対戦車小話あれこれ~ライフルグレネードは微妙? シュルツェンの効能、ソ連とパンツァーファウストとRPG

大戦期の携行対戦車装備についてあれこれ雑多に
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

このアカウントはずのうが小学生なので「バズーカみたいなやつはつよそうで好き」くらいに思っていて、だから対戦車火器のおはなしになると饒舌になりがち

2019-02-09 19:41:51
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

パンツァーファウストって最初のファウストパトローネ1が1943年頭で、いっぽうPf60型は1944年8月とかなり遅くなってから出てきてるんでPf60や100はあんまり数が無かったんじゃないかしらと思ってたんですが、実際には生産数が爆発的に伸びたのがそれ以降なんで大多数は60や100だったんですね。意外な

2019-02-09 22:20:18
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

パンツァーファウスト生産数の数字はちょっとふわふわしてるんですが、ひとつには1943年8月から1945年3月までに総数921万発が生産されてて、そのうち207.7万発が大小の30型、残りの713.3万発が60または100型との由。終盤の生産が月産100万発超えてるんで数的には大半が射程延長型になる訳だ

2019-02-09 22:24:01
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ソ連軍では鹵獲パンツァーファウストが好まれてて回収から運用まで組織化されてたって話ですが、そうなってきた大戦末にもなると、あれに求められた性質は必ずしも対戦車装備としてのものという訳でもなさそうかもだ

2019-02-10 08:05:40
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

特に鹵獲パンツアーファウストを好んだのは市街・要塞戦向けに臨時編成された突撃チーム(歩兵中隊に火炎放射兵と工兵と対戦車砲、機関銃をくっつけた小部隊)で、窓や門や壁や銃眼やらを潰すのにたいへん便利だったと。多ければ1チームで毎日250発くらい消費したそうです

2019-02-10 08:16:01
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

「敵が建物から機関銃を撃ってくる? 窓に1発打ち込めば十分。2-3発撃てばレンガやコンクリートの壁の抜ける」とのことで、鹵獲パンツアーファウストは特にベルリン戦ではたいへん重宝された。あんまりにも好まれたので「ファウストパトローネ」ではなく「イワンパトロン」とさえ呼ばれたという話も

2019-02-10 08:26:46
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

そうそう、大戦中のソ連側視点だとパンツァーファウストとはあんまり呼んでなくて、「ファウストパトロン」が主流なんですよね。たぶんドイツ側が導入した時の「ファウストパトローネ」呼称を採り入れてて、そしてドイツ側の呼び方が変わったあともソ連側は最初の呼び方を使い続けたんだろうなと

2019-02-10 08:34:28
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ってなわけでソ連兵のパンツアーファウスト好みは対戦車装備として重宝した面のほかに、「爆発物を投げられる手軽な道具はたいへん便利」という人類永遠の真理の現れかもだ。だいたい歩兵はいつの時代のどこでもそういうの欲しがるのです

2019-02-10 08:38:49
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

じゃあ翻って、ソ連が本当に携行対戦車装備が欲しかった時に何があった? というとコレになっちゃうんですよね。1945年の裏返しとしての1941年を見ると、このたいへん塩っぱくて危なっかしい小銃擲弾が「モスクワ前面のパンツアーファウスト」だったわけです pic.twitter.com/Lxy9Afe4Qb

2019-02-10 08:44:57
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

必要な時に必要なものが一応間に合った訳なので褒めるべきか。いやしかしどう考えても褒められた出来ではないし、実際モスクワの危機が去るや否や瞬く間に生産中止されているし……まあ彼らからしてもイマイチと思ってたのは間違いないでしょう

2019-02-10 08:49:54
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ちなみにVPGS-41は「月産150万発作れ」とか生産計画が立てられて、実際に初動月産35万発とかいう訳分からんペースで生産されちゃった訳ですが、幾らもしないうちに中止されたんで半途品が大量に出来ちゃって。本来の用途には危なくて使えないんで、時限信管つけて無理やり手榴弾に転用されました pic.twitter.com/CFiClIFMiO

2019-02-10 09:07:06
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

VPGS-41のガワを転用したRG-42V手榴弾。対戦車小銃擲弾の転用だけれど対戦車手榴弾という訳ではなくて、延期信管をつけて普通の対人用の手榴弾になってます。要らなくなった成形炸薬コーンを反対に凹ませて炸薬室を広げてたり無理やり感がつよい pic.twitter.com/RN4XgKwoSs

2019-02-10 09:12:40
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ハー。VPGS-41って1941年11月に生産開始されて42年3月にもう中止されてるんですが、実はその短い生産期間のうちでも改良されてて1月末~3月には「VPGS-42」ってのに切り替わりつつあったんですね

2019-02-10 09:22:49
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

VPGS-42で何がどうなったかというと、なんと貫通力がVPGS-41に対して33%も増してます ……30mmが40mmに。これ弾径60mmの成形炸薬弾なんですけどね

2019-02-10 09:26:23
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

黎明期の成形炸薬弾は弾径の精々1~1.5倍くらいしか抜けないのが普通、2倍あれば十分上出来なくらいでしたが、まさか弾径の半分とは。しかも有利になりやすい不旋転弾なのに。まあたぶんソ連最初の実用成形炸薬弾ですからね、しかなたいね

2019-02-10 09:29:10
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