和歌山県の橋杭岩 風化か浸食か

浸食の前にはかならず風化が必要だとする意見に初めて接してめまいがした。
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Takayuki Ogata @s15taka

風化は「かたい/やわらかい」じゃダメなんですよ。そもそも岩盤のレベルか岩石のレベルか鉱物のレベルかもわからない。岩石によって風化のタイプが違い、そのタイプが地形変化にどれくらい効くかはそこの環境で決まる。そういう説明が不可欠。「かたい/やわらかい」で単純化するのは完全なる間違い。 pic.twitter.com/lEXiWiwqNe

2019-02-10 23:24:43
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早川由紀夫 @HayakawaYukio

橋杭岩は、案内板にあるように浸食でつくられました。風化でつくられたのではありません。風化は、地層がその場でもろくなることをいいます。いっぽう浸食は地層が運び去られます。やわらかい泥岩が波で運び去られたとする案内板の説明はしごく妥当です。 twitter.com/s15taka/status…

2019-02-11 07:10:55
早川由紀夫 @HayakawaYukio

風化でものが運び去られるとする理解は、原子力業界に広くありますが、風化(ウェザリング)はその場(in situ)で進行するプロセスです。ウェザリングで放射線量率は変化しません。浸食によってはじめて放射線量率が減少します。原子力業界の用法は致命的にまずい。それと同じようにまずい主張です。

2019-02-11 07:14:16
早川由紀夫 @HayakawaYukio

橋杭岩は差別浸食の典型例。

2019-02-11 07:18:43
Takayuki Ogata @s15taka

「侵食でつくられた」は正しいです。しかしそのためには、まず風化を受けて、侵食される準備が整わないといけません。どのように風化するかは「かたい/やわらかい」では説明できず、岩石の側と環境の側の条件が整って相対的により強く風化されたものが、より速やかに侵食されることになります。 twitter.com/HayakawaYukio/…

2019-02-11 08:12:07
Takayuki Ogata @s15taka

これは地形変化の思考を「風化からスタートさせている」か「浸食(侵食)からスタートさせているか」の違いといえそう。地形変化は当然ながら前者で考えるべきものなんだが、地形学に詳しくない地質学者は後者で考えがちになるようで、そのような事例はたまにみかける。いきなり侵食からは始まらない。

2019-02-11 09:15:28
早川由紀夫 @HayakawaYukio

浸食の前にはかならず風化が必要だとする特異な意見だ。海食、波食、差別浸食などの地形学の基本を否定している。 twitter.com/s15taka/status…

2019-02-11 13:29:00
早川由紀夫 @HayakawaYukio

斜面崩壊で生じたばかりの新しい崖には、波が当たっても浸食作用が働かないとでも思っているのだろうか。

2019-02-11 13:30:59
早川由紀夫 @HayakawaYukio

限られた範囲での観察をすべてに当てはめることはできない。個別の自然を見ることをしないで論理で説明しても正しい理解には到達できない。

2019-02-11 13:36:22
早川由紀夫 @HayakawaYukio

ダイクは差別浸食によってしばしば壁のようにそそりたつ。そもそも英語のdikeがそういう意味だ。 hayakawayukio.jp/kazan/field/08…

2019-02-11 13:46:37
早川由紀夫 @HayakawaYukio

古今書院・地理でのドローン隔月連載「鳥の目で地形や風景を見てみよう!」9回目の12月号は「マグマの通り道 ダイク」です。ネット立ち読みでご覧になれます。 kokon.co.jp/book/b333441.h… pic.twitter.com/TaqB16J0Fy

2017-11-24 21:51:51
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Takayuki Ogata @s15taka

地形学の基本は風化・侵食・運搬・堆積プロセスの順で考えることです。もちろん例外はあります。例えばカルスト地形では石灰岩の溶解(風化)と溶食(侵食)が同時に発生します。しかしここで議論になっている橋杭岩はそのような例外ではなく、侵食からではなく風化から順に考えていくことが重要です。 twitter.com/HayakawaYukio/…

2019-02-11 13:46:52
早川由紀夫 @HayakawaYukio

もし橋杭岩が風化によってできたのなら、風化が及ぶ地表からの深さ、そうですね1メートル程度しか海岸から立ち上がっていないはずだ。しかし、じっさいには何十メートルもそそりたっている。風化ではなく、波浪による浸食に耐える十分な「かたさ」を橋杭岩ダイクが保持しているからである。

2019-02-11 14:09:16
Takayuki Ogata @s15taka

@HayakawaYukio 相対的な海面変動の影響も受けながら、潮間帯で泥岩(の粘土鉱物)が乾湿風化を繰り返し、破砕されたものが速やかに波で失われることが続いて、現在の比高に至ったはずです。ただどれくらいの時間がかかってるかがよくわかりません。

2019-02-11 14:35:48
Takayuki Ogata @s15taka

@HayakawaYukio 比高は(きちんと測ってはいませんが)数メートル、高いやつでも10メートル程度だと思います。

2019-02-11 14:56:00
早川由紀夫 @HayakawaYukio

橋杭岩がおもに風化によってできたのなら、角が取れて丸くなっているべきだ。風化とはそういうものだ。角張っているのは、風化がこの地形をほとんど決めていずに、波浪による浸食が主要因であることを示している。うさはかせのドローン写真を見ればわかる。 twitter.com/usa_hakase/sta…

2019-02-11 17:44:29
月野うさはかせ Prof.Lièvre @usa_hakase

串本の橋杭(はしくい)岩脈。南紀熊野ジオパーク pic.twitter.com/KlkUiYVex5

2018-04-30 20:29:57
月野うさはかせ Prof.Lièvre @usa_hakase

通りかかったら引き潮だったので橋杭岩のそばに行ってみた。 pic.twitter.com/iPLBMufG2Z

2018-05-01 20:26:49
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