A3＋2018：万里

𝕞𝕖𝕞𝕒𝕚 @memai_com

万里 #A3プラス 『前髪切らなきゃなぁ』「いつも前髪作るよな。伸ばさねぇの？」鏡越しに目が合った彼の方を向けば、その指が私の前髪を掬った。「違う髪型も見てみたいけど」『おでこ出すの苦手なんだよね…』「なんで？カワイイじゃん」そう言って額にキスを落とすから『やっぱ切る』「なんでだよ」

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万里 #A3プラス 「可愛いじゃん」『え？』突然褒められて首を傾げていると、ソレ、と足元を指差して笑う。「ペディキュア。その色似合ってる」『よ、よく見てるね』「別にフツーじゃね？」『いや、万里がモテるの分かるなぁ』「…誰でも見てるわけじゃねーから」『？』「お前だけだって言ってんの」

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万里 #A3プラス 「なんかあった？」私の顔を覗き込むようにして尋ねる万里に、首を振る。「いーから。オラ、万ちゃんに言ってみ」『万ちゃんめっちゃヤンキー』「うっせ」唇を尖らせて拗ねるから、それが可愛くて横から抱きついた。『ただちょっと落ち込んでただけ。万ちゃんのおかげでもう元気出た』

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万里 #A3プラス お店から出てきた彼を見つけてクラクションを鳴らした。「サンキュー、至さ…ん？」『ブッブー』「…は？なんで！？」至くんは今手が離せないからってお願いされました、と答えれば、まじかよ…って頭抱える万里くん。「はー、やってくれるわ」『私のお迎え嫌だった？』「…その逆な」

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万里 #A3プラス 「…水族館？」スマホを後ろから覗き込んできた万里くん。『こ、今度行こうと思って』近過ぎる距離に少しドキッとした。「ふーん…デート？」『残念、お一人様です』「俺も行きてーんだけど」『えっ』「ダメ？」『いい、けど…』「よっしゃ！」そう言って、楽しみにしてるって 笑った。

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万里 #A3プラス 『次は秋組の第五回公演かぁ』「だな」今度はどんな話かな。万里くんはどんな役を演じるかな。『あ！次もまた観に行くからね』「サンキュ」『主演誰だろう。冬組も楽しみだし…１年ってあっという間』「…なぁ」肩肘をついた彼が、唇を少し尖らせてその目を細めた。「俺だけ見てて」

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万里 #A3プラス 摂津くんおすすめの静かなカフェで、各々レポートを進めている。ふと視線を感じて顔を上げれば、こっちを見ている彼。『…もう終わったの？』「いーや？」『もしかしてこの資料使う？』「ちげぇ」返答に首を傾げていると、大きな溜息を吐いて、「…こんなに分かりやすく見てんのにな」

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『ハッ、もしかして摂津くん好きな人いる…？』「！やっと気付い『だめじゃん！私と二人でいたら勘違いされるよ！？』「オイ待て」『あ、もしかして相談に乗ってほしいって事…？でも私は恋愛経験皆無だし』「通りで鈍いと思った」『？？？』「ちょっと作戦練り直すわ。レポート続けてくれ」『うん？』

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茅ヶ崎娘を可愛がるばんちゃんいいな…『ばんりだっこ！』「ハイハイお姫様」みたいな…甘やかしてくれるから『パパとけっこんする！』じゃなくて『ばんりとけっこんする！』って言うし、もちろん初恋は万里だし、おかげで理想高くなり過ぎて彼氏が出来ない。結婚式ではお色直しの入場頼まれたら最高。

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万里の結婚式ではリングガールするし、万里の子どもを妹や弟みたいに可愛がっておねえちゃん！って呼ばれてたらいいな。 逆に結婚が遅くて、娘ちゃんが大きくなってから結婚した時は『ばんり、結婚おめでとう…幸せになってね』って泣き笑いで言うのもいい…「ありがとな」って抱きしめてくれる万里…

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万里 #A3プラス 『見て見て万里！』「いや見てっから」笑いながら私の頭をぐしゃぐしゃと撫でる彼をひと睨みして、水族館のイルカショーに魅入る。『かわいいかったね…！』「お、下のレストランでイルカの水槽見れるってよ」『行くー！』「だよな。そんだけ楽しんでくれりゃ連れてきた甲斐あるわ」

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万里 #A3プラス 大学でできた友人の万里に「明日買い物付き合ってくんね？」と軽く誘われたのが昨日。買い物と言いつつ、映画観たりお茶をしたり、なぜかデートみたいなことをしている今日。「なぁ、頼みがあんだけどさ」『ん、何？』「あー…その…おめでとうっつってくんね？」『えっ…えっ！？』→

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ちょっと気まずそうに目を逸らした彼を見て、思い当たるのは一つだった。『も、もしかして今日誕生日…とか？』「とか」可笑しそうに私の語尾を繰り返して笑う万里と、ひたすらに焦る私。『し、知らなかった！何も用意してないよ！？』「いや、もう貰ったから」いらねぇよ、と笑う彼に首を傾げる私。

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『？？なにを？』「お前の１日、貰ったからさ。今日は付き合ってくれてありがとな」そう言って満足げに笑う彼の顔は、今まで見た中で一番格好良くて、急激に意識してしまう。「…けど、やっぱ祝われてーじゃん？」『え、あ、うん。万里、誕生日おめでとう』「サンキュ。おかげで最高の誕生日だわ」