少前ログまとめ 2018年10月投稿分

Orphe氏のドールズフロントライン二次創作 #少前ログ まとめ
少女前線 二次創作 ドルフロ ドールズフロントライン
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Orphe @orphechin
WAは背中のガンケースを見やる。 「どうせまたコキ使われるんだし」 「ああ」少年が微笑む。「うちの指揮所の標語ですよね。"困ったときはWAちゃんがなんとかしてくれる"」 「まったく」苦笑するWA。「初めてのマンティコアの時もそう、スケアクロウのダミーに囲まれた時もそう」 #少前ログ
Orphe @orphechin
「正規軍もそう、鉄血の新式もそう、なんか指揮所でバカ騒ぎが起きたときもそう」 「その節はお世話になりました」 その節。 "パンツを脱ぎなボウヤ!!!!" かつてあの狂ったRFに少年が襲われた時、身を呈して庇ったのがWAだった。彼が彼女の実験に付き合うようになったのも、それが縁だ。 #少前ログ
Orphe @orphechin
「あー、まあー、無事で良かったわよホント…」 「でもお姉さんはすごいですよね。なんでもなんとかしちゃうんだから」 「ま、当然よね」WAは鼻を鳴らして足元の石を蹴る。「あの件は別にしても…実力、メンタル、知性、判断力、いずれも私は他の人形に遅れを取らない自負があるもの」 #少前ログ
Orphe @orphechin
「ええ、本当に」少年がいう。「ダミーさえ使わないんだから」 WAはその言葉を聞くと、やや気まずそうに橋に持たれて空を仰いだ。「気持ち悪いのよ、自分が薄まりそうな気がして」 「でもダミーそれ自体は意思のない空っぽの存在でしょう。操り人形でしかない」 「これは感覚的なものよ」 #少前ログ
Orphe @orphechin
「自分と同じ顔とカタチのモノが、自分の意思に従って動くのを見るなんてあまりに客観的すぎるじゃない。私の感覚と動きはどこまでも主観を出ない。主観だからこそ自分が自分の主でいられる」 「アイデンティティクライシス」少年が呟く。「でしょうか。人形でもそんなことがあるんですね」#少前ログ
Orphe @orphechin
ふー、とWAは口を細めて息を吐く。遠景の煙突同様の白く細い帯が、空に浮いて消える。 「まだいってなかったわね。あたしは人間。元、だけど」 「あー」 「あーってなによ!?」予想外にそっけない答えの少年を、WAが顔を赤くして睨み付ける。 「割と重要じゃないこのファクト?」 #少前ログ
Orphe @orphechin
「だって人形に見えないんだもの」少年はやや後ずさりながら苦笑いする。「なんていうか…他の人形はなんだかんだでヒトのためというのが中心にある。けどお姉さんは……ワガママってわけじゃないし冷たいわけでもないけど……それとは別の信念があるように見えるんです」 #少前ログ
Orphe @orphechin
それを聞いて、WAが腕を組む。「信念…?なによそれ、言ってみなさい。変なもんだったら承知しないわよ」わりとまんざらでもない顔だ。 「何をするにも負けたくない。苦手なモノでも必要なら意地でも乗り越えようとする」少年は手元のカップを擦る。「何かに追いたてられてるみたいに」 #少前ログ
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「416もそうじゃない?」 「416さんは…まあ、指揮官には最低限忠実であろうとする。そして、自分自身をモノのように扱うことに何の抵抗も覚えない。改造やダミーリンクも積極的にやろうとするし、自分のダミーや体の一部が飛んでも平然としてる。お姉さんはそういうタイプじゃない」#少前ログ
Orphe @orphechin
「汚れるのは嫌がるし、気に入らなければ指揮官や他の人形の命令もはね除ける。改造だって、やるかどうかですごく悩んだりするし…」 「し、慎重なだけよ」 「だから」少年はWAを遮る。「人間みたいだって思ってた。悩んだり、拒否したりするのは自分の考えがあるからでしょう?」 #少前ログ
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「自分にはこうだという強い信念、軸があるから、そこにブレを生じさせるものは受け入れられない 。人形の感情モジュールもそうだって言われるかもしれない、だけどお姉さんの場合、その嫌がり方がなんというか有機的なんです」有機的。WAが少年の言葉に顔を曇らせる。 #少前ログ
Orphe @orphechin
「まるで、人であった時のままを最大限維持しつつ、強くなりたいって思ってるみたいだ。お姉さん」今度は少年がWAに近づく。「なぜそうしたいのか、教えてもらえませんか」 WAは沈黙する。その間、彼女は何度か頷き、首を振り、遠くをみてため息をつくと、軽い苦笑と共に少年の目を見る。#少前ログ
