こんまりメソッドのロジックと宗教性について

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

こんまり先生、一冊目から愛読して米国展開もかなりヲチしてますが、さてアメリカでは誰が最初に怒るのかなと思っていたら、やっぱり、愛書家なのだなぁ。メソッドが基本的に「オタクではない」層を想定してて、オタクの逆鱗に触れやすいんだよね。鞄の収納方法とかも鞄好きが聞いたら発狂するでしょ。 twitter.com/Riko_Murai/sta…

村井理子 @Riko_Murai

「本に関して、コンマリことマリエ・コンドウに耳を貸してはだめよ。あなたの部屋も世界も本で埋め尽くしてしまいなさい」　これはアメリカ人の友達も言ってた。 “こんまり流”片づけ術に米紙「君のときめきは間違ってる！」 | きちんと整理された本棚なんて退屈なだけ courrier.jp/news/archives/…

2019-01-17 19:10:30

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）紙焼き写真の断捨離とか、あるいは彼女の偏愛対象である下着に関してさえ「愛がない」人で、だからこそ物に対する未練執着が強い人々の教祖になれるわけだけど、自分がオタク的偏愛注ぐカテゴリについては完全に無視する、読者側の自主判断が求められるのだよな。米国視聴者はそういうの苦手そう。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）何度も言いますけど、日本国内での布教とはかなりスタイル変えてて、米国展開のほうが故意に「敵を作る」感じだから反対派も多かろうとは思う。でも、モノとしての思い出や室内装飾は多ければ多いほうがいいという主流的価値観に脱洗脳をかけて揺さぶってるお手並みは本当に拝見するのが面白い。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）彼女の片づけメソッドのうち、家が狭くてごちゃつく日本読者に刺さるのは収納パートだが、アメリカとにかく家が広大すぎ物が膨大すぎだから、断捨離パートが注目されるんだよね。「置くスペースあるんだから捨てなくていいじゃん！」とキレる人もいるだろうと思っていたが、やはり最初は愛書家か。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）「泣きながら夫の遺品を整理したら大部屋まるまる一つスペース空いた」の回とか、明らかに独居に不向きな間取りだし狭い家へ引っ越せばいいのに、本人は「新しい人生の新しい趣味に没頭する部屋を作るわ」と言ってて、アメリカ〜！ 日本の住宅事情と違ってリバウンド必至だろ。生まれ続ける需要。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）でも本当、しつこいようですけど、これは「宗教改革」の道程を眺めてるんですよ我々は。アンチがわくのもわかるし、私も信者というわけではないけど、でも頑張ってほしい。ラジニーシの『ワイルドワイルドカントリー』みたいに、こんまり先生もそのうち村とか町とか買い取ればいいんだよ。楽しみ。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）私も書籍の断捨離については完全無視したけど、彼女が教祖として優れているのは下手に電子化しろとか言わないことなんだよね。省スペース化とか全然関係なく、とにかくひたすら「縁切り（感謝を捧げて捨てる）」の高揚を説き続け、購入時ではなく捨てるときに直感を信じろと説くのが上手い。脱帽。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

そういえばこんまり先生、初読時に「他の家事コンサルタントと違って（玄関掃除がお浄めになるみたいな）スピリチュアルが控えめでいいな」と好感抱いたのだが、全米進出して禅ブーム受けた後のNetflixシリーズで「家に挨拶」始めたときも「このくらいなら大丈夫」と好感が保たれたの地味に凄いよな。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）もちろんあの程度でもアレルギー出る視聴者はいるだろうけど、彼女のコンペティターにはもっとアレなのも大勢いるわけで、何度でも言いますが、スピリチュアルを排したのも、後から少し足したのも、「戦略が上手い／マズい箇所が少ない」という感想になるんですよね。これは好き嫌いの話ではない。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）世の中にたくさんいる「生き方について教えるのが上手い家庭教師」に対して「そんなの要らない、私は独学でやるほうが好きだし向いている」と言うのは簡単で、私も大抵の宗教に関してはそのように丁重にお断りするのですが、西洋圏で禅がブームになった過程とかをよく研究してるのだろうなと思う。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）次に来るのは「ikigai」だ、という流れだけど、「ikigai」が今ひとつ伸びないのはメンタルに寄りすぎててこんまりみたいな指導者を中心に据えづらいからだろうし。部屋の片づけという完全フィジカルからアプローチして最終的にメンタル揺さぶっていく彼女の手法と、同じことできる人いるだろうか。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）それから「通訳を付ける」ことばかりが話題になっているけれど、なんでみんな彼女が「日本語を話す」ほうに注目しないのか。推しの話ばかりで恐縮ですが『料理の鉄人』が英語圏へ進出したとき、ほぼ全編吹替だったのに鹿賀丈史パートだけが「日本語（字幕付き）」だったのと同じ効果があると思う。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

そうこれです。「我々とは違う国から来て違う言語を話すが、我々と同じように子供がいてガレージ付きの家に住み、時には我々の言葉に耳を傾けその場で笑い、稀に我々と同じ言語で話しかけてくださる、救世主」。完全に塩加減を誤った例として佐村河内氏を思い出しますね……。 twitter.com/yaruki_nashi/s…

あんびばれんと@PPMMP @yaruki_nashi

私も話題のNetflixシリーズ見てみたけど、その辺のアジアンテイストの出し方のチューニングの具合の絶妙さがすごいなと思った。あと、ご本人がどのくらい英語しゃべれるかは全く知らないんだけど、通訳を付けてるのもご神託的な効果をちゃんと計算してのことなんだろうなー。 twitter.com/okadaic/status…

2019-02-13 23:50:26

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）みんなNetflixでこんまり観たらその勢いのまま『ワイルドワイルドカントリー』も観て……ここに私の初見時の感想貼っておくから観て……オショー師が望んで成し得なかったこと、こんまり師なら実現可能なのではないか、と夢想するようになるから……。（ずっと言ってる） twitter.com/okadaic/status…

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

楽しみに観ていたNetflixドキュメンタリー『ワイルドワイルドカントリー』を観終えてしまった。めちゃくちゃ面白かったので、少しでも興味ある人は是非視聴してほしい……！！ ちなみに私は生まれた直後のことでラジニーシについて何一つ知らず、第一話から衝撃の連続でした。 netflix.com/title/80145240

2018-04-03 12:43:51

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）こんまり、依頼者の話にはすぐ反応を返す（リスニングはできている）けど、理想の家作りについての「質問」は必ず、メソッドを編み出した彼女自身の母語で問いかける。その呪文のような「お言葉」によって家の中が再定義されていくような感覚を味わう。いや、私は日本語で観てるはずなのにな。笑。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）あと玄関口で通訳と他愛ない（多くは米国文化への肯定的な）雑談してる場面を挟むのが、本当に巧い。『クィアアイ』なら訪問前の依頼者抜きの雑談はただの楽しい演出と見えるけど、外国語かつ語り口が厳かだと「こんまり様が我々の知らないところでも我々に心を砕いてくださっている」となる……。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）しかも実際言ってることは「なんかこの飾りつけの色とか、かわいーですよねー」程度のまるで意味のない会話なのに……それでも我々は「マリェとイーダのお言葉の中にkawaiiが聞き取れたぞ！」とはしゃいでしまう……。何をどれだけ戦略練ったらあんなにすべてを味方に付けられるのだろうか……。