憲法学と同性婚(辻村先生中心)

そういうことで
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SakawaH @SakawaH

大阪の弁護士のsakawa(息子のほう)です。 twilog.org/SakawaH note.mu/sakawa1

SakawaH @SakawaH

憲法と同性婚の関係については、ちょうど新刊の辻村みよ子「憲法と家族」(平成28年、日本加除出版)が、従前の憲法学説を踏まえ、近時は「許容性」が説かれることも念頭におきつつ「通説は…24条下では同性婚は容認されないと解してきた。」(129頁)と分析することにも注目しておきたい(続

2016-05-09 10:40:35
SakawaH @SakawaH

続)辻村説自体は、24条自体が一定の家族観を(憲法制定同時の諸事情やそれまでの経緯から)「公序」として提示していると捉え、13条の個人の幸福追求権を追求していくと「対抗関係」が生じると理解する(同356頁)。ジェンダーの観点から24条がどう理解されるかということについては(続

2016-05-09 10:48:02
SakawaH @SakawaH

続)比較的「新たな」視点というべきであり、これを容れる以前の学説を(少なくとも明言のない範囲において)「禁止」説的に分析することが妥当かどうかには多少の疑問も感じないではない。ただし、現存しない保障を求めて問題を提起する側としては「無関心は禁止と同じ」でもあろう。(続

2016-05-09 10:51:39
SakawaH @SakawaH

続)そう考えると、24条が同性婚を「禁止していない」ことが「当然」の憲法解釈であると今日的に述べてしまうことには、その内容自体は妥当であっても、いささか躊躇めいたものを感じざるを得ない。また、24条の解釈が及ぼす「公序」的要素についても、踏み込んで検討する必要があろう。

2016-05-09 10:57:09
SakawaH @SakawaH

なお、教科書レベルで憲法学の通説が同性婚(を含む24条解釈の問題)をどう取り上げてきたか(こなかったか)については、先日挙げた辻村「憲法と家族」144頁以下が有益であると思う。

2016-05-12 22:43:35
SakawaH @SakawaH

辻村先生の主張するところを私なりに解釈すると、憲法24条というのは、いってみれば「そんなにいいもんじゃない」ということなんだよな。「近代家族」をやめて「現代家族」にいくまではいいけど、そこから先へいくにはむしろブレーキになり得ると

2018-08-01 11:27:46
SakawaH @SakawaH

確かに、同性婚にせよ、何かを既存の婚姻(法律婚)制度に取り込むことは、「公序」擁護的に機能するのであって、13条的な純粋な個人基調の幸福追求権と抵触しないのかという指摘は考えさせられるものがある。もちろん、文理上抵触しないと理解することはできようが、ことは社会的機能の問題だろう

2018-08-01 11:31:44
SakawaH @SakawaH

おそらくは、これをさらに推し進めると(辻村先生がそこまで主張するかはともかく)そもそも法律婚制度廃止論ということになるのだろう

2018-08-01 11:36:20
SakawaH @SakawaH

別姓訴訟とかも実はそういう、つまるところ法律婚制度前提的な主張でもあって、ミクロ的利害の問題は別として、全体としてそっちがいいのかという話は十分にありうる。結局、別姓あり、同性あり(その他もあり)とすると、既存の法律婚制度はそれだけより多数の支持を得た強固なものになりうるからだ

2018-08-01 11:41:15
SakawaH @SakawaH

辻村先生は、家族モデルの類型として、個人主義的家族モデル、国家主義的家族モデル、そして共同体的家族モデルの三類型を挙げ、個人主義モデルを追求すると公序尊重を内包する24条と対抗関係が生じるとする。他方共同体モデルは国家主義モデルの「カモフラージュ版」になる危険が現実的だとする

2018-08-01 11:57:12
SakawaH @SakawaH

共同体モデルは、個人と国家という二極の中間に家族という「共同体」をおき、三極対立構造とするというものである。家族を「国家権力からの防波堤」と位置づける理解もその一翼であろう。ここから個人的に想起するのは、もちろん場面は異なるが、労働者の団結に関する問題である