Orphe @orphechin
「ほんと、知りたがりなのは飼い主に良く似たわねこのワンコ」 「ええ」 「いいわ。実験のご褒美だと思って聞きなさい。でもほかに言ったらはっ倒すわよ」 「言いません」WAが頷く。 「…元々は親子喧嘩がきっかけだったのよ」 「…そうなんです?」 「そう」 #少前ログ
Orphe @orphechin
ーー私が人間だった頃、私は不自由なく生きていた。綺麗な服も美味しいご飯も、清潔で広い家も新品のピアノもバイオリンも、マホガニーの書棚とそこを埋め尽くす古今の本も、体を思いきり動かすための庭も、自分になつく犬も猫もなんでも与えられた。 世界大戦の間、私はそうして育った。 #少前ログ
Orphe @orphechin
父様は言ったわ。この世には命を操る者と操られる者がいる。前者の立場に身を置き続ける限り、人は自由でいられるのだと。そして、そのためには資格が要るのだと。 「お前にはその資格がある。なぜなら私の娘だからだ」 父様の言葉通り、私が何かに阻まれるということはなかった。 #少前ログ
Orphe @orphechin
「後者」がパンとスープの配給に並ぶ間、私は毎日レシピの変わる料理を食べていた。 「後者」がテントの中で野犬や強盗に怯える中、私は羽毛の布団の中で眠り、目を覚ました。 「後者」とその子らが故郷を追われ荒れ地で日が登り沈むのを呆然と見ていた中で、私は沢山の音楽と本を浴びた。 #少前ログ
Orphe @orphechin
ーーそれは俺の原風景です。 ーーそうね、99%はそうだったわよね。 でも私は一握りの中に生まれて同じくその一握りを維持することを期待された。そうしてナイフを持たされたのは10才になった時だった。 ーー命を操るって、つまり。 ーー人殺しのことよ。私の家系は、つまるところ、そう。#少前ログ
Orphe @orphechin
殺しのために生まれて来た。そんなことをヘルメットに書く兵隊は、きっとハイスクールを出た後にしか人を撃ったことがないんでしょう。私は10才で人の首を切り、人の心臓と脳を撃つことを覚えた。 伸び伸びと体を動かして育ったおかげで、気持ち悪いぐらいに武器は私の手の中で踊った。 #少前ログ
Orphe @orphechin
本と音楽が育ててくれた私の教養は、12才の時に人に毒杯を呷らせるのに役立ってくれた。動物と育ち彼らの気持ちを理解する経験は、同じ年に事故と見せかけ喉笛を食い千切らせるのに役立ってくれた。 私を育てるのに用いられた巨額のお金は、そうして何倍にもなって父様の家に戻ってきた。#少前ログ
Orphe @orphechin
豊かで暖かい家庭と、投資とリターンの原則は両立するのよ。無償の愛で子供を育てれば20年後に大きな利益になって懐を潤してくれる。 私の場合は10才から潤していたから、当然自分が優秀だと思っていた。 そして私が大学に入る前ーー投資が失敗だったと言われた。 #少前ログ
Orphe @orphechin
ーーなぜ。 ーー利率が悪い。期待通りの成果を見込めない。父様からはそう言われたわ。 ーーでも、お姉さんは10才からそうやって貢献してたんでしょ。 ーープラスはプラス。でも、赤字にはならなくても優良とは見なされない投資だってあるってことよ。 #少前ログ
Orphe @orphechin
父様の水準は私の才能や身体の限界よりも遥か先に置かれていた。父様はコーラップスから来る混乱を商機と見ていて、その機を生かして家をさらに磐石にしようと考えていた。そのためにはより優秀で、並外れた殺人者が必要だった。私は父様のモデルには不適合だったのよ。 #少前ログ
Orphe @orphechin
「幸い、人を殺さずとも操る側に居続けることは出来る。本業は他の兄弟姉妹にやらせるとして、お前は別の道を行くがいい。必要なことは、家の力で整えてやる」…そう言われたわ。 ーーそれで、家を出たの? ーーその日のうちにね。自分の口座からありったけのカネを引き出してバイバイって。#少前ログ
Orphe @orphechin
そして仕事で知り合ったIOPユーロの社員にコンタクトをとって、持ってた札束全部投げつけてこう言ったわ。 あたしを、殺しの芸術品にしなさい。 ーー芸術品… ーー笑ったわねこの犬! ーーごめんなさい。 ーーまあ、今思うと自分でもどうかしてたんだと思うわ。 #少前ログ
Orphe @orphechin
それで、自分のガワだけそっくりに似せた義体に自分の意識を移して、当時誰も使ってなかった難物のワルサー狙撃銃とエッチングさせて出来たのが、戦術人形WA2000。今の私。 ーーすごい決断を、したもんですね。 ーーええ。あのときあんなことを言われて、私は思ったのよ。 #少前ログ
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