【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」】

横山光輝「三国志」を一話ずつ解説してみようというコーナー。第200話「孟徳新書」の巻。 ※解説はbotさんの個人的見解です。 ※今回の話は、大判・横山光輝「三国志」第12巻に収録されています。
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横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」01】 第200話です。今回から、大判・横山光輝「三国志」第12巻に入ります。 蜀の張松が、曹操の力をもって漢中を牽制しようという作戦を立てまして、自ら蜀の地図を持って許都へ向かいます。この時代の首都だけあって、花の都、賑わいを見せております。

2019-02-19 12:33:37
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」02】 曹操はというと、西涼の猛威を粉砕してからというもの、ますます得意となり、連日酒宴に明け暮れていました。曹操の臣下もすっかり慢じ、いまや曹操一門でなければ人でないような、我が世の春を謳歌しています。つかの間でしょうが平和ボケしてたようで。

2019-02-19 12:35:53
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」03】 このような浮ついた空気の中、張松は許都に到着します。華やかで目もくらむばかりの都ですが、遊びにきたわけではありません。張松は早速、入国の手続きと、曹操への拝謁の申し込みをするために馬を降ります。

2019-02-19 12:37:44
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」04】 受付センターみたいな役所があるようで、張松は手続きをします。役人は、曹操は毎日大勢の人と会って忙しいから、順番を待てと言います。おって通知すると言われた張松は、芙蓉飯店という看板がある建物で待機します。料理店兼宿泊所でしょうか。

2019-02-19 12:39:55
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」05】 待つこと7日。店の主人は、町の見物でもいったらどうかと進めますが、張松は、いつお召しの知らせがくるかわからぬと、ひたすら待つことに。それにしても日数がかかるものだと顎をてでさすります。店の主人は、張松に賄賂を係の者に贈ったかと尋ねます。

2019-02-19 12:42:15
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」06】 拝謁するだけでも賄賂がいるのか、と驚く張松。店の主人は、そりゃ丞相に拝謁を申し込んでいる人は数え切れぬほどですからね、と答えます。同じ取次でも賄賂を渡した方を優先するに決まってるということです。曹操の国でも末端は腐敗が進んでいるようで。

2019-02-19 12:44:53
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」07】 店の主人は、もしお急ぎなら自分が賄賂を届けましょうか、と提案。ふむうと一考した張松ですが、これを届けてくれ、とお金が入った袋を主人に渡します。たしかに、と受け取った主人。ちょろまかしたりせず、賄賂を贈ったようで、数日後に通知が届きます。

2019-02-19 12:46:46
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」08】 あさって丞相と会える、という知らせ。主人は自分が言ったとおり、賄賂の効果はてきめん、よかったですね、とニコニコしていいますが、張松は、素直に喜んでいいものか、と答えます。賄賂がまかり通る国のありように疑問を持ったことでしょう。

2019-02-19 12:48:05
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」09】 ともあれ、張松は曹操のお目通りが叶いました。 曹操の前であいさつをする張松。曹操は開口一番、蜀はなぜ毎年の貢物を献じないのか、と言います。隣の漢中は貢物を献じることで張魯に支配を許していますが、蜀はそこまで密な関係を持ってないようです。

2019-02-19 12:51:42
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」10】 張松は、蜀道は険阻なうえ、途中、盗賊も多く、貢物を運べぬ状態でございます、と答えます。その言葉は聞き捨てならんと曹操。諸州の害を討ち、今やいながらにして天下を収めていると。野盗が出没するほど、自分の威光は衰えていないと言います。

2019-02-19 12:53:29
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」11】 しかし、張松は、天下はまだ平定していないと言います。漢中に張魯、荊州に玄徳、江南に孫権がいて、無頼の巣たる地方はどれほどあるかわからぬと。この言葉を聞いた曹操は、おもしろうない、と言って引っ込んでしまいます。

2019-02-19 12:54:57
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」12】 本題に入る前に曹操の不興を買った張松に対し、曹操の配下達に、やれやれ、外国の使者として来ているのに、逆らうとはどういうつもりか、田舎者は早々に帰った方がいいとまで言われる始末。

