シースベッヒャーってイマイチだったのでは? と思ったら「本当にイマイチな小銃擲弾ってやつを教えてやるぜ」とVPGS-41が
2019-02-03 21:15:27なるほど安全ピン抜いたら撃針をバネひとつで押さえてるだけなのね。遠心力なり発射加速度なりを使った安全装置の類は一切なし。これは怖い。下手したらピン抜いたあとぶつけたり落としたりしただけで終わる pic.twitter.com/HnkgcsPmil
2019-02-03 21:20:27バズーカの初期の信管も似たような物でしたっけか。発射加速度が小さくて旋転もしないやつの信管には安全装置を組み込むのが難しい、というのは確かにあるのだけど
2019-02-03 21:23:56なんか話題がループしてる気がしますが、もうちょい引っ掻いてみました。大戦期の小銃用対戦車擲弾がバズーカ類に比べて印象薄いのは、当たらないのと威力がないのと扱いが厄介なのと……まあ理由は沢山あるようです #マシュマロを投げ合おう marshmallow-qa.com/messages/95bd6…
2019-02-09 22:38:53当たらないのは二つの理由から。まず小銃擲弾は銃を壊さない程度の反動に抑えなきゃならないので、あんまり初速を上げるのは難しいものです。大戦期の対戦車用小銃擲弾だと大体50m/s程度が精々で、つまりパンツァーファウスト60と同じくらい。これだけ聞くとまだ許容範囲じゃないかという気もしますが
2019-02-09 22:41:08もうひとつの問題は、まともな照準器があるとは限らないこと。初速が初速なんで遠くを撃つには45度とか物凄い仰角を取らなきゃならんのですが、その割にはその為の照準器がない物が少なくない。ドイツや後半の米軍なんかはこういうちゃんとした照準器を持たせてましたが、無いやつも結構多かったのです pic.twitter.com/rdk1ceGPd6
2019-02-09 22:50:08つまり大戦期の対戦車用ライフルグレネードはパンツァーファウストくらいには弾道がよくないのに、パンツァーファウストに付いてる程度の簡単な照準器さえ無い、という事が少なくなくて。となると50mだのの相当な至近距離でないと当たらないのですね
2019-02-09 22:52:48そして威力。ドイツ以外のライフルグレネードはだいたい貫通力50mm止まりなんで大戦半ば以降の戦車には厳しい感じですが、実はドイツでも足りておりません。大型のGPzgr46と61は大戦末期に少数が導入されただけなんで、貫通力70mm程度のGPzgr(二枚目中)がいいとこだったんですね pic.twitter.com/wLHJYcvnv3
2019-02-09 22:58:43貫通力70mmだと、うまいこと傾斜装甲を相殺してくれるような角度で落ちてこない限りはT-34を抜くのはちょっと難しい。実用的な射程だと落角的にそういう事は望みにくい筈。つまりこいつでT-34と戦うのはかなりたいへんです。狭いけど側面下部の垂直部が一番望みがあるかしら
2019-02-09 23:02:01そして威力不足なのは貫通力だけじゃありません。どうも独ソとも、小銃擲弾は仮に貫通出来たとしても戦車内部の乗員や機器に対する効果が非常に小さかったようなのです。あんまりにも弾が小さいんで、抜けたとしても車内に入り込むメタルジェットなり火薬ガスなりの絶対量が少ないのかも
2019-02-09 23:04:52つまり大戦期の対戦車用小銃擲弾はパンツァーファウストと同じくらい弾道が悪く、Pfより更に照準器がイマイチで、貫通力が不足気味で、そのうえに貫通後の威力も小さいので効果を出すには沢山当てなきゃならない……とまあ、だいたい何もかも足らなかったと言っていいのかも知れません
2019-02-09 23:08:31ただし少々例外的になるのがアメリカの対戦車小銃擲弾。とくに近距離の戦闘が多かったのと日本戦車の防御力の関係からライフルグレネードの当てにくさと威力不足があまり問題にならず、太平洋の島嶼戦には適していたとこのと。むしろ擲弾発射器の数を増す傾向にさえあったようです
2019-02-09 23:15:13米海兵隊なんか分隊全員に擲弾アダプターを持たせて誰でも撃てるようにする事さえ考えてた模様。ただ実際には実現しなかったみたいですが
