守ではない。保守層以外の幅の広い存在がいて、その大半はこれらの趣味には完全に無関心か、嫌悪感のような疑問を抱いているわけで、これらが日本のサブカルを名乗っていることにも違和感があるのである。
2019-01-28 22:20:06保守層に特化するということは、リベラル(政治的思想ではなく文化の問題として)な人たちにヒンシュクを買うということでもある。
2019-01-28 22:20:07かつての小説・映像文化・車二輪・デジタル機器文化は、私のような一部の例外をのぞけば万人に支持されていた。 それは既存の消費文化の枠の中に納まるカルチャーの1つでもあった一方で、革新性があったからでもある。
2019-01-28 22:29:48車や二輪文化の存在は、それらをテーマに据えた面白い漫画などをたくさん作り、ヒットを稼いだりした。ネット文化ではタブーに挑戦もしていたり、日本人的な平均値やモラルから逸脱していることが、自由や新しさを示すことに繋がり、特に若者や子どもを夢中にさせたのである。
2019-01-28 22:29:48