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前の話

ツイートまとめ (異)世界最大の猪が飛行船になった話 亥年だからね 606 pv 8

本編

帽子男 @alkali_acid
皆さんこんばんわ。厳しい寒さが続きますが、これを乗り切ればもうすぐ春。 花見やたけのことりなどで楽しい季節がやってきます。 でも温かくなると、やっかいものも沸いてきますよね。 「啓蟄」なんていうぐらいですから、虫はもちろん、農作物をあらす鳥や獣、女子供を追いかけまわす変質者…
帽子男 @alkali_acid
皆さんの大嫌いなあの憎たらしいゴブリンも活動を始めるんですよねえ。 ゴブリンといえば害獣の代表。中途半端に人間に似た姿で、一匹一匹は手ごわくないですが、群をなすと面倒。女を襲って輪姦し、男は嬲り殺しにし、家畜を奪い、牛乳を酸っぱくし、子供を取り換える。
帽子男 @alkali_acid
あのろくでもないゴブリンを、何とか駆除したいと皆さんも考えておいででしょうけれども、なかなか簡単ではない。中途半端なアルバイトなどに任せると、なぜか女連れの物見遊山でやってきて勝手に全滅。むしろ繁殖を手伝ってやることにもなりかねない。
帽子男 @alkali_acid
蟻塚の駆除を頼んだら、大量の砂糖担いであらわれたみたいな話ですよ。 生活かかってんだからお互いもっとまじめにやれって感じですよね。 やっぱ便りになるのは冒険者みたいな役立たずより正規軍。 害獣だって増えすぎれば自衛隊に頼みますからね。北海道とかでも活躍してる。
帽子男 @alkali_acid
今回は、大陸にその名を轟かせた竜騎士の王国、ドラゴニアの正規軍の採用している駆除方法をご案内しています。素人が真似をするのはちょっと難しいですが、一応ご参考まで。
帽子男 @alkali_acid
ゴブリンの面倒さといえば、ずる賢くて嫌らしい性格に加えて、あの逃げ足の速さと、小さな体を生かして洞窟や森、草原の叢(くさむら)などに隠れて掃討をかわすところにあると思います。洞窟で一匹ゴブリンがいたら百匹はいると思えの諺どおり、本当に狭いところにぎっしり詰まってる不愉快な種族。
帽子男 @alkali_acid
洞窟にぼんぼん薪だの油だのを投げ込んで燻し殺せばいいと思うでしょう? 意外と抜け穴を心得てて、火や煙の届かないところで生き残ってるもんなんです。 強力な攻撃呪文も、猛毒の瓦斯も、見えないところに逃げ場を作られると決め手にならないんですね。
帽子男 @alkali_acid
だからといって、もちろんまったく無駄でもないので、ドラゴニアの竜騎士団ではまず空を舞う天竜が吐く液状の炎と、山々を揺るがすほどの地竜の吐く致死の毒霧でもってゴブリンの巣の入口付近を「消毒」します。 それからあとが地道な奥の掃除になるんですが、ここが重要。
帽子男 @alkali_acid
達人ならいちいち剣を振り回して戦うかもしれませんが、軍は効率を重視します。 幸いドラゴニアには頼れる人間の味方、走竜がいます。これは二本足で駆けまわる猟犬のような小さな竜で、敵をしとめる息吹を吐けはしませんが、鋭い爪と牙、丈夫な鱗、何より暗闇で効く目と敏感な耳、鼻がある。
帽子男 @alkali_acid
走竜は匂いを覚えた獲物を執念深く追い詰めます。軽捷で獰猛、ゴブリンがしかけたちんけな罠など起動する前に潜り抜け、偽装など無視して熱を放つ標的の喉笛に食らいつき、後ろ脚の短剣のような爪ではらわたを引き裂く。
帽子男 @alkali_acid
