宮崎・早野論文の計測技術面からの検討「宮崎・早野第1論文 係数0.15のからくり」

宮崎・早野 第1論文に関する計測技術面からの検討を中心に,昨今の論争に関しての私見をまとめました.
41
cwt @clear_wt

「宮崎・早野第1論文 係数0.15のからくり」 docs.google.com/document/d/1Rw… なぜ,<航空機モニタリングによる空間線量の積算>と<個人線量の実測値>の関係を求めると平均0.15倍というありえないほど低い係数となったかを整理しました.スマートフォンでは脚注が見えませんが,PCブラウザから見られます

2019-02-14 21:57:22
リンク Google Docs 宮崎・早野第1論文 係数0.15のからくり 宮崎・早野第1論文 係数0.15のからくり 2019年2月18日 Twitter ID: @clear_wt e-mail: clear.wt@gmail.com [0] 緒言 以下の文書は宮崎・早野氏らによる論文 Makoto Miyazaki and Ryugo Hayano, "Individual external dose monitoring of all citizens of Date City by passive dosimeter 5 to 51 months after the F 1
cwt @clear_wt

メカニズムを厳密に検討するのは現実と無関係の研究者の趣味の様に言われることもあるけど,得られた結果を他に適用できるか(一般化できるか),他に適用する場合にはどのような注意が必要かを見極めるためには必要. 一方で,現実から乖離したただの数字遊びにならないように注意も必要.

2019-02-15 00:35:49
cwt @clear_wt

「宮崎・早野第1論文 係数0.15のからくり」 まだ書いていない後半ですが,2017年5月に作成した 「航空機モニタリングによる線量率測定結果と個人線量の関係について―宮崎・早野論文(2017)の解釈」 togetter.com/li/1115697 や他のまとめで既にほとんど述べています. docs.google.com/document/d/1Rw…

2019-02-15 12:18:30
cwt @clear_wt

ガラスバッジでの測定結果から引く0.54mSv/年の根拠や妥当性については 「ガラスバッジによる個人の線量測定」 togetter.com/li/778890 の最後の方に千代田テクノルに問い合わせた結果を記してあります. これも2015年3月時点でほぼ決着がついている問題.

2019-02-15 12:25:01
cwt @clear_wt

今回の航空機モニタリングと,モニタリングポストという違いはあるものの,<地域の放射線量>というたった1つの数字から個人の線量を推定する係数設定の難しさと分布の問題については togetter.com/li/567448 の最後に,2013年時点で話が出てる. これも原理から考えれば誰にでも考えつくこと.

2019-02-15 12:32:30
cwt @clear_wt

3章「置きっぱなし線量計の問題と論文の限界」を追記しました. 宮崎・早野第1論文 係数0.15のからくり docs.google.com/document/d/1Rw…

2019-02-15 21:08:41

cwt @clear_wt

某女性週刊誌の記事は典型的な<悪意を背景とした切り取り>となっている. 「その数字と根拠を示さないといけません」 関連する部分を,解説の3章(docs.google.com/document/d/1Rw…)に引用している.これでも<根拠なく>と言うのだろうか. 日本語訳を作ったのは黒川氏自身である.知らないはずがない. pic.twitter.com/KlZkBeQBRK

2019-02-16 09:49:43
拡大
拡大
cwt @clear_wt

黒川氏は日本語訳を作った本人である. 「得られた結果に大きく影響しないと信じる」の後ろにある,著者らが挙げた根拠を知らないはずがない. それなのに,「こんな文言があったら学部の卒論レベルでも落第するレベルだという」という記述につながるコメントをするだろうか?記者の作文ではないか?

