ひとり親世帯の子どもの大学等進学率「23.9% ⇒ 41.9%」の上昇要因について調べてみた

結論:わからない
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電脳藻屑 @Nou_YunYun

禁句。そもそも資料は信頼できるの?

2019-01-30 02:02:06

平成31年1月28日第百九十八回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説
http://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement2/20190128siseihousin.html

国会の施政方針やダボス会議での安倍首相の演説で以下の様な発言をしており、一部で話題になる。

「ひとり親家庭の大学進学率は二十四%から四十二%に上昇」

電脳藻屑 @Nou_YunYun

「安倍首相がひとり親世帯の子どもの大学進学率が改善したと演説で言ってるそうです! 何で進学率が上がったのか調べてみました!」

2019-01-29 10:27:45

まず前提としてひとり親世帯の大学等進学率は

平成23年度は厚生労働省「全国母子世帯等調査」
平成28年度は厚生労働省「全国ひとり親世帯等調査」

以上の資料から作成されています。これらの調査は5年間隔(一部で微妙にずれているところもありますが)で行われている調査で、平成28年から現在の名称に変更しています。
なお、「母子世帯」から「ひとり親世帯」へと名称が変更したために前回調査に父子世帯が入っていないという誤解を抱いている方がおりましたが、前回調査でも父子世帯は入っています。

電脳藻屑 @Nou_YunYun

"子供の大学等※進学率の推移 ※専修学校等を含まない 注3)ひとり親家庭については、平成15・18・23年度は厚生労働省「全国母子世帯等調査」、平成28年度は厚生労働省「全国ひとり親世帯等調査」より作成" pic.twitter.com/gpcMEkPScX

2019-01-25 15:22:15
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で、参照されている元資料に「大学等進学率」の項目ないという意見を拝見しましたが、はい、その通りで参照先資料にひとり親世帯の大学進学率は記載されていません。その代わりに就学状況という項目があって

※ちなみに「大学等進学率」に専修学校は含みません。大学等進学率は「大学及び短期大学」の合算です

電脳藻屑 @Nou_YunYun

進学率という直接の調査はないけれど、就学状況がそれにあたるのかな? 平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告(平成28年11月1日現在) 20就学状況別にみた子どもの状況(20歳未満の児童) mhlw.go.jp/file/04-Houdou… pic.twitter.com/eL51Tfkc94

2019-01-25 15:37:51
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電脳藻屑 @Nou_YunYun

” (注2) 高等学校卒業後の進路は、母子世帯又は父子世帯の19歳の者のうち、平成23年11月1日現在で大学等(大学及び短期大学)、専修学校等に在籍又は就労している者の割合。 ” 子供の貧困対策に関する大綱 mext.go.jp/b_menu/shingi/…

2019-01-25 16:06:40

つまり大学等進学率は、
調査時点の対象世帯にいる19歳全員のうち大学、短期大学に在籍している子供の割合
から算出した特別集計となります。
※19歳の子どもの割合なので18歳の大学1年生は除き、19歳の大学2年生は集計に入る
※なので大学進学者には平成26年度受験組と平成27年度受験組が混在
※他の大学進学率の算出方法と異なるはずです

以上がまず前提となる情報です。
では、なんでひとり親世帯の大学進学率が上がったのか?

まずは安倍首相の施政演説にて

電脳藻屑 @Nou_YunYun

”児童扶養手当の増額、給付型奨学金の創設を進める中で、ひとり親家庭の大学進学率は二十四%から四十二%に上昇” ”平成31年1月28日 第百九十八回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説 | 平成31年 kantei.go.jp/jp/98_abe/stat…

2019-01-29 14:34:52
電脳藻屑 @Nou_YunYun

児童扶養手当の増額について。父子世帯への支給拡大は平成22年からで安倍政権前の施策、第2子以降の加算は平成28年からなので当然ながら平成28年全国ひとり親世帯調査を特別集計した大学進学率には時系列的に関係なし twitter.com/Nou_YunYun/sta…

