「奥義」を「おくぎ」と読んで違和感←あなたが若いか、クリスチャンじゃないからかも
この冤罪を晴らすのは簡単です。 「おくぎ(奥義)」を載せている辞書もありますし、 常用漢字表に 「「奥義」は,「おくギ」とも。」 と書かれているからです。 bunka.go.jp/kokugo_nihongo…
2019-02-10 23:45:33「奥義(おくぎ)」は、最近になって認められた読み方だとか、今時の若者の日本語の乱れといったものではないんです。 その証拠に、17世紀の『日葡辞書』にも、「Vocugui」というつづりで書いてあります。 books.google.co.jp/books?id=TFJAA…
2019-02-10 23:47:09「奥義」の読み方に出る世代差
NHKが2011年1月に行った調査では、当時の50代以上では、「奥義」を「オクギ」と読む人のほうが多く、それより若い世代は「オーギ(おうぎ)」と読む人が多いという結果が出ています。 nhk.or.jp/bunken/summary…
2019-02-13 01:50:10前掲pdfから引用。 野村雅昭委員 「「奥義」の読みの年代差は,「奥」が漢字表で扱われてきた経緯が影響している。 「当用漢字表」の音訓表の時代に「奥」という漢字に「オク」という音(おん)を認めていた。それが「常用漢字表」になって,
2019-02-10 23:51:57荻野綱男委員 「ゲームの隠れた技などを言うときに「オーギ」ということばを使うことが多いために,若い人が「オーギ」と言っているのではないか。」
2019-02-10 23:54:08「奥義(おうぎ)」が主流派になった要因は、ゲーム(特に1990年代の対戦格闘ブーム)もあると思いますが、その前に、80年代に大ヒットした漫画・アニメ『北斗の拳』の影響が大きいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。 世代差にも、それが現れているようにも見えます。
2019-02-10 23:59:59『北斗の拳』以前の漫画・アニメ・特撮作品などで、「奥義(おうぎ)」を多用しているものがあれば教えてください。 「奥義(おくぎ)」が使われていた作品も教えていただければ嬉しいです。
2019-02-11 00:02:24キリスト教の「奥義(おくぎ)」
1872年(明治5年)に出版された、ヘボンとS・R・ブラウン訳の『新約聖書馬可傳』(マルコ伝)の時点で、「おくぎ」が使われています。 ここでの漢字表記は「奥儀」です。 4章11節 meijigakuin.ac.jp/mgda/bible/sea…
2019-02-11 00:19:50翌年の『馬太傳』(マタイ伝)13章11節では、漢字表記が「奥義」になっています。 meijigakuin.ac.jp/mgda/bible/sea…
2019-02-11 00:20:11この言葉はギリシャ語原典(テクストゥス・レセプトゥス)では「μυστήριον(μυστήρια)」。 欽定訳では「mystery(mysteries)」。 ヘボンらが参考にしたブリッジマンとカルバートソン共訳の中国語訳聖書で、すでに「奥義」となっています。
2019-02-11 00:20:52その後、ヘボンは翻訳委員の中心として「明治元訳」と呼ばれる日本語訳聖書を完成させました。 「明治元訳」の新約聖書で用いられた「奥義(おくぎ)」は「大正改訳」、「口語訳」、「新改訳」でも使われ続けています。 最新版の「新改訳2017」でも、そうなっています。
2019-02-11 00:21:31「新共同訳」の場合、「明治元訳」では使われていない旧約聖書で「奥義(おくぎ)」が使われている一方、新約聖書では使われず「秘密」などと訳されています。
2019-02-11 00:22:08カトリックの日本語訳聖書でも、「奥義(おくぎ)」が使われているものがあります(ラゲ訳、1910年版で確認。バルバロ訳、1975年版で確認)。
2019-02-11 00:23:03キリスト教の言葉では他にも 「悪霊」を「あくれい」 「礼拝」を「れいはい」 「求道」を「きゅうどう」 と、仏教等で使われていた漢語を借りつつ、読みを変える、ということが行われてきたように見えますが、この経緯や理由について調べられた研究や文章はあるのでしょうか?
2019-02-11 00:31:43海老澤有道さんの『日本の聖書』<新訂増補版>219-220頁や、『聖書翻訳研究』25号の石川康輔さんの「より良い訳文を目指して」17-18頁には、この件に関する問題意識が見られますが、短いです。
2019-02-11 01:19:57余談
ヘボンらに先行する日本語訳聖書を見ると、ベッテルハイムのルカ伝8章10節では「秘密」、ゴーブルのマタイ伝では「(てんの)ごせいじ」。 ヘボンらの後、1875年に出版されたカロザース(C・カラゾルス)のマタイ伝では「奥義」に「ヲウギ」、1876年のマルコ伝では「ヲクキ」と仮名が振られています。
2019-02-11 00:37:50