とりわけ竜の王国の中でも、追跡と偵察、暗殺と策略を担う“竜影(たつかげ)の守人(もりびと)”が操る走竜の群は優れた成果を上げました。 洞窟の最奥に追い詰められた幼いゴブリンの餓鬼どもがみじめに命乞いするのを、生きながらばらばらに引き裂く時あがった無様な悲鳴を皆さんに聞かせたかった。
帽子男 @alkali_acid
醜いちびの一匹は震えながら銅貨を差し出していったもんです。 「おいらのかね、ぜんぶあげます。ほかのやつはどうなってもいいから、おいらだけたすけて」 守人の長は走竜を退け、一歩進み出ると、いきなりその頭を小斧で叩き割りました。
帽子男 @alkali_acid
引き連れてきた新参に聞かせます。 「ゴブリンどもは、命乞いをする人間の子供をどれだけ無惨に殺してきたと思う…だが、これよりは我等が奴等にとってのゴブリンとなるのだ」 「承知」 かくて滅びた小鬼の巣は数知れず。
帽子男 @alkali_acid
ドラゴニアは英邁なる新王のもと、一切の容赦も油断もせずおぞましい種族の殲滅を進めます。 天竜の炎と地竜の毒、走竜の牙爪の追うところ、かのゴブリンタウンの精鋭、“腐肉漁りの鴉の兄弟団”さえ次々にずたぼろの肉塊に変わったのでした。
帽子男 @alkali_acid
かくして正規軍の活躍により、吐き気をもよおす害獣、ゴブリンはこの世から一匹残らず消えた、かに思えた、のですが。 ネズミやゴキブリ、ダニやシラミを我々が克服できていないように、泥棒の、人殺しの、強姦魔の、嘘つきの、疫病持ちの、ずるくて卑しい小鬼どもは、まだ…
帽子男 @alkali_acid
◆◆◆◆ 「ゴブリンどもが生き残っているだと」 竜の君と呼ばれる英邁の王ガイゼスは、竜の峰にある後宮にくつろぎつつ、影のようにわだかまる臣下を引見していた。
帽子男 @alkali_acid
十人は寝そべれそうな広い絹張の寝台には、銀髪銀眼の乙女から、黒髪褐膚の麗人、東洋の黄の肌をした妖精や、紫の肌に角を持つ小人まで色とりどりの寵姫がそれぞれ淫らがましい衣装をまとい、恍惚の面持ちのまましどけなく横たわっている。
帽子男 @alkali_acid
王は気に入りの銀髪の娘を抱き寄せ、形のよい乳房を揉みしだきながら、葡萄酒を呷る。 竜影の守人の長は平伏したまま、主君の放埓なふるまいに気づかぬふりをしていた。 「闇の国に巣食っていたゴブリンが、予の誅を逃れたか」 「いえ」
帽子男 @alkali_acid
「我が手のものがくまなく闇の国の都を探りましたが、ゴブリンはおろか動くものの気配は…ありませんでした」 「だが気を付けよ。我が妾妃の話では」 合図をすると東洋の妖精、暁の名をとるドーンエルフの女が近づき、ガイゼスと接吻をかわし、うっとりと喘いでから告げる。
帽子男 @alkali_acid
「闇の国に潜んでいた小鬼は…魔法の道具を持っていたアル…不思議な指輪はすでにすべて陛下のものアルが…ほかに女を狂わす獣鬼の血、姿を隠す妖精の粉、幾らでも増える豆の苗、どんな反物でも作れる織機…あと変な乳を発酵させた酒みたいのも…効果は分からないアルが…」
帽子男 @alkali_acid
守人の長は不快を隠したまま耳を傾ける。君主はエルフと人間の乙女を交互に愛撫しながらも問う。 「いずれも闇の国で我が竜ゴルディアの息吹によって朽ちた思えるが、油断はならぬ。ゴブリンはああした道具を使って卑劣な真似をするのが得意。お前の考えも聞こう。いかに?」
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コメント

ぽんぽん @apocalypse1706 8日前
あからさまなパクリはよくないのではないかな……