【訃報】作家の橋本治氏逝去～反響と追悼

岩井好典 @iwai_beam

｢桃尻娘｣も読んでいたが、｢花咲く乙女たちの～｣や｢熱血シュークリーム｣（後編が読みたかった！）、雑誌バラエティで連載していた漫画評はムチャクチャ影響を受けた。 漫画はなぜ素晴らしいのかを、大島弓子を高野文子を望月峯太郎を、橋本治に教えてもらったのだ。 結局、人生、変えられたんだ。

岩井好典 @iwai_beam

橋本治のことが頭から離れない。 中学生の時に、豊島公会堂で、橋本治と近田春夫の対談を観に行ったことは明確に覚えている。 1980年だ。なぜハッキリ言えるかというと、会場でイベントが始まるまで週刊少年チャンピオンを読んでいて、その号で｢熱笑！　花沢高校｣の新連載が始まっていたからだ。

岩井好典 @iwai_beam

筒井康隆を読み漁るきっかけも橋本治だった（｢東海道戦争｣を絶賛していた）。 fiction.incから出てた｢親子の世紀末人生相談｣は、完全に当時の自分の生きる指針だったんだ。 ｢貧乏は正しい！｣｢宗教なんて怖くない！｣｢８９｣（！！）…桃尻語訳も｢窯変｣も、ただただ凄かった。

岩井好典 @iwai_beam

もうすぐ時間が出来るから、買ったままだった｢草薙の剣｣を読もう。 最近よく出していた新書も割と目を通してはいたが、やっぱり追悼は、最後の長篇小説だろう。 …つらい、つらいなあ。嗚呼。

うさやま @usayama3

多くのカルチャーにそうだったとは思うけど、それでも大好きな橋本治が大好きなコミックビームに遠く影響を与えていたなんて、嬉しい話だなあって思う twitter.com/iwai_beam/stat…

うさやま @usayama3

橋本治が逝ったなんて本当に、本当に信じられない。 こんな日がいつか来るとは思っていたけれど、誰かにとって大袈裟に聞こえたとしても、自分にとって今、世界の大部分が失われた。 過去にも未来にも、代わることなどできないような人が、この世を去ってしまった twitter.com/asahi/status/1…

朝日新聞(asahi shimbun） @asahi

作家の橋本治さんが死去　戦後の庶民の実相すくい取る t.asahi.com/v0py

2019-01-29 18:54:07

うさやま @usayama3

1.#橋本治 がこの世にいない生まれて初めての夜に、自分が橋本治に会った時の話をしようと思う。 当時あった小学館のヤングサンデー主催で「橋本治と耐久!!72時間サマーセミナー」というのが1992-94年の3年間行われていて、93年に参加した。

うさやま @usayama3

2.僕は中学校の時に一緒にいるだけでとにかく楽しいとても仲のいい友人ができたんだけど、ある時距離を置かれてショックで登校拒否にまでなってしまった時期があった。そのことを、それからも訳がわからないまま悩み続けていた。

うさやま @usayama3

3.その後高校生になってから、偶然人の家の本棚で橋本治の「恋愛論」を勝手に読んだ時、泣きたくなるような衝撃を感じた。橋本治の同級生の男の子に対する恋愛話は、まるで自分自身の話のように思えた。初めて、自分は彼の事が好きだったんだって、全部分かった。

うさやま @usayama3

4. そしてとにかく激しいくらいに「愛されたい」って思うようになった。そのあと今度は、なんでこんなことばかり考えてるんだろう、って苦しくて仕方がなくなった。

うさやま @usayama3

5.その2年後、読んでいたヤンサンのセミナーに、それ以来自分にとって特別な存在になった橋本治が来ることを知って、絶対行かなくちゃいけないと思って思いの丈を書きつけた文を添えて編集部に応募したら、40人の中に選ばれた。

うさやま @usayama3

6.長野県の2階建ての旅館みたいなところでセミナーはあって、橋本治の他に三代目魚武濱田成夫とか、やまだないとも参加していた。 橋本治は原稿でとにかく忙しく、司会の編集の人が「先生を72時間も拘束しようなんてことは、ありえないくらい難しいことだから大事にしてほしい」と言った。

うさやま @usayama3

7.その通りに度々自分の部屋に引っ込んでしまってずっと話をしてくれるわけじゃなかった。 でも僕は橋本治に会った時、絶対に聞きたいことがあった。なんで彼に距離を置かれたんだろう、なんでその後、誰かに愛されたいと思ったんだろう、って。

うさやま @usayama3

8.唯一セミナー中に気にかけてくれた年上の、結婚直前に恋人を事故で亡くしたという大変な経歴の女性にそのことを話したら「勇気を出して行って来なよ！」と言ってくれた。

うさやま @usayama3

9.その時は最終日の朝で、ずっと籠もっていた橋本治が、偶然庭に出て、池の鯉をぼんやり見ていた。たぶん最後のチャンスで、僕は心臓が止まりそうになりながら下駄を履いて走っていって、すいません、と声をかけた。

うさやま @usayama3

10.自分のことをしどろもどろに話すと「うん、読んだよ」と言われた。編集部に送った手紙も読んでくれていた。そして「あの、僕はどうして誰かに愛されたいなんて思うようになったんでしょうか」と聞いた。

うさやま @usayama3

11.そうしたら橋本治はほとんど考えもしないで、池を見ながら、「それはねー、君がさ、『未来がほしい』って思ったからなんだよ」と教えてくれたのだった。

うさやま @usayama3

12.僕はその時、今に続く未来を橋本治にもらったんだと思う。止まっていた時間が、初めてあの時に動き始めたんだって、今でもずっと思ってる。

うさやま @usayama3

13.それが、橋本治とのたった一度きりの出会いだった。 これまでそのことを忘れたことはなかったし、これからも、絶対に忘れないと思う。 誰にもわかってくれなくても、橋本治は、僕にとって全ての大人の中で最も大事な人だったんです。

内藤 @naito_stylo

あれ。 この人のこと覚えてるよ。いや、この光景覚えてる。朝起きたて外を見たら、橋本治さんと男の子がふたりで話してた。窓の向こうだからすごく静かで、綺麗な光景でした。 twitter.com/usayama3/statu…

うさやま @usayama3

@naito_stylo まさか、あの時のことを見ていた人がいて、それがやまだないとさんだなんて、ちょっと信じられない気持ちでいます。

旧姓🌸広田さくら公認ファンクラブ Sakura Hirota fan club @sakurahirotafc

@usayama3 昨日今日で橋本治について書かれたツイッターは山のように読みましたが、一番素晴らしかったです。ありがとう！　そう、橋本治はあなたが書いた通りの人でした。柳澤健より。

うさやま @usayama3

@sakurahirotafc 正直に言うと、あなたのことがうらやましかったんです。でも、柳澤さんが言われるんなら、僕の中の橋本治はやっぱり本物でした

岩井好典 @iwai_beam

@usayama3 遠く、ではないですよ。 少なくとも漫画編集者としての自分には、極めて直接的、本質的な影響を与えています。橋本さんがいなければ、ぼくがからんだビームは、ありえません。 「本当に平成が終わるんだなあ」と、とてつもない衝撃を受けた橋本さんの訃報でした。