2019-02-16 09:55:31
cwt @clear_wt

しかし,#女性自身 の宮崎・早野論文に関する悪質な印象操作記事を鵜呑みにして糾弾するようなのが目につくが,黒川眞一氏の名前が権威付けに悪用されているようにも感じる. 一昔前なら週刊誌の記事など,ちょっと気の利いた人なら疑いつつ読むのが当然だったのだけど. twitter.com/clear_wt/statu…

2019-02-16 19:19:04

cwt @clear_wt

「宮崎・早野第1論文 係数0.15のからくり」中の,各種線量(航空機モニタリング,地上測定での空間線量,予測値,個人線量実測値)の関係の図が一部環境で不鮮明になり読めないので,図を drive.google.com/file/d/1QnaEzt… に置き,別に参照できるようにしました. docs.google.com/document/d/1Rw…

2019-02-18 12:43:21

cwt @clear_wt

1)黒川眞一氏は第2論文については精緻な検討を行われていると思うが,少なくとも第3論文に関する批判(幻の第3論文)はおかしいと感じる. 第3論文は「個人の外部被ばく線量と内部被ばく線量との間には相関が無い」との予測のもとに計画されたものであるが,結果として発表されなかった.

2019-02-20 19:26:53
cwt @clear_wt

2)その理由として,黒川氏はいくつかの根拠※(岩波「科学」2月号に細かく記載)を挙げ, 「第3論文を発表しない本当の理由は,外部被ばく線量と内部被ばく線量の間の相関がはっきり表れたためであり,2015年になっても数千Bqの内部被ばく者が存在するためと考えられる」と断じている.

2019-02-20 19:27:43
cwt @clear_wt

3)しかし,その根拠※は,相関の有無を言うにはあまりに弱いものであるにも関わらず, 「外部被曝線量と内部被曝線量の間には明らかな相関がある事を示している。」と断言している.これはあまりにも雑な議論である.

2019-02-20 19:28:21
cwt @clear_wt

4)何より,第3論文は結果がほぼ自明な研究計画である.現在において, A)住民の<大半が> B)(自給生活でもない限り)食品のほとんどが地元のごく狭い居住地区のもの とは考えられない.両方がそろって初めて相関が出るが,そもそも相関が出る方がおかしい(出たとしても疑似相関である).

2019-02-20 19:29:40

↑上で「疑似相関」という言葉をうっかり使ってしまっていますが,「出たとしても疑似相関である」は不要な補足でした.

疑似相関は「見えない要因(潜伏変数)によって因果関係があるように推測されること」と説明されるので,この場合は無関係なのに偶然そうなる,<単なる偶然>,とみなす方が適切です.

cwt @clear_wt

5)相関の強さで言えば,第1論文(航空機モニタリングによる空間線量と個人線量の関係)よりもはるかに弱くなるのはちょっと考えれば誰にでもわかる話.

2019-02-20 19:33:54
cwt @clear_wt

6)農業地区であれば地元の米や野菜の摂取割合は高いであろうが,米については検査もされ,移行率が低いことも確認されている.山菜やキノコ類を日常的に食べる地区であれば別ではあるが,それはそういった個人の行動が集まった結果であり,根本的な外部被曝や内部被曝の性質からくる相関ではない.

2019-02-20 19:34:37
cwt @clear_wt

7)そもそもこのような理屈から考えても出るはずの無い相関を確認する研究が計画されたのは(当時の状況からすると)地元の人への説明のため,安心のためと推測するが,それにしても最初に風呂敷を広げすぎであり,無理に発表してもその意義は乏しい.

2019-02-20 19:35:39
cwt @clear_wt

8)この様な論文の出版を取りやめたことをもって,「相関がはっきり表れたためであり」と断じ,「研究倫理に反していると言わざるを得ない」というのは無理筋である.少なくともこの点については黒川氏の批判は当たっていないと考える.

2019-02-20 19:36:21
cwt @clear_wt

9)このような相関が出るはずの無いことは宮崎・早野両氏とも始める前から分かっていたはずである.それでも計画に盛り込まれたのは,(安心のために)科学的には必要のないBabyScanが開発されたことにも似ている.当時の状況もあわせて考えたい.

2019-02-20 19:36:56