2019-01-29 14:42:09
電脳藻屑 @Nou_YunYun

あとは給付型奨学金のために調べればいいんですかねのねのもへじ

2019-01-29 14:43:16
電脳藻屑 @Nou_YunYun

”平成29年度から、経済的困難により進学を断念することがないよう、我が国で初めての給付型奨学金事業を開始しました。更に、同じく平成29年度から、無利子奨学金において所得連動返還型奨学金を導入するなど、返還負担の軽減にも努めています“ 文部科学省 奨学金事業の充実 mext.go.jp/a_menu/koutou/…

2019-01-29 17:29:44
電脳藻屑 @Nou_YunYun

平成29年度とか、大学進学率の調査結果と一切関係ないじゃないですか!

2019-01-29 17:30:43
電脳藻屑 @Nou_YunYun

この二つの施策は双方ともに当該調査後のものとなり進学率上昇要因になり得ない。一応、施策を「進める中(最中)で」上昇していったという要因と結果を直接結びつけていない言い方にも取れるけれど、それはミスリード的ではある twitter.com/Nou_YunYun/sta…

2019-01-29 17:39:06

※日本学生支援機構による奨学金も平成21年ごろから受給率は横ばいで推移しているために上昇要因にはなりえないと考えます。ひとり親世帯の受給率の推移が上がっている可能性もありますが、これはデータが見当たらないのでスルーします。
※そのほかの奨学金制度もあり、ひとり親世帯対象の様なものもありますが、こちらは推移がよくわかりません。
※平成22年の父子世帯への児童福祉手当支給拡大は父子世帯の進学率上昇に寄与した可能性は当然ながらあります。

電脳藻屑 @Nou_YunYun

参議院 厚生労働委員会 平成28年04月26日 kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangii…

2019-01-25 22:27:21
電脳藻屑 @Nou_YunYun

参考人(小河光治君)「子どもの貧困対策センター公益財団法人あすのば代表理事の小河でございます。(略)一人親の子の大学進学率は四分の一以下で、これ、一般世帯と比べてみるといかに開きがあるかということも分かるかと思います。」

2019-01-25 22:28:05
電脳藻屑 @Nou_YunYun

「私が勤めておりましたあしなが育英会でおととし調査した調査で、高校生に調査したんですが、就職を希望する理由を尋ねたところ、進学したいが経済的に無理というのが約三割で、進学したいけど家計を支えなきゃいけないという子が七%もいて、合計三六%にもなるわけですね。」

2019-01-25 22:28:32
電脳藻屑 @Nou_YunYun

「今、大学の学費、生活費、国公立で年間百五十万、私立では二百万近く掛かるというふうに言われていますし、今、学生支援機構の奨学金などを含めて奨学金を受けていらっしゃる、半数以上の方が奨学金を受けているということです。」

2019-01-25 22:28:59
電脳藻屑 @Nou_YunYun

「希望すれば大学や専門学校への進学のチャンスをつくるためにも、この児童扶養手当の支給年齢を二十歳まで、せめて二十歳まで、できれば就学中全部していただけると有り難いんですが、上げていただくということは、進学を後押しするということにつながってくると思います。」

2019-01-25 22:29:15

平成28年度調査が出る前の平成28年4月の国会においては、子供の貧困対策をする団体の代表が大学進学率の劇的な向上の実感はしていなかったように思われる。

電脳藻屑 @Nou_YunYun

衆議院厚生労働委員会16号平成25年05月31日 kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugii…

2019-01-27 23:25:27
電脳藻屑 @Nou_YunYun

平成25年の子どもの貧困対策の推進に関する法律がひとり親家庭の進学率に寄与なのかな pic.twitter.com/pJeCsbSp4T

2019-01-27 23:06:24
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電脳藻屑 @Nou_YunYun

山井和則「この法律案の施行の効果を検証できる最初の子供の貧困率の発表は、四年後の二〇一七年の夏です。そのときには、必ず、子供の貧困率や一人親家庭の子供の貧困率、生活保護家庭の子供の高校、大学進学率などの数値が改善しているように、」 pic.twitter.com/wzYkKQX7Hx

2019-01-27 23:28:00
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