2018-08-01 12:01:53
SakawaH @SakawaH

個人を労働者、国家を企業と置き換えると、家族は労働者団体、つまりは労働組合的に位置づけることができよう(ことわっておくが辻村論文は特にこのようなことを示唆しておらず、全くの私見である)。中間団体としての労組である

2018-08-01 12:08:10
SakawaH @SakawaH

私はそちらの方面には別段詳しくないのだが、今日、本邦における労組の退潮には著しいものがあると理解しており、その原因は一様ではないのであろうが、いわゆる分断によるものにせよ、このような「中間項」の存在が必ずしも支持されなかったことは否定しがたいと思う。その結果は今日のとおりである

2018-08-01 12:10:11
SakawaH @SakawaH

だからといって必ずしも「労組の復権」が今後想定しうるのか、そのへんはなんとも言えないし、下手なアナロジーを重ねれば、今日、一方では「中抜き」を嫌って問屋的な中間項を排除する傾向の一方、コンサルのような現代的「中間項」の隆盛もあるところで、「中間項一般論」が成り立つとも思われないが

2018-08-01 12:13:25
SakawaH @SakawaH

そういう観点からも「家族保護」を考えるかどうかというのは一つ前提としてあるとおもう。徹底的に「むき出しの個人」が並んだところで契約自由的行動と事後的規制に徹するという社会観が、かなり(それこそ個人の生来的後天的能力や何かによって)ハードなものになるということもあろう

2018-08-01 12:21:58
SakawaH @SakawaH

もちろんだからといって復古的家族間に回帰することが望ましいのかというとそれも納得しがたいところであるが、結局、あるべき家族観を強く立てれば立てるだけそこからこぼれ落ちるものが増えるという相互的な関係があるわけで、どこかで最適解的なものを探すしかないのだろうが

2018-08-01 12:23:49
SakawaH @SakawaH

なお、前掲書と一部重複するが、辻村先生による、最近までの憲法学説における24条(等)の解釈状況を含めた整理として、辻村「憲法と家族」(日本加除出版、平成28年)79頁「第Ⅱ章 日本国憲法と家族規定」特に129頁。

2018-08-01 12:48:06
木村草太 @SotaKimura

同性婚と憲法13条、14条、24条に関する学説の紹介については こちら参照digital.asahi.com/articles/DA3S1… 木下智史先生:同性婚に憲法24条の保護を及ぼさないことと、同性婚に法律婚の地位を与えることを禁じることは異なるとし、「同性婚に法律婚としての地位を与えるかどうかは、法律に委ねられている」

2019-02-14 22:45:38
木村草太 @SotaKimura

宍戸常寿先生:異性婚(憲法24条に言う「婚姻」)と同性婚の保護の不平等は「合理的な根拠」がないなら平等権侵害 高橋和之先生:同性婚の権利を自己決定権として保護する解釈を検討すべき 松井茂記先生:同性婚認めないのは「合憲性が問題」 辻村みよ子先生:同性婚不在は13条、14条の観点で問題

2019-02-14 22:48:33
つまらむ @km0bake

「憲法24条で同性婚が禁止されているか。」をトゥギャりました。 togetter.com/li/1322031

2019-02-23 13:02:03
まとめ 憲法24条で同性婚が禁止されているとする説はあるか? 禁止されていると読める学説をとなえるのは、おひとりと思われる。 8808 pv 112 2 users
SakawaH @SakawaH

憲法学が同性婚をどう扱ってきたか(辻村「憲法と家族」を手がかりとして)|sakawaH @SakawaH|note(ノート) note.mu/sakawa1/n/n1c3… noteにまとめてみました。

2019-02-25 01:01:37
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コメント

つまらむ @km0bake 2019年2月25日
さかわ先生のnoteを追加しました。
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つまらむ @km0bake 2019年3月5日
まとめを更新しました。
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