2019-02-09 23:19:54そんなわけで大戦期には成形炸薬の小銃擲弾は対戦車装備としては総じてそんなに……だった訳ですが、でも別の用途では結構便利だったみたいです。特に火点潰し。成形炸薬はコンクリート相手だと装甲相手のざっくり4倍くらい抜くので、ちょっとした建物や木土製の軽い築城相手には便利だったみたい
2019-02-09 23:31:37シュルツェンの効果と欠点、そもそもの目的
シュルツェンの害は色々ありまして、ご指摘のように視察装置を塞いでしまうというのも場所によってはあります。でも一番まずいのは、あれは何だかんだある程度厚みのある装甲板なので結構重いのです #マシュマロを投げ合おう marshmallow-qa.com/messages/abb93…
2019-02-04 22:33:05例えばIV号戦車のシュルツェンだと、車体側面が大体6x1mの大きなさとさて、5mm厚なのを2枚で480kg。砲塔のは伸ばすと7x0.5mくらいで、これが8mm厚で220kg。計700kg。さらにフレームの重さも加わります。IV号G型からH型への重量増の大部分は、車体前面装甲強化よりもこっちが原因っぽいのです
2019-02-04 22:37:35側面は面積が馬鹿広いので、III号IV号みたいに全体をカバーすると薄板の追加でも大変な重さになっちゃいます。だから豹やヘッツァーみたいに側面が傾斜装甲で対戦車銃に耐えられるやつは、側面下部の垂直面の転輪に守られてない部分だけをカバーする限定的なシュルツェンにして軽く済ませたのですね pic.twitter.com/yBDg3gFNdE
2019-02-04 22:46:14そんて虎や王虎になると、側面装甲そのままでも十分に対戦車銃に耐えられるんでそもそもシュルツェン装備は必要ないという訳です。実際には虎の側面を抜けるお化け対戦車銃も存在してて、その一部は少数配備さえされたんですが、あまりに少な過ぎてドイツは存在にさえ気づかなかったっぽい
2019-02-04 22:52:26シュルツェンはあくまで対戦車銃対策と、あとは野砲榴弾での対戦車射撃(徹甲弾がないときは榴弾で撃ってくるのです)として生まれた物なんで、そいつらに耐えられる装甲にはシュルツェンを付ける必要性はなかったんですわね。成形炸薬にも効果的というのは本来考えてなかったオマケで
2019-02-04 23:01:43じゃあ対戦車銃が下火になって代わりに成形炸薬投射機材が広まってきた大戦後半には、豹の傾斜部や虎だって危ないんだし、改めて成形炸薬対策として大型のシュルツェンを虎や豹に付ける必要があるのでは? とも思っちゃう所なんですが、特にそういう話はなさそうです
2019-02-04 23:05:37IV号戦車なんかで使われた金網型のシュルツェンは一見すると対戦車銃対策を捨てて成形炸薬対策だけに絞った軽量版みたいな気がしちゃいますが、あれは実は後発の改良型ではなくて、対戦車銃対策として板型と並行して考えられてたやつみたいなんですよね。軽くて視界も多少通るけど板より製造が手間 pic.twitter.com/LACznZPrj8
2019-02-04 23:17:42金網のシュルツェンなんて銃弾は素通りするんでは? と思うかもですが。でも網の目が1cmくらいなので対戦車銃の口径ならまず引っかかる。すると弾頭が転んで、横転弾めいて装甲に斜めに当たってしまい貫通力が落ちる…って効果を狙ったものみたいです。単純に装甲を追加するものってんじゃないのですね pic.twitter.com/BqMWC545tx
2019-02-04 23:23:20対戦車銃ではなく成形炸薬対策を主目的として金網なり鉄板なりのシュルツェンを装備しようとした話って、考えてみると大戦期ドイツだとちょっと聞かないような気がします。彼らだって成形炸薬は空間装甲に効果が薄くなる事には気づいてた筈なんですが、ちょっと不思議
2019-02-04 23:29:06パンツァーシュレックの手引きからして、転輪どころかKVの雑具箱とかチャーチルの側面グリルカバーみたいな些細な空間装甲的部分まで「効果がないから撃つな」っと塗り分けられてるあたり、成形炸薬と空間装甲の相性について認識があったのは間違いなさそうなのですが pic.twitter.com/RX6wzM73wM
2019-02-04 23:47:45