リファレンスの翻訳について

英文で書かれたリファレンスマニュアルの翻訳を、もっと読みやすくしたい。というつぶやき。
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smw @Shi_MeiWo

またまた長文ツイートいきます。今回は「英語マニュアルの日本語訳」について。いろいろな理由から、特にリファレンスマニュアルは「直訳」つまり「書いてある通りに訳す」ことが宝として尊ばれる。それは理屈としては正しいが、英語と日本語の構造の違いから、意を尽くせないこともある。

2011-04-16 22:55:06
smw @Shi_MeiWo

例えば、こういうの。 http://bit.ly/9FrO3m 「サウンドを再生する~」で始まる行を呼んでみて欲しい。これは、こちらの文章の日本語訳となっている。 http://bit.ly/gstmQ4

2011-04-16 22:59:48
smw @Shi_MeiWo

実はこの機能の本来の目的は「サウンドを鳴らす」である!だが、さきの「サウンドを再生する SoundChannel オブジェクトを新しく作成します」とは「再生はSoundChannel オブジェクトを使い、それはplay()で作る」という意味の日本語である。これは事実に反している。

2011-04-16 23:04:45
smw @Shi_MeiWo

では、この文章はどう訳すべきなのか?俺は日本語話者で、英語はよくわからないが、わからないなりに試薬してみたい。以下のツイートで示す:

2011-04-16 23:06:40
smw @Shi_MeiWo

「サウンドを再生し、SoundChannelオブジェクトを生成します。このメソッドはSoundChannelオブジェクト――これはサウンドを停止したり、音量をモニタしたりするためにアクセスするものです――を返します。(続く)

2011-04-16 23:23:39
smw @Shi_MeiWo

(続き)(音量やパン、LRバランスの制御は、SoundChannelオブジェクトに含まれるSoundTransformオブジェクトにアクセスしてください)」これなら文章の翻訳と、意味の正しさが両立している、と思う。だが個人的には、もっと読みやすく次の訳のようにしたい:

2011-04-16 23:25:51
smw @Shi_MeiWo

「サウンドを再生します。戻り値はSoundChannelオブジェクトです。サウンドを停止させたり、音量を調べたりするには、このメソッドの戻り値であるSoundChannelオブジェクトから行なってください。(続く)

2011-04-16 23:26:46
smw @Shi_MeiWo

(続き)(音量やバランス等を変更するときは、戻り値のSoundChannelオブジェクトに含まれるsoundTransformプロパティから行なってください)」直訳としては不正確だが、日本語で意を尽くせている。原文にない「プロパティ」という語を補っているのは「あえて」やっている。

2011-04-16 23:31:12
smw @Shi_MeiWo

なぜ言い回しをかえるのか?大きな理由は「日本語と英語の語順の違い」。英文では目的語を最後に言い、次の文章の頭にThisがあれば、その目的語を指すことが自明であり、すっと頭に入る。だが日本語はそういうわけに行かないのだ。

2011-04-16 23:39:11
smw @Shi_MeiWo

また、英語は関係代名詞を普通の言い回しとして使うが、日本語では「持って回った」言い回しになってしまうため、ダッシやカッコで区切らないと読みにくい。むしろ文章を二つに分けるほうが望ましい。例えば「A is B which is C」は「AはBです。そのBはCです」など。

2011-04-16 23:46:09
smw @Shi_MeiWo

なお、この裏返しとして「吾輩は猫である。名前は未だ無い」の二文は「I am a cat, which has no name yet.」という一文で訳すことも可能であろう。

2011-04-16 23:54:44