チキンラーメンと安藤百福、その虚像と実像〜近代食文化研究会さんの検証(※長いシリーズの一部です)

※このツイート以前から、丁寧な検証が続いています。これはあくまでも途中から一部をまとめたものです。/NHKのドラマ「まんぷく」でも即席ラーメンが完成し、売れ始めましたが、或る意味ドラマ以上にスリリングな、即席ラーメンをめぐる本当の物語とは。
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※このまとめは2019年2月13日の途中から、21日までのツイートですが、それ以前から検証は始まっています。

13日ぶんは追加収録しました。この追加収録で、先駆的にまとめられた


(2019-02-06 ― 2019-02-13)から、つながることになります。

「近代食文化研究会」タグ
https://togetter.com/t/近代食文化研究会

同氏のツイログ https://twilog.org/ksk18681912

近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

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許炎亭と安藤百福が共同で設立した三倉物産は、大和通商がおもに東京で発売していた鶏糸麺を、チキンラーメンの名で関西方面で発売します。 その大和通商社長陳栄泰が、新日本経済昭和38年1月号に「鶏絲麺のおいたち」という、インスタントラーメン黎明期の事情について寄稿しています。 pic.twitter.com/n7e1SARVZh

2019-02-13 03:13:17
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”然し、インスタントラーメンの誕生は、今から六百年前中国で古くから伝わっている中国明朝時代の帝王が点心として愛用したという鶏絲麺を取りあげ、これをインスタント化にヒントを得て、大和通商社が昭和三十三年の六月に、即席鶏絲麺という名称で日本における最初の芽生えをしたのにはじまる。” pic.twitter.com/ciQ7IPN74G

2019-02-13 03:13:17
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陳栄泰は、大和通商の鶏糸麺のルーツが中国にあると認めていました。 陳栄泰については、昭和文化史研究家の串間努氏が小説宝石1999年12月号において、遺族である奥さんへのインタビューを交えつつその生涯について記述しています。

2019-02-13 03:13:18
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大手マスコミがほとんど関心を示さない(あるいは書けない?)安藤百福の様々な疑惑に、早くから警鐘を鳴らしていたのが串間氏です。 安藤百福が陳栄泰の特許を盗んだという、財界展望昭和58年5月号における許炎亭の証言を掘り起こしたのも串間氏です。

2019-02-13 03:13:18
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小説宝石の串間氏記事によると、陳栄泰は台湾生まれ。 ”社長の陳栄泰氏は一九二〇年十一月三十日に、台湾の新竹というところで生まれた。成人するまでのあいだに上海や香港、東京などを行ったり来たりしていた。” pic.twitter.com/hd7hNO2NWR

2019-02-13 03:13:19
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陳栄泰も安藤百福や許炎亭と同じく、台湾出身者でした。そして台湾には雞絲麵という、油脂で揚げたインスタントラーメンが戦前から存在していました。 雞絲麵については、「NHK『まんぷく』チキンラーメンは本当に「発明」なのか」を参照してください bit.ly/2UuOkG6

2019-02-13 03:13:19
リンク BLOGOS 【番外編】NHK『まんぷく』チキンラーメンは本当に「発明」なのか(上)- 野嶋剛 日清食品創業者の安藤百福と、その妻・仁子をモデルにしたNHK連続テレビ小説『まんぷく』。好評のまま、物語は佳境を迎えつつあるが、終盤の山場は、安藤氏が無一文からチキンラーメンの開発で「一発逆転」を勝ち取るところだ。一方、安藤氏や日清食品側はかねてから「発明」説 1 user 534
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陳栄泰の鶏糸麺が、台湾の雞絲麵を工業生産化したものであることは間違いないでしょう。 陳の「明朝時代の帝王が点心として愛用した」という主張の是非はともかく、自分の製品のルーツが中国にあることを、陳は認めていました。

2019-02-13 03:13:19
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陳と安藤百福との関係については、陳の死後串間氏が奥さんからヒアリングしています。 ”インスタントラーメンの製法が、どうやって日清食品さんに渡ったかというと、そこに一人の人間が存在します。許炎亭という人です。” pic.twitter.com/Lmn3oJWrK8