2019-02-19 12:56:40
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」13】 張松は平然とした顔で、魏では本当のことは言えぬと見える、みんなおべっか使って丞相の機嫌をとられるのかな、と言います。この言葉に、噛み付く人物が出てきます。魏の人間は嘘つきだというのか、と男が言うと、張松は、嘘つきだとまでは言わないが…

2019-02-19 12:58:45
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」14】 蜀の人間はそこまでおべっかを使わぬ、と答えます。男は、張松の言葉のはしには丞相府の人々、つまり曹操の配下を軽んずる響きがある、蜀の人間が魏の人間を軽んじられるほどすぐれているのかどうか聞かせろ、と自分の部屋まで張松を連れて行きます。

2019-02-19 13:00:56
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」15】 ここならば心おきなく語れるだろう、と男は張松を中に招きます。男は、内外の倉庫の主簿(文書管理と事務処理の担当官)を務める楊修と名乗ります。張松も別駕(州の長官の補佐官)の任につく者、と名乗ります。こうして楊修と張松の舌戦が始まります。

2019-02-19 13:04:29
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」16】 まずは楊修が長旅の疲れをねぎらう言葉をかけると、張松は、主人(=劉璋)の命ならば、万里の遠さはおろか、熱湯、猛火の中とて恐れませぬ、と並々ならぬ決意でやってきたことを表明します。

2019-02-21 12:33:34
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」17】 楊修が、蜀の風土産物を尋ねれば、張松は益州と言われた蜀の豊かさを誇示し、蜀の人材を問われれば、知勇を兼ね備えたものは百をもって数え、自分程度なら掃いて捨てるほどいる、と答えます。蜀の実力を高く見せ、魏に侮られまいとしたのでしょう。

2019-02-21 12:36:50
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」18】 反対に、張松は、なぜ名門であるはずの楊家出身の楊修が、本来ならば天子(漢の皇帝)を補佐し、身命を捧げる立場にありながら、なぜ曹操の小役人になられた、と質問します。

2019-02-21 12:39:01
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」19】 これに対し楊修は、あなたは丞相の偉大さを知らぬのだ、と答えます。ほう、とどんなところが偉大なのか、と訪ねる張松。聞く所によれば、文武のどちらも中途半端、ただとりえは覇道強権を徹底的にやりきる信念だけであると聞いているとまで言います。

2019-02-21 12:42:01
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」20】 曹操を侮辱するかのような発言ですが、楊修は、田舎者には曹操の偉大な才能を知らんからそんなことを言えるのだと言い、いかに優れているのか証拠を見せてやる、と冊子を持ってきました。さあ、読め、と差し出したのは「孟徳新書」と書かれた兵法書。

2019-02-21 12:44:04
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」21】 ふむふむ、と一読する張松は、これは誰が書いたのか尋ねます。題名に孟徳と書いてあるのにもかかわらず、わざとらしい質問ですが、楊修は丁寧に解説します。すなわち、曹操が自ら後世の兵家のために筆を取ったのだた。

2019-02-21 12:45:59
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」22】 古学から近代戦術まで、孫子(の兵法)13篇になぞらえ、13篇に編集され「孟徳新書」と題せられたもの。これを見ても曹操の偉大な才能がおわかりであろう、と楊修はドヤ顔で言います。しかし、それを聞いて笑い出す張松。

2019-02-21 12:48:01
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」23】 こんなものは蜀の国では、子どもでも知ってる内容だといいます。戦国春秋の頃、これとそっくりな著書が出てるが、著者が誰ともわからぬため、曹操はそのまま書き写して新書などと言って、無学の子弟に自慢してるのであろう、と言う曹操。

2019-02-21 12:49:33
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」24】 曹操の著作物は誰かのパクリだとまで言われて、さすがに楊修もムッとします。どれほど悪意をもたれたか知らんが、こんな難しいもの、子どもでも知ってるというなら、試しに暗唱してみろと言います。これに対し、スラスラと暗唱してしまう張松。

2019-02-21 12:51:38
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【横山光輝「三国志」講座200「孟徳新書」25】 13篇全部を読み上げるだけでも結構な時間がかかったことでしょうが、張松は間違えること無くやってのけました。これには楊修も驚愕。思わず土下座して、恐れ入りました、あなたのような賢者に会ったのは初めてです、と張松の才を認めます。

2019-02-21 12:53:37