2019-02-13 03:13:20
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”この人は、後に日本名を井上炎亭さんといいますが、この方が、安藤百福さんと三倉物産という会社を作りました。 一部分の出資も、実は社長もしてるらしいんですよ。” ここらへんの事実関係は、安藤百福推薦の「即席麺と特許」に書かれていることと同じです。 pic.twitter.com/PWMp5OHPb0

2019-02-13 03:13:20
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”社長は許炎亭さんとある意味で懇意になって、よく一緒に酒を飲んで、インスタントラーメンを『こうつくる、ああつくる』という話をしたんですね。” pic.twitter.com/dT9gTZsJSa

2019-02-13 03:13:21
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”これを許さんが呉さんに『こうつくる、ああつくるらしいよ』と言って、伝わってしまい、呉百福さんが自分のお嫁さんのお母さんの名前、安藤須磨という名前で特許申請をしたんです。”

2019-02-13 03:13:21
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この証言は、時期などの相違点をのぞけば、財界展望昭和58年5月号における許炎亭の証言と一致します。 それでは陳自身はどう語っていたのか。生前に陳が寄稿したの新日本経済昭和38年1月号には次のようにあります。 pic.twitter.com/WcygGQWtF6

2019-02-13 03:13:21
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”昭和三十三年、最初に即席鶏絲麺を三越本店、伊勢丹およびその他のデパート、食料品店で宣伝販売を開始” pic.twitter.com/I2pCahOBEL

2019-02-13 03:13:22
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”これに引続き、関西地区、中京地区まで販売を拡げたのである。然し、これは一日一千食内外しか売れなかった” ”その結果売れ行きが活発となり、翌三十四年に大和通商株式会社の関西代理店(現在関西Nメーカー)、それにその他のメーカーが相次ぎ製造したのである” pic.twitter.com/ei2AHcivTA

2019-02-13 03:13:22
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昭和33年に関西で販売開始、翌34年にはその販売代理店であった三倉物産(後のNメーカー=日清食品)が自身で製造開始とするならば、安藤百福推薦の「即席麺と特許」に書かれていることと一致します。

2019-02-13 03:13:23
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”不幸にして、関西Nメーカーに特許内容、並び製造方法を教えたことによりその業者に軒先を貸して母屋とられた状態で、過般の即席ラ ーメン特許騒動で、業界並びに一般の方々はよく存じていることと思う。” pic.twitter.com/HVNsfvV0OP

2019-02-13 03:13:23
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読売新聞昭和37年6月23日朝刊においても、陳は同じ主張をしています。 ”わたしのところが日本で一番最初に売り出したのだし、出願したのだ。日清の前身である三倉物産はわたしの関西代理店だったもので、日清がとった特許はKというわたしの親友から聞いたので、その証拠もある。” pic.twitter.com/NltAn5EYme

2019-02-13 03:13:23
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陳栄泰もまた、”軒先を貸して母屋とられた”つまり関西Nメーカー(日清食品)に特許を盗まれたと主張していたのです。 しかも特許だけでなく、製造方法までも盗まれたと主張しています。

2019-02-13 03:13:23
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親友Kは許炎亭のことでしょう。 このように陳栄泰や許炎亭は、安藤百福が大和通商の特許や製造方法を盗んだと主張していますが、あくまでこれは客観的な証拠のない主張。 明日は、この主張に対する安藤百福側の反応をまとめていきます。

2019-02-13 03:13:24

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

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安藤百福の特許は、陳栄泰の鶏糸麺特許を盗んだものである。 安藤百福とともに日清食品の前身三倉物産を設立し、チキンラーメンの名付け親でもある許炎亭と陳栄泰はそう主張します。 pic.twitter.com/QZWffrLdN5

2019-02-14 03:16:30
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財界展望1989年2月号に、これに対する日清食品側の反論が掲載されています。 日清食品大阪本社の幹部によると ”盗んだと言ってましたか、ウチの会長のことを。本当にとんでもないことですよ。” pic.twitter.com/M2rzoZ8r0b

2019-02-14 03:16:31
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